このごろは、日本語の発音が変です。
(1)まず、アナウンサーの発音がときどき変です。これは、NHKでも民放でもそうです。
たとえば、まず「前線」についてです。
1.「前線」のように、単独で用いる場合。
2.「前線が近づく」のように、文の一部として用いる場合。
3.「梅雨前線」のように、ほかの語と結合して用いる場合。
4.「梅雨前線が近づく」のように、文の一部として用いる場合。
この4つは、1・2と3・4では発音が違いますね。知り合いに、これを中国語の四声の影響だという人がいますが、それはともかく、3・4のように「梅雨」と「前線」結合することによって後ろに着いた「前線」の語調が変わります。こういうことはあるのですが、では、これを「全線」と比べてみてください。
4.「全線」のように、単独で用いる場合。
5.「全線で運転中止」のように、文の一部として用いる場合。
6,「全線が近づく」と4.に似せて言った場合。
この4~6は同じですが、どれも1~4とは同じにはなりません。
ところが、あるアナウンサーは「全線」を「前線」と発音していました。
つまり、「前線で運転中止」と言っていたことになります。これだと、戦場かどこかでの話しになりそうです。
昭和記念公園
以下では、例を挙げるだけとし、細かい説明は略します。
(2)NHK語学講座の例:
1.「探す」を、「性〔さが〕す」とか、「騒がす」みたいな発音をしてました。
これは、いちどだけうっかりそう発音したというのでなく、すべての場合でです。以下でも、揚げ足取りをするわけではありません。
2.講師の質問に対して、答えを作るための参考文のことを指して、ときどき「かいとうする文」と発音。しかし、これが「解答する文」なのか「該当する文」なのかわかりませんでした。
ハングル講師は、日本語を上手に話す人でも、語頭の濁音は治りきらないようです。
3.「よんで」の意味
「本を読んで」のように「~を読んで」を「呼んで」と発音していました。
4.このほかは略。なお、いまの語学講座は、有効な番組と思いますが、旅行志願者向けの番組と化しているので、文法事項などを親切に説明しているようでいて、深みがないように思います。ともかく、日本語の発音で問題アリと思います。
(3)電車の自動音声による駅名アナウンスはムチャクチャ。これは論外。
ついでに、ネイティブを使ったアナウンスも、勇ましいばかりでウルサイのがあります。
それから、最近は車掌がそそくさと英語で説明します。しかし、練習もしていないと思ってしまうほどへたくそで、いやだけどやっているのが見え見え。やるからには、初等英語はやっているはずですから、きちっとすべきと思います。
とはいえ、昔の電車と違ってドアの上に表示されますから、「余計なアナウンスは騒音」と思いますがどうでしょうか。
(4)ところで、うちのカミさんはバイリンガルです。スゴイでしょう。
え!何語がわかるかって?
東京弁と上州弁です。
50年前、お披露目として群馬の親族と会食しました。その折に、叔父が気を使ってカミさんにあれこれと話しかけてくれました。
ところが、カミさん、正調の上州弁を話す叔父が何かを聞くごとに「わからない」とこちらを向きます。それで、当時は私が通訳したわけです。
まあ、あとからカミさんにが言うには、私と叔父が話しているのを聞いていたら、ケンカしているのではないかと思ったというのですから、相当のカルチャーショックだったようです。
ちなみに、カミさん、いまでも正確には聞き取るのが難しいようです。というのは、ときどき、私が言うことを正確にやれてない時があります。
(5)「日本は単一民族」なんてバカなことを平気でいう人が今でもいるようですけど、言葉だってかなり複雑ですよ。ちょっと一例をあげましょう。
「来ない」はどう読みますか?
「来る」は、文法の時間にカ行変格活用(カ変:「こ・き・く・くる・くれ・こよ」)と勉強しました。これによれば「こない」となります。
ところが、正調の上州弁では「きない」と読みます。
高校の時の文法の時間のことです。前の方の席の人が先生にそっと、
「ない」は未然形に付くはず。でも、群馬では「きない」というのに、文法表の未然形に「き」はない・・・。
すると、先生曰く
上州弁は文法的に間違っている・・・。
では、ここで。
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