難関大学・数学の発想のしかた(さくら教育研究所)(SKREDU)

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山登りに似ている

2015-03-28 | 日記

「中学生のころ、数学者である叔父に「数論の3つの真珠」(日本評論社)という本をもらいました。
ロシア人数学者の著者が、長年数学者たちを悩ませてきた難問を解説しています。
180ページほどの本ですが、載っている問題は3問だけ。
数十ページを割いて1問を読み解いているのです。
難問とはいえ、基礎としている知識はすべて、小学生でもわかる非常にシンプルなものです。
「魔法みたい」と感じ、数学の魅力に取りつかれました。 

 大学受験のころを振り返ると、苦手としていた科目はとくにありませんでした。
それだけを聞くとまるですごそうに聞こえるのですが、私は他の方に比べ、学んだ時間がきっと長いのです。
寝食を忘れのめりこんだ時期が、どの教科にもありました。数学でいうと、食事をしているときも授業中もずっと問題を考えていて、1、2カ月後に「解けた!」などということもありました。
そういうときは「あれも違う」「これも違う」と頭の中で山ほど失敗して挫折して悪戦苦闘して、だんだん考えが研ぎ澄まされていきます。
徐々にその問の本質のようなものが見えてきて、少し気が抜けたときにふっともう一回考える…そんなときに急に問題が解けることもあります。

数学の問題を解くことは、山登りに似ていると感じています。」


lim_[x→+∞] x/e^x を示せ。

2015-03-19 | 日記

lim_[n→+∞] n/2^n を示せ。
自然数nに対して、2^nの桁数をa(n)とおく。このとき、lim_[n→∞] a(n)/n を求めよ。
a(1)=2,a(n+1)=1/2(√a(n)+1)のとき、lim_[n→∞] a(n) を求めよ。
実数a(0<a<1)に対して、Σ[n=1,∞]_a^n×sin(90n) を求めよ。
Σ[n=1,∞]_n/(n+1) の収束・発散を求めよ。
Σ[n=1,∞]_1/√n の収束・発散を求めよ。
正の実数t、自然数nに対して、lim_[n→∞] (1+t/n)^(n-1)を求めよ。
y=x^a (x>0) を微分せよ。
y=a^x (a>0,a≠1) を微分せよ。
y=x^(1/x) (x>0) を微分せよ。
y=x・e^(-x^2) のグラフを描け。
関数f(x)=(x-e^(x-1))/(1+e^x) の極値を求めよ。
関数f(x)=x(x-1)(x-2)の区間t≦x≦t+1(t≧0)における最大値をg(t)とするとき、関数y=g(t)のグラフを描け。

2曲線 y=e^(x-1), y=log(x)+1 は、ある点において接線を共有することを示せ。
lim_[x→+∞] x/e^x を示せ。

∫[3,5] x(x-3)^2 dx を求めよ。
∫[1,2] 1/{x(x-3)} dx を求めよ。
∫[3,5] (sinx)^2 dx を求めよ。

α<βのとき、|e^β・sinβ-e^α・sinα|≦√2・e^β・(β-α)を示せ。
lim_[n→∞] 1/n・Σ[k=1,n-1]_k/√(3n^2+k^2) を求めよ。
y=[log(x)]^2(x>0) と y=log(x^2)(x>0) で囲まれる部分の面積を求めよ。
0≦a≦1である実数aに対して、関数F(a)をF(a)=∫[-a,1-a] |x(x-a)| dx によって定める。F(a)をaで表せ。
任意の自然数nに対して、0<∫[0,1] e^-x・x^n dx<1/(n+1) が成り立つことを示せ。

2つの曲線 y=sinx, y=cos2x によって 0≦x≦π の区間ではさまれる部分の面積を求めよ。

aは正の定数とする。 0≦x≦2π において、2曲線 y=sinx, y=a・cosx で囲まれる部分の面積を求めよ。

数直線上を動く点pの時刻tにおける速度がv(t)=3t^2-6tと表されている。
t=0~3までの間に点pが実際に動いた距離を求めよ。

動点pがy=log(cosx)上を速さ1で、x座標が常に増加するように動いている。
点pのx座標がπ/6になった瞬間における加速度ベクトルの大きさを求めよ。

xyz空間にa(2,2,0),b(-2,2,0),c(-2,-2,0),d(2,-2,0)を4頂点とする正方形がある。
半径1の球sの中心がこの正方形の周上を1周するとき、sが通過する部分の体積を求めよ。


x,y,z を負でない整数とする。x+2y+4z=8 を満たす (x,y,z) の組の個数を求めよ。

2015-03-15 | 日記

Nは999桁の数で9の倍数である。Nの各桁の数字の合計をA、Aの各桁の数字の合計をB、Bの各桁の数字の合計をCとする。
Cを求めよ。

kを整数とする。2次関数 y=x^2-2(k+1)x+k(k+2) のグラフがx軸と交わる2点のx座標をa1,a3(a1<a3)とする。
この2次関数のグラフの頂点のx座標をa2とするとき s(k)=a1^3+a2^3+a3^3 は 9 で割り切れることを示せ。

