お風呂のときザブリと頭からお湯をかけた。
いつもならそんなことしないのに、何故かそわかんぼは上を向き、水を飲んでしまった。
「げほごほごほほっ
」
咳き込んだあと、えーんえーんと泣く。
ごめんね~、と謝りお湯に浸かりながら授乳するが、むせてうまく飲めない。
お風呂からあがって少し落ち着き、その夜はそのまま寝た。
次の日、いつものように元気だが、時々咳をしていた。
夜、四国から友達がきた。妹さんも一緒。そわかんぼは目覚めて、わーんと泣き顔のご挨拶。
明日明後日は観光だ。
3日目、山川の砂蒸し温泉に出かける。
そわかんぼと私は入れないので、海岸を散歩。砂蒸し横の階段を登り、水平線を見ながら風に吹かれた。
夕方、腰痛のオットのために、整体の先生が来てくださる。そわかんぼの咳が気になる旨を話したら、背中に手を当てていって冷えてるとこを温めてあげるようにと言われる。
「親が気にすると、却ってその不安が移って具合が悪くなることがあるから、大丈夫、子供を信じてどーんと構えてな!」
少しホッとするが、そわかんぼは夜中も何度か咳き込む。背中をなでながら、気がつくと朝を迎えていた。
4日目、雨の中、鹿児島市内へ。
黒豚トンカツのランチを済ませ、磯の薩摩切り子工芸館を見学。海岸沿いの「平田屋」で「ぢゃんぼ餅」をいただいて、鹿児島中央駅のアミュプラザを目指す。車は私の実家に駐車。こういうとき、実家が駅の近くというのは助かるなあ~。
ヂヂは、そわかんぼの咳に「風邪だ風邪だ」と大袈裟に騒ぐ。
ババちゃんは「まあ、大丈夫でしょ。でも、頭からお湯をかけるなんて悪いママね~。」とさりげなく刺してくれる。ははは。
そわかんぼをヂヂババにあずけ、友達姉妹とアミュプラザへ。
そういえば、仕事と病院以外でそわかんぼを人にあずけるのは初めてだ。
すぐ戻ろうと思いつつも、お店に行くと、焼酎やお土産をあれこれ薦めたくなり
つい長居。
「からいもあめ」の説明をしているところに電話がかかってきて、走って帰る。
ババちゃんにお風呂に入れられ、そわかんぼ大泣きしている。
私を見ると「うぉぅ、うぉう~」と何かひとしきり訴え、腕を伸ばしてきた。
咳にむせながら、おっぱいを飲む。そのあとは、元気良くヂヂと遊ぶ。
友達姉妹がアミュプラザから戻り、家に帰ったが、車の中でも咳は続いた。
5日目。朝7時半、友達姉妹は四国に帰っていった。
そわかんぼは、この二日間自分を可愛がってくれたお姉ちゃん達が車に乗って門を出ていくのを、不思議そうにじーっと見ていた。
咳にプラス鼻づまりもひどくなってきた感じ。こういうときにレメディーがあればなあと思い、そわかんぼがちょっと寝た隙に、インターネットで注文。
夕方、一緒にロンの散歩に行く。気持ちよい空気を吸って、しばし咳が止まった。
しかしこの夜、そわかんぼは寝に入ってから明け方4時まで15分おきに目覚め、おっぱいを求めた。そわかんぼも辛いが、母も辛い。
6日目。
よっぽどのことがなければ病院にはいかない。が、私たち夫婦の暗黙の了解になっていたが、今日はさすがに病院に行くことにした。オットが隣町のこどもクリニックが良いらしいというので、電話をかけ、診療時間を確認した。
涙目でぼーっとしているそわかんぼをつれて出発。初めての病院だ。
受付で症状を言い、問診票を書いてしばし待つ。その間に、熱を測る。ここ数日と同じく、熱はない。しかも待っているうちに、咳も鼻水も治まってきた。あらら。
体重を量り、いよいよ診察。聴診器を当てられただけで泣く子もいるらしいから少し緊張したが、そわかんぼ、全く動じる様子なし。耳に診察機を入れられたのは、さすがにイヤそうだったけど。
診察の結果、どこにも炎症がないので、あえて病名をつけるとすれば「鼻づまり」ということで。あと、母乳育児の場合、牛乳は飲まないほうがいいと言われた。アレルギー性鼻炎の場合、症状をひどくすることがあるらしい。
鼻が楽になるように、吸引機で鼻水を取ることに。処置室でタオルにきゅっとラップされ、細い管を鼻に通される。何か異変を感じて、身をよじるそわかんぼ。
「おかあさん、赤ちゃんの両手を押さえててね」と看護婦さんに言われ、もう一人の看護婦さんがそわかんぼの頭を押さえる。
吸引が始まり、「ぎゃあああああ~!!」と泣きわめく。
「これをしたら楽になるからね、がんばれ!がんばれそわかんぼ!」
声をかけながら、私も泣いてしまう。こんなにちっちゃいのに、こんな気持ち悪い、辛い思いをさせてごめんね、と思う。
帰りの車では放心状態だったが、しばらくすると眠りにつき、家に着いても寝たままだった。夕べも眠れなかったし、生まれて初めての鼻吸いで疲れもしたのだろう。オットも腰痛とお盆疲れ、私も昨日から続く寝不足のため、親子三人で久々に昼寝の午後を過ごした。
ここしばらくお盆で私たちが忙しかったから、そわかんぼも気が張っていたのだろう。
やれやれ、これで一段落。
と思って目覚めたところ、次なるトラブル発生!
・・・ここ数日、こまめにそわかんぼに吸われたおっぱいは、非常に分泌が良くなり、ぱんぱんに張っている。
しかも、脇の方からしこりが出来つつある・・・ひゃ~、今度は母が吸ってもらわなくちゃだわ~