日本総合研究所理事長で多摩大学学長の寺島実郎氏は、月刊『世界』(㈱岩波書店発行)2014年2月号(1/8発売)に長期連載「脳力のレッスン」特別篇「2014年、日本の死角──覚醒の年への思い」を寄稿している。
以下、この論考の中で私が関心を持った箇所を取り上げ、若干の【感想】を述べる。
*< >内は誌面からの引用。それ以外(【感想】を除く)は、寺島氏の文脈に沿って補った。「・・・」は中略。
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朝日新聞2014.1.11(夕刊)「尖閣・竹島は領土 明記検討 文科省 中高教科書指針に」は、中学・高校の教科書が安倍晋三首相の思惑どおりに政府・自民党の「宣伝物」にされつつある、という現実の1コマを伝えている。
文部科学省が、教科書の編集や指導の指針となる学習指導要領の解説書において、尖閣諸島と竹島を「日本の領土」と明記する改定を検討している。
「解説書」の改定案では、尖閣諸島に関して . . . 本文を読む
安倍晋三内閣は昨年12月、国会審議を蔑(ないがし)ろにして、特定秘密保護法案を強引に成立させた。
それと同時並行で、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認への布石を次々と打っている。昨年夏の参院選後、安倍首相は、内閣法制局長官を集団的自衛権の行使容認派に異例の人事で交代させた。そして、首相の私的諮問機関(注)「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)では、「集団的自衛権の行 . . . 本文を読む
以下、「朝日新聞」2014.1.8(朝刊)「日本史の必修化検討 文科省 高校、新科目「公共」も」より。
(1)下村博文文部科学相は、2014.1.7の記者会見で、高校「日本史」について「必修化は前向きに検討すべき課題」と述べた。
(2)また、規範意識や社会制度などを教える新科目「公共」の高校での導入に関しても、検討する意向を示した。このことに関しては、自民党のプロジェクトチームが昨年6月、文 . . . 本文を読む
安倍晋三首相は、今年元日付で発表した年頭所感で、「『強い日本』を取り戻す戦いは始まったばかり」などと語った。
「東京新聞」「中日新聞」2014.1.7 社説「「強い国」って何だろう──年のはじめに考える」は、首相のこの発言にこだわり、「強い国」について論じている。
<米クリントン政権で国防次官補を務めた、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は、文化、政治的価値観、外交政策の三つを源とする「ソ . . . 本文を読む
ジョージ=オーウェル『動物農場─おとぎばなし』(岩波文庫/2009年/川端康雄訳・解説)を読んだ。
ジョージ=オーウェル(1903-1950)は、インド生まれのイギリス人。『動物農場─おとぎばなし』
(Animal Farm─A Fairy Story)は、1943-44年に執筆され、45年8月17日にイギリスの出版社から初めて刊行された(英語版)。
私は18年ほど前(1995年ころ)、 . . . 本文を読む
「神奈川新聞」web 2014.1.3「時代を読む~政治学者・中島岳志さん(上)」
北海道大学の中島岳志准教授(*専門は南アジア地域研究・日本思想史・政治学)は、次のように語る。
<安倍政権は世論の反対を押し切り成立させた特定秘密保護法の決定過程からも明らかなように、大きな変革を上から断行しようとする。自分と立場の違う人たちの言葉に耳を傾けるのではなく、自分にとって都合のいい人たちの言うこ . . . 本文を読む
昨年(2013年)12月26日、安倍晋三首相は靖国神社に参拝した。このことに関して、当ブログ2013.
12.27「安倍首相が靖国参拝 国内専用政治の愚」・同2013.12.28「中国側を利する安倍首相の靖国参拝」・同2014.1.1「安倍首相の靖国参拝 中国の好機到来」で私見を述べた。
靖国問題を考える人にとって、高橋哲哉『靖国問題』(ちくま新書/2005年)は非常に優れた著作だ。私は、新 . . . 本文を読む
安倍晋三首相の靖国参拝が日本に及ぼす悪影響について、当ブログ2013.12.28「中国側を利する安倍首相の靖国参拝」で述べた。
中国側が、こういった好機を逃すはずはない。さっそく、世界各国に攻勢をかけ始めたようだ。
中国の王毅(ワン=イー)外相は、安倍首相の靖国参拝について、ロシア・ドイツ・ベトナムの各外相と相次いで電話協議した。「世界の反ファシズム戦争」の大義を否定しようとする日本、「 . . . 本文を読む