PAPP GÖRGY

旧ブログ名 モ
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パップ・ギョーリキー

イレッサに関してグダグダと書いてしまいました

2005-01-23 08:13:30 | NEWS
(図はゲフィチニブの構造式ではありませんよ)
毎日図書館で一日じゅう勉強してると疲れきってしまいます。
といって、勉強がはかどったかどうかは別問題ですがね。
夜になると眠くて眠くて、かなりの朝型人間になってしまいました。
すぐにまた夜型に戻る気がしますが。
おはようございます、モです。

先日、厚生労働省はイレッサの使用許可を取り下げないと発表しました。
これ以上副作用による死者を増やさないために、
【警告】

本剤の投与により急性肺障害、間質性肺炎があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、患者に対し副作用の発現について十分説明すること。

をよく守っていただきたいです、医者には。
アストラゼネカのHPの、ご使用の患者さん向けのページの top page にも次のような記載があります。
イレッサをご使用の患者さんへ
このお薬を服用中にかぜの様な症状:息切れ、呼吸がしにくい、咳および発熱等の症状があらわれたときは、すみやかに医療機関に受診してください。


このような初期症状があらわれる急性肺障害、間質性肺炎という副作用は、早く見つけて、早く処置を行わないと、致死的な経過をたどる場合があります。

患者・医者の双方が、患者の状態を詳細にチェックし、少しでも悪化すればすぐに対処する、これで副作用は防げるのではないか?
と素人考えには思うわけです。
しかし、ア社のHPをさらに見ていると、「急性肺障害、間質性肺炎の副作用について」というページに、怖いなと思う記述がありました。
ある例では、服用をはじめて7日目に38℃の発熱が確認され、 次の日に肺での酸素交換が十分できなくなり、治療が開始されましたが4日目に死亡しました。また、服用して4ヶ月目に発症し、間質性肺炎がゆっくりと進行して 1ヵ月後に死亡した例などもあります。

すぐに対処しても残念ながら亡くなられた症例があるということです。
すると、これはもう、飲めば治るかもしれないし死ぬかもしれない悪魔の薬を患者が選択するよりない、ということですね。
そこで、インフォームドコンセントなわけです。
が、私はこのインフォームドコンセントというのがどうも受け入れられない。
頭では理解できるのだけれども、実際に患者の立場でその場にいると、これでいいのか?と思う。

先日歯が痛くて歯医者に行ったら、親知らずが伸びていて痛いのだということで、抜くか抜かないかの選択を迫られた、ただそれだけの選択でもこちらとしては迷うし、ちゃんと判断できたのかわからないし、どちらがいいかなどわかったもんじゃない。
その場で説明され、さぁどうする?と言われても。
患者に選択を迫るのでなくて専門家が判断する方がいい場合だってあると思うんですが。
どうも、言質をとられたような、責任逃れをされたような、そんな気分にさせられてなりません。
「あなたが選んだんですからね」「私は説明しましたからね」と言っているように思えてなりません。

歯を抜く抜かないという場面でもそうなのだから、ましてや自分の生死のかかった治療の判断を決めるなんて。
患者の家族とて同じこと、身内の生死を決することを決めろとは。
しかも専門的な知識がないと判断基準は全て医者が言ったことのみとなる。
医者が言ったことなど全て理解できるわけではない。
耳に入ってきてもすぐに消えてしまうし、残ったものでも「へぇ、そういうものなんですか」くらいなものでしかない。
インフォームドコンセントという制度、このままでいいのだろうか、とは思う。
改良の余地はあるだろうが、無いよりはいいとは思う。。

さて、イレッサを使う使わないの話に戻るが、「治る可能性がある」と言われたら、それにすがってしまう人も多いと思います。
もう手術ができない、さぁどうしますか。
このまま静かに死を迎えますか、それとも治療しますか、放射線、他の抗がん剤、ワクチン、漢方、温熱療法、アガリクス...体力持つのか?そして”劇的に改善する可能性のある”イレッサ。
と提示されたら、イレッサはすごく魅力的に見えます、死ぬ可能性があるとしても。
何もしなくても死ぬ、他の治療法でも副作用があるしいずれ死ぬのだし、それなら治る可能性があるものに賭けてみたい…
と思う人も多いのではないでしょうか。
この選択肢を無くしてしまうのはとても残酷だ、素人の私はそう思うのですが。
ダン・リッチ(塩酸フェニルプロパノールアミン)の販売中止とはわけが違う、副作用がひどいからというだけで販売中止というのもいかがなものか、と。
ダン・リッチ、とてもよく効きましたから、無くなってとっても不便していますが。
けど、無くて死ぬ薬ではない。
イレッサはそれこそ、生死のかかったところで使う薬なのですから、副作用云々言ってられない気がします。
しかし、日本人にも効かない!なんて言ってる人もいます。
もしそれが正しいなら、先のダン・リッチと同じ状況になってしまいます。
厚生労働省には是非、ちゃんと検討・公開していただきたいのですが…

それはそうと、サリドマイドは復活に向けて動いているようで、よかったですね。
こちらも、臨床試験とその検討を綿密に行い、それをちゃんと公開してほしいところです。
サリドマイドをがん治療薬に、「希少用」に指定

 かつて深刻な薬害を招き、販売が停止された催眠鎮静剤「サリドマイド」について、がん治療薬としての開発を目指す国内の製薬会社が、優先審査の対象となる「希少疾病用医薬品」への指定を厚生労働省薬事・食品衛生審議会に申請し、同審議会は21日、指定を決めた。

 今後、製薬会社は承認申請に向けて臨床試験などを進めると見られ、承認されれば、サリドマイドが約40年ぶりに医薬品として国内で復活することになる。

 申請したのは、パーキンソン病の治療薬などを製造販売している「藤本製薬」(大阪府松原市)。サリドマイドについては海外からの輸入販売ではなく、国内で製造販売をめざす。

 サリドマイドは、妊婦が服用して胎児の手足に重い障害が出る副作用が相次ぎ、国内では1962年から販売が停止されている。しかし近年、血液のがんの一種「多発性骨髄腫(しゅ)」への治療の有効性が報告され、米国や英国などでは医薬品として改めて承認されている。日本でも医師による個人輸入が急増し、2003年度は約53万錠に上った。

 国内で承認されていない薬を輸入して使う場合、医療保険がきかない上に、薬事法の枠外となり、監視の目も届きにくい。このため、厚労省では昨年12月、医療機関向けの異例の指針を作成し、妊婦には服用させないことなど薬剤管理の徹底を求めている。

 投与対象となる多発性骨髄腫の患者は約1万人とされ、同省には患者団体から国内での早期承認を求める要望が寄せられていた。

 希少疾病用医薬品は、対象患者が5万人未満で、医療上の必要性が高いことなどが指定要件。指定されると、できるだけ早く医療現場に提供できるように他の医薬品より優先的に承認審査されるほか、研究費の補助などが受けられる。

 ただ、サリドマイドは過去の薬害の反省もあり、厚労省審査管理課は「希少疾病用医薬品に指定されたからといって、すぐに承認につながるとは限らない」と慎重な姿勢。サリドマイド禍の被害者らで作る財団法人「いしずえ」の間宮清事務局長は「未承認のまま流通している現状は好ましくないが、安易に製造・販売されることになれば悲劇が繰り返される危険もある。承認までの過程をオープンにした上で、被害者や患者、専門家を交えた議論の場を作って慎重に検討してもらいたい」と話している。
(読売新聞) - 1月21日14時57分更新