100分de名著 ハイデガー『存在と時間』
第3回 「本来性」を取り戻す
「世間」において人間は誰でもない誰かとして生きている。
すなわち、それは他者と交換可能であることを意味する。
しかし、「死」だけは交換可能ではない。
私は、誰かの代わりに死ぬことはできないからだ。
「死」は、それぞれがかけがえのない個人であることを思い知らせる。
このように自分の死の可能性を引き受けながら生きることをハイデガーは「死への先駆」と呼び、非本来的な生き方から、本来的な生き方へ向かう大きなきっかけであると説く。
その結果、人間は一回限りの人生をどう生きるのかを選び取る決意に立てるというのだ。
第三回は、「死への先駆」「決意性」といった難解な概念の意味を解きほぐし、人間が自分らしさを取り戻す生き方をするには何が必要なのかを考える。
Stranger on the Shore
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