GWに入る直前、大好きな人が海外勤務から帰ってきた。
彼は、私にとってかなり特別な人。
自分から好きになった人に振り向いてもらったのは、後にも先にも彼だけ。
ちょっといいな、くらいではない。
毎日毎日ドキドキしながら、私なりにアプローチを繰り返す。
ほぼ同じ時期に同じくらいの「温度」で、
彼も私のことを想ってくれていたらしいというのことがわかったのは、かなり後。
毎日逢える状況が残り少ない、とお互いにわかっていたから
余計に拍車がかかったのかもしれない。
初めて会って2カ月くらい、平日はほぼ毎日顔を合わせていた。
会えないときには、私から電話した。
会える日も、夜に電話するのが日課になっていった。
片想いだと思い込んでいた私は、彼の気持ちを確認することもできないまま。
いつもやさしく電話や食事につきあってくれる彼の本心を知るのが、
正直こわかった。
「幸せ芝居」っていう歌があるけれど、まさしくそんな感じ。
ただただ、この毎日の幸せな時間が終わらなければ、とだけ願っていた。
知り合って、1カ月。
毎日のように飲み会があり、その後には彼と二人で別の店へ行くことが
もう当たり前のようになっていった。
別れ際に、駅の改札でずっと見送ってくれる彼。
本当にやさしい。
それでも、月日は流れ「そのとき」が来た。
会えるのは明日が最後だけれど、でも二人きりにはなれないことはわかっていた。
私にとっては今日が「最後」。
そう思った私は、いつものように二人で飲み直していても
なかなか帰ることができなかった。
日付も変わって、タクシーを拾えるところまで送ってくれる彼。
何か言わなきゃ。
でも、言えばこの関係が壊れてしまうのかも
やっとの思いで、彼の腕を抱え込んで立ち止まる。
まるでだだっこのように「まだ帰りたくない」気持ちをアピールする。
「仕方ないなぁ」というように、彼はやさしく抱きしめてくれた。
予想外の展開に、ちょっと驚いた。
夢みたいだった。
私も彼の背中に手を回した。
でも、やさしさゆえの行動なのかも。
そう思って、彼に「ごめんね」と言った。
「気に入っている人とこうしていられてうれしいです」
そう言ってくれた。
それから、髪、おでこ、頬と順になぞるようにKISSしてくれた。
最後に唇にも。
12月。クリスマス前。
イルミネーションのキレイな駅前に向かう通りで抱き合う二人。
通行人もいるのに、大胆な行動。
そのときは、ちっとも気づかなかったけれど。
彼の体はとっても温かかった。
「(私の)心臓がバクバクいってる」
ちょっとからかうように言う彼。
お互いの鼓動が直接伝わる距離にいることの幸せ。
ずっとこのままいたい。
あれからもう10年が過ぎた。
お互いの環境も変わってしまった。
彼の気持ちも、変わっているだろう。
それでも、やっぱり彼が好き
同じ日本にいれば、また逢えるかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら、これからの毎日を過ごすだろう。
いつ逢っても恥ずかしくないように、自分に磨きをかけながら。
彼は、私にとってかなり特別な人。
自分から好きになった人に振り向いてもらったのは、後にも先にも彼だけ。
ちょっといいな、くらいではない。
毎日毎日ドキドキしながら、私なりにアプローチを繰り返す。
ほぼ同じ時期に同じくらいの「温度」で、
彼も私のことを想ってくれていたらしいというのことがわかったのは、かなり後。
毎日逢える状況が残り少ない、とお互いにわかっていたから
余計に拍車がかかったのかもしれない。
初めて会って2カ月くらい、平日はほぼ毎日顔を合わせていた。
会えないときには、私から電話した。
会える日も、夜に電話するのが日課になっていった。
片想いだと思い込んでいた私は、彼の気持ちを確認することもできないまま。
いつもやさしく電話や食事につきあってくれる彼の本心を知るのが、
正直こわかった。
「幸せ芝居」っていう歌があるけれど、まさしくそんな感じ。
ただただ、この毎日の幸せな時間が終わらなければ、とだけ願っていた。
知り合って、1カ月。
毎日のように飲み会があり、その後には彼と二人で別の店へ行くことが
もう当たり前のようになっていった。
別れ際に、駅の改札でずっと見送ってくれる彼。
本当にやさしい。
それでも、月日は流れ「そのとき」が来た。
会えるのは明日が最後だけれど、でも二人きりにはなれないことはわかっていた。
私にとっては今日が「最後」。
そう思った私は、いつものように二人で飲み直していても
なかなか帰ることができなかった。
日付も変わって、タクシーを拾えるところまで送ってくれる彼。
何か言わなきゃ。
でも、言えばこの関係が壊れてしまうのかも

やっとの思いで、彼の腕を抱え込んで立ち止まる。
まるでだだっこのように「まだ帰りたくない」気持ちをアピールする。
「仕方ないなぁ」というように、彼はやさしく抱きしめてくれた。
予想外の展開に、ちょっと驚いた。
夢みたいだった。
私も彼の背中に手を回した。
でも、やさしさゆえの行動なのかも。
そう思って、彼に「ごめんね」と言った。
「気に入っている人とこうしていられてうれしいです」
そう言ってくれた。
それから、髪、おでこ、頬と順になぞるようにKISSしてくれた。
最後に唇にも。
12月。クリスマス前。
イルミネーションのキレイな駅前に向かう通りで抱き合う二人。
通行人もいるのに、大胆な行動。
そのときは、ちっとも気づかなかったけれど。
彼の体はとっても温かかった。
「(私の)心臓がバクバクいってる」
ちょっとからかうように言う彼。
お互いの鼓動が直接伝わる距離にいることの幸せ。
ずっとこのままいたい。
あれからもう10年が過ぎた。
お互いの環境も変わってしまった。
彼の気持ちも、変わっているだろう。
それでも、やっぱり彼が好き

同じ日本にいれば、また逢えるかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら、これからの毎日を過ごすだろう。
いつ逢っても恥ずかしくないように、自分に磨きをかけながら。