開成の東大合格者数は40年連続でトップ
東大トップは開成(東京)の144人で、40年連続のトップ。平成、令和とトップは揺るがない。2位は灘(兵庫)の97人、3位は筑波大付駒場(東京)の89人だった。合格者の学類別内訳では、文I、理I、理IIの3学類でトップだ。文IIトップは聖光学院(神奈川)の23人、理IIIトップは筑波大付駒場の14人だった。
東大合格者の上位は私立一貫校の別学校が多いが、今年は西大和学園(奈良)が躍進した。昨年初めて中高一貫の女子生徒が卒業したが、今年は2年目となり快進撃が続いている。過去最高の76人合格で6位、共学校トップに立った。
公立では東大ランキング常連に異変も
その他では公立高の躍進が目立った。日比谷(東京)が昨年より23人増の63人。60人を超えるのは1970年の99人合格以来51年ぶりだ。
横浜翠嵐(神奈川)は13人増えて50人合格で、過去最多となった。神奈川には1970年代から1980年代にかけて、東大ランキングトップ10の常連だった湘南も有名だが、3年連続で横浜翠嵐が湘南を上回っている。特に今年は湘南が12人で大差となった。これだけの差は初めてのことだ。
浦和・県立(埼玉)は13人増えて46人合格だ。水戸第一(茨城)は15人増えて23人合格。2000年以来の過去最多の合格者数だった。茨城県には同じ公立トップの土浦第一があるが、東大合格者数で水戸第一が土浦第一を上回るのは1987年以来34年ぶりだ。この2校は4月から公立中高一貫校になる。卒業生が出るのはまだ先だが、今後の発展にも期待できる。
なぜ現役、女子の東大合格者が増えたのか
かつては「公立進学高は4年制」などと言われていたが、今は現役合格者が増えている。日比谷は63人中48人が現役で、横浜翠嵐は50人中44人、水戸第一は23人中20人が現役だ。特の女子の合格者が多いことが、現役の割合を押し上げていると見られる。
今年は東大の一般選抜の女子合格者が増えた。昨年に比べて42人増加の598人合格でちょうど2割を占める。しかも合格率(志願者数÷合格者数×100)が、昨年の29.3%から32.2%に上がっている。
女子の合格率が高まったのは、今年の文科類の数学がやさしかったことに理由がある。中高一貫生が得意な数学であまり差がつかず、女子、公立高の躍進につながったと見られる。
文科類の合格者合計を見ると、日比谷は63人中32人、浦和・県立は46人中24人、水戸第一は23人中13人と、これらの学校では文科類の合格者数合計が全合格者の5割を超えている。本来、理科類の合格者数合計は文科類の合格者数合計の1.5倍だから、理科類の合格者が多くて当たり前だ。ちなみにトップの開成は、144人中文科類合格者は52人に過ぎない。
また、コロナ禍で懸念された地元志向だが、志願者で昨年より減ったのは東北、北陸、中・四国、九州だった。感染が拡大している地方からの志願者は増えており、地元志向が強かったわけでもない。東大ともなると、高校生の早い段階から志望していたと見られ、そうそう志望校を変えなかったようだ。