素数pと1≦r≦p-1なる整数rに対して、二項係数についての等式r*pCr=p*p-1Cr-1を証明し、pCrはpの倍数であることを示せ。
素数pに対して2^pをpで割った余りを求めよ。

a1=a2=1,an=an-1+an-2(n≧3)により定まる数列anについて、n=3,4,,9に対してのanの値を求めよ。
nが3の倍数ならばanは偶数であり、nが3の倍数でなければanは奇数であることを示せ。

4≦a,b≦9 を満たす整数a,bに対して、b^3-a と b^3+a^4-a^2 の最大公約数が 5 である時、整数a,bを求めよ。 

2次方程式 x^2+kx+2k-3=0 が 整数解を持つとき、整数kの値を求めよ。

p,qが素数であって、2次方程式 2x^2-8px+pq=0 が整数解をもつとき、p,qの値を求めよ。ただし、p<qとする。

xに関する不等式 x^2-px+1<0 が 3個以上4個以下の整数値の解xを持つような整数値pを求めよ。  

1/a+1/b+1/c>1を満たす自然数a,b,c(ただし、a>b>c>1)の組を求めよ。

|2x-3|=[x] を満たす x を求めよ。ただし、[x] は x を超えない最大の整数を表す。

x,y,z を負でない整数とする。x+2y+4z=8 を満たす (x,y,z) の組の個数を求めよ。

x,y,k を負でない整数とする。x+2y=4k を満たす (x,y) の組の個数を求めよ。

x,y,z,n を負でない整数とする。x+2y+4z=4n を満たす (x,y,z) の組の個数を求めよ。

nを自然数とする。2x+y≦5n , x-2y≦0 , x≧0 を同時に満たす整数の組(x,y)の個数を求めよ。

nを自然数とする。2^2≦x<2^3 , 0<y≦log_{2}(x) を同時に満たす整数の組(x,y)の個数を求めよ。

nを自然数とする。2^n≦x<2^(n+1) , 0<y≦log_{2}(x) を同時に満たす整数の組(x,y)の個数を求めよ。

nを自然数とする。2^1≦x<2^(n+1) , 0<y≦log_{2}(x) を同時に満たす整数の組(x,y)の個数を求めよ。

 


フィボナッチ数列

2015-03-12 | 日記

n 番目のフィボナッチ数を Fn で表すと

F_0 = 0,

F_1 = 1 ,

F_{n+2} = F_n + F_{n+1} quad (n ge 0)

で定義される。これは、2つの初期条件を持つ漸化式である。

この数列フィボナッチ数列(フィボナッチすうれつ、Fibonacci sequence)と呼ばれ、

01, 1, 23581321345589144233377610987159725844181676510946, …(オンライン整数列大辞典の数列 A45

と続く。最初の二項は0,1と定義され、以後どの項もその前の2つの項の和となっている。

1202年にフィボナッチが発行した『算盤の書』(Liber Abaci) に記載されたことで「フィボナッチ数」と呼ばれているが、それ以前にもインドの音楽家であるヘマチャンドラ(Hemachandra)が和音の研究により発見し、書物に記したことが判明している[1][2]

フィボナッチ数列の一般項は次の式で表される[3]:

F_n = frac{1}{sqrt{5}} left{ left( frac{1+sqrt{5}}{2} right)^n - left( frac{1-sqrt{5}}{2} right)^n right} = {{phi^n - (-phi)^{-n}} over sqrt{5}}
ただし、phi equiv frac{1+sqrt{5}}{2} simeq 1.618 033 988 749 895 は黄金比

この式は1843年ビネ (Jacques Philippe Marie Binet) が発表したことからビネの公式と呼ばれるが、それ以前の1730年 (ド・モアブル)・1765年オイラー)にも発表されており、ビネは最初の発見者ではない。

この式の第2項は n = 0 のときの 1 / sqrt 5 simeq 0.447 が最大で、それを超えることはない。従って、第2項を略した次の式は Fn の値を 0.447 以下(n > 4 のとき1%以下)の誤差で与える近似式である。

F_n approx {phi^n over sqrt{5}}

この誤差は 0.5 より小さいので、Fn の正確な整数値は以下の式で得られる[3]

F_n = leftlfloor {phi^n over sqrt{5}} + frac{1}{2} rightrfloor
ただし、lfloor xrfloor は床関数

フィボナッチ数列の漸化式は次のように行列表現できる[3]:

{F_{n + 2} choose F_{n + 1}} = begin{pmatrix} 1 & 1  1 & 0 end{pmatrix} {F_{n + 1} choose F_n}
ゆえに begin{pmatrix} F_{n+1} & F_n  F_n & F_{n-1} end{pmatrix} = begin{pmatrix} 1 & 1  1 & 0 end{pmatrix}^n


