難関大学・数学の発想のしかた(さくら教育研究所)(SKREDU)

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最難関の東大、京大の高校別合格者にちょっとした異変が起きた。

2018-07-03 | 日記

 国公立大の前期試験の合格発表が終わり、今年の入試も峠を超えた。そんな中、最難関の東大、京大の高校別合格者にちょっとした異変が起きた。名門校の復活がはっきりしてきたのだ。

 3月16日現在、東大トップは開成(東京)の173人で、37年連続トップだった。3位の麻布(東京)が今年東大トップの伸びで17人増の96人合格。麻布は戦後の東大合格者トップ10にずっとランクインしている名門だ。

 また、1960年代、東大合格者数トップを続けていた東京都立の日比谷が今年は47人合格で、1970年の5位以来、じつに48年ぶりにトップ10入りを果たした。東京では高校入試で学区がなくなり、希望する高校をどこでも受験できるようになり、日比谷の人気がアップした。

 さらに、日比谷は進学指導重点校に指定され、大学受験に力を入れるようになり、かつての勢いを取り戻しつつある。トップ10は国立、私立の中高一貫校が26年間、独占してきたが、それに風穴を開けることになった。このように、名門校の復活が今年の特徴だ。

 東大は、今年も中高一貫校が強かった。栄光学園(神奈川)が15人増の77人、桜蔭(東京)が11人増の74人など。桜蔭はトップテン唯一の女子校だが、日本最難関の理IIIに8人も合格し、灘、開成に次ぐ3位だった。今年は理III合格者の入試の平均点が、理IIの最高点を上回るほどハイレベルな入試だった。

 他でも浅野(神奈川)が10人増の42人、本郷(東京)が7人増の17人合格で、両校とも過去最高の合格者数だ。富山唯一の中高一貫校の片山学園は3人合格だが、そのうち2人が理III合格だ。

 また、東京の公立中高一貫校の伸びも目立つ。武蔵・都立は6人から13人合格で、東京の公立一貫校トップとなった。白鴎は昨年のゼロから6人合格、桜修館中教も2人から5人に合格者を増やした。

 今年、中高一貫校となって初めて卒業生を送り出した横浜市立南は5人合格だ。文科省のスーパーグローバルハイスクールに選定され、グローバルリーダーの育成に力を入れている。学校関係者は「1期生は中3の時に英検準2級を86%が獲得し表彰されたほどでした。中学の偏差値も上がっており、さらに伸びると思います」と言う。

 鹿児島の公立中高一貫校の楠隼(なんしゅん)は今年、初めて高校からの入学者が卒業した。32人の卒業生のうち2人が東大合格。公立初の全寮制の男子校で、JAXA(宇宙航空開発機構)と宇宙航空教育活動に関して協定を結び、推進モデル校となっている。公立校では珍しく県外からの進学者も多い。

 次に京大を見ていこう。京大は法学部の後期試験を除いた集計になる。トップは19人合格者が増え82人となった北野(大阪)だ。このままトップとなると、1984年以来34年ぶりのトップで、まさに名門校の復活だ。同じく大阪の天王寺も19人増えて61人で3位に入った。

 大阪では普通科とは別に、2011年から進学に力を入れる文理学科を府立高10校に設置。2016年には北野と天王寺は普通科を廃止してすべて文理学科にし、今年からは残りの8校も普通科を廃止してすべて文理学科になる。

 学区が撤廃された大阪では優秀な大阪北部の受験生は北野、南部の受験生は天王寺に集中する傾向があり、「北野が京大トップになるのは時間の問題」(地元塾関係者)と言われてきた。

 一方、公立高に押される中高一貫校だが、合格者が増えているところも少なくない。2位の洛南(京都)が8人増の76人、5位の西大和学園(奈良)は17人増の57人、7位の大阪桐蔭は今年トップの伸びの22人増の51人合格だった。ただ、近年、西日本の私立中高一貫校では医学部人気が高く、京大合格者はあまり増えない傾向にあり、公立高の伸びの方が大きい。

 また、近畿圏外からの合格者が多いのも京大の特徴だ。最近は首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)からの合格者が増えている。2008年に比べて、合格者に占める割合は6.6%から11.8%にアップ。逆に地元の近畿地区からの合格者は減っており、全国区人気になってきている。東大が地元の首都圏からの合格者の割合が、10年前と比べて43.2%から55.6%に上がっているのとは対照的だ。京大人気が高まっている証しともいえるだろう。