![]() | 失われた日本―「古代史」以来の封印を解く原書房このアイテムの詳細を見る |
書籍名 失はれた日本 カテゴリー 日本史
著者名 古田武彦 発行年(西暦) 2000
出版者 原書房 値段 1500-2000円
感想 ☆☆☆☆
思ひ返せば、私が古代史に惹かれるやうになつたのは、
古田武彦の『邪馬臺國はなかつた』を讀んだことが、その理由のひとつであつた。
「邪馬臺國」は「魏志倭人傳」に書かれてゐると學校でも習つたのだが、
實は「魏志倭人傳」には「邪馬壹國」と書かれてゐたのだ。
略字で書けば、「台」ではなく「一」である。
つまり、ヤマトの音をたよりに近畿にその所在を求めることはナンセンスである譯だ。
これを讀んで以來、私は「邪馬臺國」は博多灣附近にある筈だと信じるやうになつた。
さて本書は古田武彦の主張を端的に纏めたものである。
すなわち、倭國はその存在が中國の史書に見られるやうになつて以來、一貫して博多灣沿岸にある、といふことである。
少なくとも、中國の認識は、唐の時代に至るまでさうであつた。
「日本」といふ國はその倭國を吸收して成立した。
それは、倭國が「白村江」で完膚無きまでに負けた、それが理由であつた。
この視點にたつと、さまざまな謎が謎でなくなる。
本書は古田史學のエッセンスが凝縮された、古代史入門にはうつてつけの本である。
2004年10月26日讀了
次、反論の安本本を選択したいと思います。
P221の「森浩一」すら・・・・、の記述に古田武彦氏の心情をみることができる。
「森浩一」著書は諸般を鑑み「日本神話の考古学」「記紀の考古学」の二冊を購入、森浩一氏のポジションを納得しました。