難関大学・数学の発想のしかた(さくら教育研究所)(SKREDU)

無料体験授業をスカイプで実施中! 
メールでお気軽にお問い合わせ下さい。( info@skredu.mods.jp )

変わりつつある東大入試!

2017-07-03 | 日記

 3月10日に東京大学の一般入試の合格者数が発表されました。今年は、数学の難易度が過去20年でもっとも易しくなる一方で、英語が難化。東京大学の「一部の私立中高一貫校からの合格者を減らし、全国の高校からの合格者を増やしたい」という意図を反映する入試設定に。2年目となる推薦入試も、公立高校の合格比率が大きく高まりました。

変わりつつある東大入試!

■躍進校① 日比谷高校(東京) 43人

公立で現役東大30人超えの快挙!

今年も公立高校の東大合格者数の日本一となったのは、超名門校である都立日比谷高校。3月10日現在で東大合格数は43人。うち33人が現役合格で、前年よりさらに躍進。「高校受験からの高校は浪人が多い」という定説を覆す大躍進。日比谷の現役30人オーバーは過去最高。高校入試経由の東大合格者数は今年も日本一が確実です。高校入試では、今や「開成高校が日比谷の併願校化している」と言われるほど、日比谷の勢いが止まりません。

■躍進校② 渋谷教育学園幕張高校(千葉) 78人

“渋幕”の躍進は麻布高も超えた!

中学入試の共学校で大フィーバー中の渋谷教育学園幕張高校。通称“渋幕”は、1983年の開校以来、私学空白地域だった千葉県で急速に進学校化。今年の東大78人は過去最多。あの東京の男子名門校、麻布高校と並びました。現役合格者数は渋幕のほうが多いので、御三家を完全に超えました。

■躍進校③ 横浜翠嵐高校(神奈川)35人

私学王国の神奈川で公立が大躍進!

神奈川は昔から、栄光、聖光、浅野の男子御三家をはじめとする私学優位の県でした。ところが、ここ数年の公立改革で公立進学校が大復活!SSKH(翠嵐,湘南,川和,柏陽)の中でも、横浜翠嵐高校が昨年の20名から大幅に増やし、御三家の一角と対等な結果を残しました!東京学芸大学附属高校の凋落によって、横浜翠嵐高校の勢いが増しています。

■躍進校④ 市川高校(千葉) 17人

共学校化でますます躍進の千葉私学!

千葉県の私学躍進は渋幕だけではありません。市川市にある市川高校も、2006年の共学校化以降、進学実績の躍進が続いています。昨年の13人からさらに増やして17人合格は過去最高。しかも、17人中16人が現役です。

□凋落校① 桐朋高校(東京)8人

現役合格は1人だけ!今や中堅校化した“昔の名門校”

2017年の凋落度No.1と言われるのが桐朋高校。かつて東大に60人前後合格させていた多摩の名門校は、ついに東大合格者が10人を割り、たった8人に。しかも衝撃なのは現役合格が1人だけ!!桐朋高校といえば“7年制中高一貫校”といわれていますが、それを象徴するような寂しい数字に。中堅校化が止まらず、偏差値40代の入学者が中学入試では増えています。

□凋落校② 東京学芸大学附属高校(東京) 43人

翠嵐の躍進で47年ぶり50人割れ!イジメ報道の影響も直撃

かつて東大に100人を合格させていた面影は完全に消え失せ、1970年以来、47年ぶりに50人台を割ってしまった国立大附属校。神奈川からの優秀な受験生が横浜翠嵐高校に年々流れて、入学者のレベルは下がるばかり。さらに、いじめ問題が全国のマスコミで報道されると、かつての栄光は地に落ち、今年は合格辞退者が続出。3年以内に東大20人台にまで凋落は確実と言われます。

□凋落校③ 巣鴨高校(東京) 12人

スパルタ教育は時代遅れに!? 東大現役はたった4人で凋落止まらず

白いふんどし姿での遠泳に象徴されるスパルタ的な硬教育で、かつては東大に50人程度を輩出していた巣鴨学園も、21世紀の今は完全に時代遅れの産物に。高学力な生徒は、渋幕、小石川、渋渋といった共学進学校に流れてしまい、低迷が深刻化。予備校いらずが売りだった進路指導も、東大12人中、現役が4人だけでは説得力なし。どこまで下がり続けてしまうのでしょうか。

□凋落校④ 江戸川学園取手高校(茨城) 5人

甲子園で知名度上げ進学校化も、公立躍進で凋落に拍車

1980年の甲子園出場によって知名度を高めて、進学校化を急速に進めた新興私立。全盛期は東大に20人近く輩出していたが、近隣に公立中高一貫校の並木中等教育学校が開校し、少数精鋭の環境から東大に現役合格する環境に人気が集まると、あっという間に凋落。名門公立校の水戸第一や土浦第一の実績も好調で、優秀な生徒は公立高校へことごとく進学しています。

