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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

桜の病原菌

2006-03-31 20:11:25 | 様々な微生物

関東圏では桜が満開ですね。
私が住んでいる土地には、相当な規模の桜並木がありまして、しかもものすごく長寿で大きいのですが、病気にもならない様子。

ところで、植物の病気にはカビ(糸状菌)と、細菌によるものがあります。
桜の病原菌について調べてみることにしました。

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・萎ちょう病 Verticillium dahliae 糸状菌
350種以上の植物に感染して萎凋性の病害を引き起こす土壌伝染性糸状菌。

・かわらたけ病 Coriolus versicolor 糸状菌

・がんしゅ病 Cylindrocarpon sp. 糸状菌
アカマツ・クロマツ苗立枯、ブナ苗立枯、スギ苗立枯もこの属の菌。

・こうやく病 Septobasidium kameii 糸状菌

・こぶ病 Pseudomonas syringae pv. 細菌
野菜の腐敗にも関わっていたりする菌。
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この他にも5病原菌ほどある様子です。
色々な微生物が病原菌になっていますね。
でもやっぱりカビが多い。
以前も紹介したことがありますが(カテゴリ「植物の免疫機構と微生物の戦略」参照)、カビはその感染機構に複雑で巧妙なものを持っています。
どんなに硬い植物の細胞壁でも、隙あらば栄養源にしてやろうという気概が感じられます。

細菌が一つありますが、実はこの菌は細胞壁を分解する能力を持っています。
なので、この病気にかかった野菜は溶けてしまいます。
キュウリとかよく溶けますね。キャベツとか。
細胞壁を溶かすことが出来るので、栄養源に届きやすいわけですね。

んな感じで微生物も頑張っているし、それに対して精一杯抵抗している植物の方もすごいメカニズムを持っているんです。
面白いですねー。

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