100分de名著 「論語と算盤」
第3回 「合本主義」というヴィジョン
渋沢は生前「資本主義」という言葉をほとんど使わなかった。彼が導入しようとしたのは「合本主義」というシステム。
この耳慣れないシステムを、渋沢は「封建領主体制」で体験したものを裏返すことで構想した。
この構想の軸となるのは「金融の整備」「インフラの整備」「産業の担い手になる人材育成」。
いずれも国家や行政が主導する、人、物、金を社会に循環させ社会を繁栄させるための基盤整備だ。
このように、「公益」という目的を明確に打ち立てた上で人材と資本を集めて事業を推進するという理念が「合本主義」なのである。
それは「論語と算盤」の根幹に据えられた思想でもある。
第三回は、渋沢が構想した「合本主義」とは何かを紐解きながら、私利追求に走りがちな資本主義システムに対抗するオルタナティブな選択肢はありうるのかを考える。
Romance á deux Voix (Guy Lukowski) * Thomas Baldauf * Zither Cover
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