□凋落校⑤ 岡山白陵高校(岡山) 3人

東大20人は昔の栄光。公立一貫校の躍進で優秀層が敬遠

岡山白陵高校は、かつては東大に20人前後を輩出していた中国・四国地方屈指の進学校。ところが、公立の岡山朝日高校の躍進や、倉敷天城や岡山操山といった相次ぐ進学校系公立中高一貫校の登場によって、優秀な生徒が入学しなくなり、あっという間に凋落。昨年の東大4人をさらに下回り、現役合格はたった1人だけ。完全に公立進学校の滑り止め的地位になりました。

★主要高校の2017年東大合格者数★

159人 開成
94人 灘
77人 麻布、渋谷幕張
62人 栄光学園
48人 海城
43人 都立日比谷、東京学芸大学附属
40人 ラサール
35人 西大和学園
34人 筑波大学附属
33人 横浜翠嵐
32人 浅野
31人 武蔵(私立)
25人 都立西、渋谷渋谷
22人 愛光
21人 豊島岡女子、洛南
20人 土浦第一
19人 広島大附属福山
18人 県立千葉
17人 市川、都立国立、浜松北 
16人 城北 
15人 水戸第一 
14人 桐蔭学園中等、四日市、堀川 
13人 小石川中等 
12人 札幌南、巣鴨 
11人 大宮、白陵、宮崎西 
10人 北嶺、前橋、都立戸山、本郷

9人 暁星、吉田(山梨)、青雲 
8人 鴎友学園女子、世田谷学園、桐朋、逗子開成 
7人 八戸、秋田、並木中等、船橋、サレジオ学院、一宮、刈谷、高田 
6人 青山、國學院久我山、頌栄女子、武蔵(都立)、相模原中等、 
   海陽中等、広大附属、長崎西

5人 仙台第二、白百合学園、広尾学園、公文国際 
4人 東邦大東邦、東京農大第一、桐光学園、修道、広島(県立) 
3人 福島、開智、吉祥女子、高輪、富士見、湘南白百合、横浜雙葉 
   長岡、半田、岡山白陵 
2人 安積、茗溪学園、昌平、昭和学院秀英、桜修館中等、晃華学園、 
   八王子東、南山、奈良学園登美ヶ丘、近大附属和歌山、慶進、丸亀 
1人 太田、中央中等、芝浦工大柏、浦和明の星、開智未来、川越東、本庄東 
   共栄学園、共立女子、国分寺、品川女子学院、女子聖学院、成立学園 
   青稜、東京電機大、獨協、普連土学園、明大明治、山脇学園 
   日本女子大附属、横浜サイエンス、横浜女学院、片山学園 
   京都教育大附属、明星、淳心学院、雲雀丘学園、AICJ 
   ノートルダム清心、済美平成中等、弘学館

この数字は3月10日23時現在の数字です。今後、合格者数が上澄みする可能性があります。また、一部高校(浦和高校など)はまだ不明です。


難関大に強い高校

2017-07-01 | 日記

 進学実績として注目される東大や京大の合格者数。しかし、地方の優秀な学生は近年、地元国公立大の医学部志向を強めている。そこで、今年の東大合格者数上位50校について、東大、京大、15国公立大医学部医学科の合格者(浪人生を含む)の合計数を出した。卒業生数で割って、これらの大学への合格率を算出。総合的にみて、難関大に強い高校がどこかを探った。

まずは、ベスト5をお伝えしよう。

1位:灘
2位:筑波大附駒場
3位:甲陽学院
4位:東大寺学園
5位:開成

 合格率が70.5%とトップなのは、灘(兵庫)。2位は68.8%の筑波大附駒場(東京)で、いずれも昨年と変わらなかった。

 両校はともに、中高一貫校。卒業生数はそれぞれ220人、160人と比較的少ない。国際科学オリンピックのメダリストが輩出していること、部活や学校行事に熱心に打ち込む生徒が多いことなどが特徴だ。

 灘は東大理IIIに19人、京大医学部医学科に21人と、東大、京大の医学部系で断トツの合格者数を誇る。東大合格者95人のうち75人が、京大合格者39人のうち30人が、それぞれ現役で合格した。卒業生の約半数は、現役で東大か京大に合格している。同校の大森秀治教頭はこう話す。

