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仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

読書録 2025年5月中旬

2025-05-21 05:32:00 | 読書録(備忘)
5月20日『天と地と』 海音寺潮五郎1962年刊行 初読。 昔、NHK大河ドラマで観た。調べたら、1969年、小学校3年のことだった。高橋幸治の信玄、石坂浩二の謙信、川中島のシーンが良かった。 謙信が単騎で信玄の本陣に突入、信玄に斬りかかると信玄がかろうじて軍配で受けるという、あの第4次川中島合戦がこの作品のクライマックス。 この作品は上杉謙信(長尾景虎、政虎)の幼年時代から第4次川中島合戦ま . . . 本文を読む
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読書録 2025年4月下旬

2025-04-30 20:20:00 | 読書録(備忘)
4月25日読了『剣客商売 番外編 ないしょないしょ』 池波正太郎1988年9月刊行 再読。ぼくの好きな長篇。 お福という女の、16歳から36歳で亡くなるまでの物語。とは云え、物語の中心は16歳から20歳までの四年あまり。女は強い。 以下、長文ご免。 お福16歳。 越後・新発田城下の剣術道場で、主人の神谷弥十郎に犯されてしまう。下男の五平が使いに出されるたびに陵辱され、お福は憎しみのあまり、弥十 . . . 本文を読む
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読書録 2025年4月中旬

2025-04-21 19:55:00 | 読書録(備忘)
4月16日読了『剣客商売 番外編 黒白』(上下巻) 池波正太郎1983年2月刊行 再読。ぼくの好きな長篇。 剣客・波切八郎の物語。人生、黒でも白でもない。いろいろな色があっていい。  寛延三年(1750年)。 秋山小兵衛32歳。小野派一刀流の剣客、波切八郎28歳。その門人、水野新吾19歳。 波切八郎は翌年3月に秋山小兵衛と真剣勝負をする誓約をしている。 門人の水野新吾が辻斬りをしていることを知 . . . 本文を読む
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読書録 2025年4月上旬

2025-04-12 04:28:00 | 読書録(備忘)
4月1日読了『剣客商売 十六 浮沈』 池波正太郎1989年10月刊行3読目?4読目?長篇。これが最後の『剣客商売』。番外編(『黒白』と『ないしょないしょ』)は、この後に読む。 なんと、鰻売りの又六と手裏剣の杉浦秀が出来てしまうとは! しかも、どうやら先に手を出したのはお秀のほうらしいから、男女の仲はわからない。そういえば前作『二十番斬り』で、二人は一緒に小兵衛に協力していたなぁ。 26年前、深 . . . 本文を読む
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読書録 2025年3月下旬

2025-03-31 07:03:00 | 読書録(備忘)
3月22日読了『剣客商売 十二 十番斬り』 池波正太郎1980年9月刊行3読目?4読目?表題作「十番斬り」 天明三年(1783年)正月。 小兵衛65歳、おはると三冬25歳、大治郎30歳、小太郎2歳。 自らの命が尽きることを知って、村松太九蔵は世のためにならぬ浪人たちを斬るのだったが、10人の浪人たちに襲われてしまう。 小兵衛はその10人をすべて斬り捨てる。さすが小兵衛。ぼくと同い年なのにお元気 . . . 本文を読む
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読書録 2025年3月中旬

2025-03-20 07:08:00 | 読書録(備忘)
3月11日読了『剣客商売 八 狂乱』 池波正太郎1977年刊行3読?4読目?「毒婦」 小兵衛のやることなすこと総てかっこいい。酸いも甘いも噛み分けた年寄りならでは。「狐雨」 このシリーズでは珍しいファンタジー。白狐の恩返し。又太郎、強くなれよ!「仁三郎の顔」 ああ、仁三郎よ、かわいそうに… 3月15日読了『剣客商売 九 待ち伏せ』 池波正太郎1978年刊行 「秘密」 主君を討って出奔した滝口友 . . . 本文を読む
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読書録 2025年3月上旬

2025-03-10 05:05:00 | 読書録(備忘)
3月1日『剣客商売 四 天魔』 池波正太郎1974年刊行3読?4読目?「鰻坊主」 悪人を引っ掛ける詐欺行為。ラストがユーモラス。毛饅頭の意味を三冬は知ることになるのだろうか?「老僧狂乱」 おはるも毛饅頭を知らなかった。3月3日『剣客商売 五 白い鬼』 池波正太郎1975年刊行「西村屋お小夜」 男女の交接を目撃してしまった三冬の反応がかわいい。そして大治郎の朴念仁ぶりもまた。「三冬の縁談」 大治 . . . 本文を読む
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読書録 2025年2月下旬

