秋田の潟上市を後に、夜の国道を青森まではしり、夜明けを待って弘前市内の最勝院を訪ねました。
最勝院は1532年(天文元年)に弘信上人が荻野という場所に伽藍を造営したことに始まり、その後二度移築され、明治時代の神仏分離令の後に現在の場所に寺籍を構えたそうです。
山門を入ると、見事な五重塔が聳えていました。
この五重塔は、国の重要文化財としては日本最北端に位置するもので、1667年(寛文7年)に津軽3代藩主津軽信義、4代藩主津軽信政の寄進により、初代藩主津軽為信が津軽統一の過程で戦死した人々を供養する為に建立されたそうです。
ちょっと驚いたのが、山門の両脇に並んだウサギの像です。
普通の寺院であれば、狛犬が置かれている場所に立ったウサギと伏せたウサギが設けられていました。
今まで様々な土地で、様々な寺社を訪ねてきましたが、どんな謂れがあるのか、帰宅後に調べてみますと、
津軽地方独特の習慣で、自分の生まれた年の干支を守り神とする信仰があるそうです。
津軽二代藩主津軽信牧が自分の一代様を城の鬼門に創建した事に始まるとされます。
何だか、今度弘前を訪ねた時は、一代様を全て訪ねてみたくなりました。
でも全ての一代様の門に、このような像が設置されているのでしょうか。
と疑問に思ったのでネットで検索してみると、
こんなブログ記事を見つけました。
さて、少し本題から外れましたが、この最勝院の庭には確かにヒガンバナが育っていました。
しかし、以下の写真で御覧頂くように、株毎の花茎の数がかなり疎らです。
北茨木や福島辺りのヒガンバナの生育状況と見比べても、その差は明らかです。
この差は、ヒガンバナが光合成を行う季節に、葉が雪で覆われてしまうからに違いありません。
奥久慈茶の里公園 福島市下鳥渡
ではありますが、そのようなヒガンバナ育成の困難を克服して、弘前市の最勝寺は、日本最北の露地植えヒガンバナが花を咲かせる場所であることに間違いはなさそうです。
旅の目次 全ての花の旅