「1970年代ごろは、卒業生220人のうち80人ぐらいが文系でした。徐々に文系が減り、今は40人ほどになっています。以前は東大文Iから官庁や法曹界へと進んだり、文IIから銀行員になったりする生徒が多くいました。近年はこれらの職業にあまり魅力を感じなくなったのでしょうか、医師をめざす生徒が増えたように思います」

 灘は、中学入試の配点が算数と国語各200点で、理科100点。理数が得意な生徒が集まりやすい。

「以前も医師の子どもが多かったですが、近年は保護者の3分の1から4分の1が医師。受験人数が一番多いのは、京大医学部です。生徒たちは自由な校風のなかで切磋琢磨しており、それぞれ学力を伸ばしています」(大森教頭)

 2位の筑波大附駒場は、東大合格率が63.8%と圧倒的に高い。東大合格者数102人のうち現役合格が74人。卒業生の約半数は現役で東大に進む。

 東大の合格者数でみると、トップは36年連続で開成(東京)。今年も160人が合格した。一方で、京大や医学部の合格者数も含めて合格率を計算すると、卒業生が約400人の開成の順位は5位になった。

 3位の甲陽学院(兵庫)も、理数系が得意な生徒が集まる学校だ。

 同校の中学入試は灘と同様、算数、国語、理科の3教科。医学部志向が強く、東大理IIIに1人、京大医学部医学科に7人、15国公立大医学部に28人が合格した。

 同校では、文系人気の回復で、昨年36人だった文系の現役合格者は今年58人に増加。東大の文系合格者も昨年の7人から15人に増えたという。進学資料室長の杉山恭史教諭はこう話す。

「医学部人気は一昨年がピークで、現役で45人が国公立大医学部に合格しました。今年は現役で32人でした。また、東大と京大の現役受験者数は昨年と比べ、東大が20人増え、京大が20人減りました。その結果、東大の合格者が増えた一方で、京大の合格者が減っています」

 進学情報部長の石原はこう話す。

「東大、京大が各地で説明会を実施した成果もあり、首都圏から京大、関西圏から東大を受験する生徒が増えました。一方、地方では、成績上位層の生徒と保護者の国立大医学部志向が強い。地元の国公立大医学部の推薦入試や地域枠入試で入学する生徒も多いですね」

 ベネッセコーポレーションが昨年9月に実施したマーク模試での志望校調査によると、国公立大の第1志望は京都府と奈良県が神戸大だが、そのほかの都道府県は地元の国公立大志望者が一番多かったという。

 ある地方公立トップ校OBは「自分が東大に合格した40年ほど前、東大に何十人も合格したのに、今は1桁しかいない。凋落してしまった」と嘆く。

 このOBの出身校は、今春も東大合格者数上位50には入らなかった。一方で、近年は国公立大医学部合格者数ランキングの上位30に毎年入っている。このように、地方の進学校は「東大よりも医学部」をめざす生徒が増えている。

 15国公立大医学部合格者数のトップは、東海(愛知)で64人。同校は国公立大医学部合格者数が2008年から連続1位で、「医学部に強い高校」として知られる。昨年は109人が合格し、唯一の3桁の合格者を出した。

 中京圏の大学では、名古屋大、名古屋市立大、岐阜大、三重大、浜松医科大などに医学部がある。これらの医学部は、首都圏や関西圏の大学の医学部ほどは難しくない。自宅から通いやすいこともあり、愛知県の受験生は医学部志向が強くなるようだ。

 東海のほかにも、中京圏では私立だと滝や南山女子、県立だと旭丘や岡崎なども医学部志向が強い高校といえる。

 医学部の合格者数2位は久留米大附設(福岡)の35人で、3位は甲陽学院と広島学院(広島)の28人。5位は開成と洛南(京都)が続いた。

 合格率の上位10校に絞ると、私立が9校で、国立が1校。上位40校でみると、私立24校、公立12校、国立4校。やはり、上位は私立、国立の中高一貫校が大半を占めている。

 公立勢の学校に注目すると、トップは13位の旭丘(愛知)だった。東大と京大に計77人、15国公立大医学部に18人が合格している。

 さらに、18位の堀川(京都)、27位の日比谷(東京)、30位の小石川中教(東京)、31位の県立浦和(埼玉)と続いている。

 成績上位の生徒が文系と理系のどちらに進むのか。東大を受けるのか、京大を受けるのか、あるいは地元国公立大の医学部をめざすのか。こうした要因で、それぞれの合格者数は大きく変わってくる。

 東大の合格者数が減ったと思ったら、国公立大医学部の合格者数が増えていた。京大の合格者数が減ったと思ったら東大が増えていた。進学実績をみると、こうした現象がたびたび起きる。

 複数の大学の合格者を総合的にみることで、底力のある学校が浮かび上がる。