2025-02-28 18:09:00 | 読書録(備忘)
2月21日『剣客商売 一』池波正太郎1973年刊行3読?4読目?連作短編集。池波正太郎作品の中で一番好きな作品。初めて読んだのがいつ頃なのか覚えていないが、その後、なぜか熱を出して寝ているたびに読んでいた気がする。ちなみに今回は発熱しているわけではない。秋山小兵衛60歳、おはる20歳、大治郎25歳、佐々木三冬20歳。そうか、いつの間にかおれは小兵衛より年寄になっていたのか… 「まゆ墨の金ちゃん . . . 本文を読む
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読書録 2025年2月中旬

2025-02-20 05:39:00 | 読書録(備忘)
2月18日『侠客』(上・下) 池波正太郎1979年刊行初読。塚本伊太郎=幡随院長兵衛の物語。江戸時代初期、寛永から明暦にかけての、家光・家綱の頃。父の仇である唐津八万三千石の大名、寺沢兵庫頭を討ち取って、旗本の水野十郎左衛門に匿われた伊太郎は、水野の家来にならぬかとの誘いを断り、町人となって「人いれ宿」を継ぎ、幡随院長兵衛と名告るのだった。長兵衛は、発展する江戸の町を築く人足を差配する頭として . . . 本文を読む
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読書録 2025年2月上旬

2025-02-10 17:43:00 | 読書録(備忘)
2月2日読了『喧嘩 すてごろ』 黒川博行2016年刊行初読。疫病神シリーズ第6作。大阪府議会議員の補欠選挙に端を発する事件だったが、実は医大を買収して大学の医学部にしようとする企みに国会議員や府会議員が関わる事件だった。もちろん、反社組織が絡んでおり、今回も桑原は腹を刺される。二蝶会を破門された桑原だが、組織の後ろ楯がないにも関わらずイケイケなのだった。2月8日『西の魔女が死んだ』 梨木香歩1 . . . 本文を読む
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読書録 2025年1月下旬

2025-02-02 10:52:00 | 読書録(備忘)
1月26日読了『破門』 黒川博行2014年刊行初読。疫病神シリーズ第5作。第151回直木賞受賞作。今回は二蝶会若頭の嶋田が映画制作詐欺に引っかかったことに端を発した物語。映画プロデューサー・小清水による詐欺だったが、二蝶会が属する神戸川坂会の本家筋である亥誠組の副本部長・坂本が裏で糸を引いていた。同じ神戸川坂会の枝同士ながら、桑原は嶋田若頭のために亥誠組とコミ合ってしまうのだった。そのため桑原は二 . . . 本文を読む
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読書録 2025年1月中旬

2025-01-21 06:39:00 | 読書録(備忘)
1月13日読了『疫病神』 黒川博行1997年刊行再読。疫病神シリーズの第一作。黒川博行を最初に読んだのは『二度のお別れ』だったか、『八号古墳に消えて』だったか、いづれにせよ創元推理文庫だった。大阪府警ものが面白くて、立て続けに初期作品を読み漁ったものだった。久しぶりに読んだ黒川博行。二蝶会のヤクザ・桑原と建設コンサルタント・二宮との大阪弁の会話が軽妙ながら、中身はハードボイルド。産廃処理施設建設を . . . 本文を読む
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読書録 2025年1月上旬

2025-01-11 05:38:00 | 読書録(備忘)
1月8日読了『地の日 天の海』(上下) 内田康夫2008年刊行初読。内田康夫といえば浅見光彦シリーズをはじめとする推理小説。このような歴史小説を書いているとは知らなかった。若き日の天海(随風)の物語を読むのは初めてのこと。元号で云うと、天文、弘治、永禄、元亀、天正の時代で、信玄、謙信、信長、秀吉、家康の活躍した時代。随風(天海)は、三島の『豊饒の海』における本多繁邦のような存在で、彼の視点から . . . 本文を読む
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読書録 2024年12月中旬・下旬

2024-12-31 17:32:00 | 読書録(備忘)
 12月13日読了『神々の指紋』(上) グラハム・ハンコック12月22日読了『神々の指紋』(下)グラハム・ハンコック1995年刊行日本では、単行本は1996年2月に翔泳社から、文庫版1999年5月に小学館から発行。初読。文庫化された時に梅田の紀伊國屋書店で平積みされていたのを覚えている。かなり話題になったのではなかったか。さて、有史以前の高度な文明は果たして存在していたのか。存在していたと考えると . . . 本文を読む
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読書録 2024年11月下旬

2024-12-01 09:31:00 | 読書録(備忘)
11月25日『未踏峰』(上・下) 森村誠一1989年5月刊行再読。三読?夏の八ヶ岳で出会った男女8人の大学生のその後の6年間を描いた長篇。ヒマラヤを目指す雪吹は、大方の予想通り、ヒマラヤの8,000m峰登頂後に行方を断つ。この作品の真ん中にいるのは、大財閥の馬鹿息子、北上栄二だ。八ヶ岳の8人のうち、一人の女を妻にし、一人の女を愛人にする。さらには一人の女の姉を殺した疑いと一人の男の父を殺した疑 . . . 本文を読む
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