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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

家庭での食中毒発生防止ポイント

2005-06-04 20:49:12 | 身近な衛生
前回、前々回と日常口にしているものの細菌数、そして器具の細菌数を実験してみました。
そこでやはり「こわいな」という気分から「もう気にしてしまって洗いまくっている」という生活まで発展してしまう人が出てきたりする可能性があって、誤解を生んでいるかもしれないので少し解説をしておきます。

これまでの通常の生活で、菌が原因で起こった大きな体調の変化(お腹を壊すなど)って少ないと思います。
そういう生活の中でも、これだけ細菌と接している機会と言うのは実はあるのです、ということを言いたかったわけです。
私の体調はあれだけ菌のいる肉を加熱して食べても大丈夫だし、あの菌がついた包丁を使っていてもお腹を壊したりしていません。
つまりは、私たちの身体はある程度の菌を取り入れても、大丈夫なのです。

だからと言って、極端に走るのは良くありません。
そこでどんなことがポイントになるのかを書いていこうと思います。


まず、大きなポイントというのは、ある特定の、少量でも中毒をおこしてしまう毒を発生する細菌(例えば大腸菌O157)がいない限りは、健康な人であれば相当数の細菌を同時に摂取しないと体調を崩すことはありません。
その数は10,000,000個以上と言われています。
最初から器具や食材にそれだけいることは少ないです。(器具を洗っていなかったりしたら、それは別です)

それだけの菌数が身体に入るのを防ぐには、次のことが有効です。

1.家庭で料理したものは、短時間で食べきる。
2.残り物は、なるべく低温で、なるべく短い時間で食べきる。更に、再食するときにはよく加熱する。

加熱したり、洗ったり、酢を使ったりしていれば菌が少なくなっているので、身体に入る菌数というのは少ないです。
更に、残っていた菌をなるべく増やさないのがポイントです。
低温でも時間がたてば増える菌もいますし、加熱したショックで増えだす菌もいます。
そのような菌は再び加熱することで死滅します。

さらに細かく気にするとすれば、

3.生食するような野菜サラダ、海鮮物は保存に注意

これは、洗っただけでは菌は残っており、再食するときに加熱することは出来ないからです。
時間がたってしまって気になるようであれば、お酢を使うことをお勧めします。

4.肉はよく加熱すること

肉が厚い場合、中心点までよく熱が伝わっていることが必要です。
厚い場合には蓋をしながら加熱したりしましょう。
血が滴るレアは、中心が冷たければ要注意。
(レアの焼き具合は本当は中心部も暖かいのが美味しいのです。by美味しんぼ)

とりあえずはこんなところでしょうか。
これから熱くなり、湿気も高くなることで微生物の繁殖は活発になります。
食材保存時の温度と時間が大切です。
低く、そして短く、が一番増えない条件です。
そして使った器具はきれいに洗い、乾かしておきましょう。
熱湯をかけたりすると、菌もよく死滅するし、乾きも早いですよ。


(もちろん、お弁当・お惣菜を扱う業種や、食品加工場での衛生管理は別物です。)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
きをつけます。 (Tappy)
2005-06-06 22:36:08
最近ちゃんと自炊してるので気をつけます。腹痛おこしたくないし~~。
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体力が落ちているとき (spirillum)
2005-06-07 19:17:56
注意するくらいで十分だと思いますよ。

健康に過ごしている分には「生もの以外」は平気ですよー。

Tappyさんのブログを拝見する限り、外に出て実験されてますから、中で悶々と(日の当たらない)実験しているタイプよりは体力ありそうです。(笑)
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