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仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

『國盜り物語』 (全4卷) 司馬遼太郎

2004-12-31 16:47:23 | 讀書録(一般)
書籍名 國盜り物語(全4卷)   カテゴリー 歴史小説       
著者名 司馬遼太郎   発行年(西暦) 2004  
出版者 新潮文庫   値段 3000-4000円  

感想 ☆☆☆☆


司馬遼太郎の作品はかなり讀んでゐるつもりだが、この「國盜り物語」は何故か讀む機會がなかつた。
たしか私が中學生になつた年にNHKの大河ドラマで放送されてゐた。
平幹二朗が齋藤道三役だつたことを覺えてゐる。

「美濃の蝮」こと齋藤道三が主人公だと思つてゐたのだが、今囘讀んでみて、それは前篇だけであることを知つた。
ドラマでは道三の死で終はつてゐたやうな氣がしたのだが・・・
いづれにしても、この作品で強い印象を受けたのは、道三の生きざまである。
つねに自分の目標を追ひかけ、目標達成のために何をなすべきかを考へ、それを實行してゆく。
その結果、生涯に何度も名前が變はり、そのたびに伸し上がつてゆく。
まさに、變動する時代に於ける男の生きざまを目の當たりにさせられる。
齋藤道三の出發點が、一介の油賣りでなく大名家だつたとしたら、この男が天下を取つたかもしれないと思つた。

道三が殺されたあとの後篇では、主人公は明智光秀となつてゐる。
明智光秀が道三の正室の甥だとは知らなかつた。

道三の衣鉢を繼いだ弟子といへるのが、ひとりは信長で、もうひとりが光秀だといふ。
その二人が運命に引きずられるやうにして、つひに「本能寺の變」を迎へることになるのだから、歴史は面白い。
光秀の生涯が信長の生涯と交はらなかつたとしたら、時代はどのやうに動いたことだらうか。


2004年11月25日讀了



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