無限降下法

2015-03-03 | 日記

数学における無限降下法(むげんこうかほう、infinite descent)とは、自然数整列集合であるという性質を利用した、証明の一手法である。背理法の一種であり、数学的帰納法の一型とも見なせる。17世紀の数学者ピエール・ド・フェルマーが創始者であり、彼はこの証明法を好んで用いた。

自然数に関する命題の証明に威力を発する場合があり、典型的には不定方程式に自然数解が存在しないことを示す際に用いられる。具体的には、自然数解が存在すると仮定し、ひとつの解から(ある意味で)より「小さい」別の自然数解が構成できることを示すのである。その構成法より、小さい解を次々に得ることができるはずであるが、自然数には最小のものがあるから、これは矛盾である。よって、仮定が間違っていたのであり、解が存在しないことが示されたことになる。小さい解を次々に得る様子が「無限に降下」していくように感じられることから、「無限降下法」と呼ばれる。

この証明は次のように書き換えることもできる。解が存在するとすると、最も「小さい」ものが存在する。先の構成法から、より小さいものが得られるが、これは最も「小さい」という仮定に矛盾する。よって、解は存在しない。

この証明のポイントは、最も「小さい」ものが存在するはずの、性質の良い「大小関係」を考えることである。必ずしも解そのものの大小関係である必要はなく、解に対してある自然数を対応させる関数の値の大小関係であれば十分である。

2の平方根の無理性

2の平方根無理数であることは古くから知られていたが、その証明を無限降下法で表現することもできる。2の平方根が有理数であると仮定すると、2つの自然数 p,q を用いて

sqrt{2} = frac{p}{q}

と表せる。平方して分母を払うと

2q^2 = p^2,

を得る。よって p は偶数である。p = 2P とすると、P も自然数であって

2q^2 = 4P^2,

となる。両辺の2を払って

q^2 = 2P^2,

を得る。よって q も偶数である。q = 2Q とすると、

sqrt{2} = frac{P}{Q}

であるから、分数表示としてより小さなものが見付かったことになる。この手続きは何度でも繰り返すことができるから、いくらでも小さなものを得ることができる。しかし、自然数の範囲では、それは不可能なはずである。したがって、仮定が誤りだったのであり、2の平方根は無理数である。

ある不定方程式

方程式

a^2+b^2=3(s^2+t^2),

が自明な解 a = b = s = t = 0 以外に整数解を持たないことを、無限降下法で証明できる。非自明な整数解 (a1b1s1t1) が存在すると仮定すると、

a_1^2+b_1^2=3(s_1^2+t_1^2),

より a12 + b12 は 3 の倍数である。平方数を 3 で割った余りは 0 か 1 であるから、a1b1 ともに 3 の倍数でなければならないことが分かる。そこで、a1 = 3a2b1 = 3b2とおくと、

s_1^2+t_1^2=3(a_2^2+b_2^2),

となる。すなわち、新しい解 (s1t1a2b2) を得た。4つの数の和について

|a_1|+|b_1|+|s_1|+|t_1|>|s_1|+|t_1|+|a_2|+|b_2|,

であるから、新しい解の方が小さい。こうして次々に「小さい」解を得ることができるが、これは矛盾である。したがって、方程式は非自明な解を持たない。

歴史

フェルマーは、無限降下法をしばしば「私の方法」と呼び、この方法によって数々の命題を証明したと主張した。彼は詳しい証明をほとんど残していないが、『算術』への45番目の書き込みにおいて、唯一完全に近い証明を残している[1][2]。ここで彼が証明したことは、「三辺の長さが有理数である直角三角形の面積は平方数にならない」という定理であり、言い換えると「1 は合同数ではない」ということである。この証明中に、不定方程式 x4 - y4 = z2 が非自明な整数解を持たないこと(これよりフェルマーの最終定理の n = 4 の場合が導かれる)を、無限降下法によって示している。

フェルマーはまた、友人カルカヴィへの手紙の中で、4 で割って 1 余る素数二個の平方数の和で表せることを、無限降下法で示したと述べた。フェルマーの語る証明の概略はおおよそ次の通りである。

もし、4 で割って 1 余る素数のうち、二個の平方数の和で書けないものがあるとすると、それより小さいもので、同じ性質を持つものを構成することができる。この構成法により、次々に小さなものを得ることができる。これは矛盾である。

無限降下法は、典型的には「解が存在しない」などの否定的命題の証明に用いられるが、このように肯定的命題にも用いられる[3]

フェルマー以後も、無限降下法の考えはしばしば用いられている。たとえば、楕円曲線有理点のなす有限生成アーベル群であることを主張するモーデルの定理の証明には、有理点の高さに関する、無限降下法と似た議論が用いられる[4]