市ヶ谷日記

喜寿を超えた老人です。日々感じたことを、過去のことも含めて、書き記しておこうと思います。

「表現の自由」は尊重されているか

2015-01-13 | 独吟
 仏週刊誌「シャルリー・エブド」への銃撃事件など一連のテロに抗議して、世界各地でデモや集会が行われている。
 パリで1月11日に行われた抗議デモでは、オランド仏大統領はじめ、メルケル独首相、キャメロン英首相、レンツィ伊首相、ラホイ・スペイン首相らのEU首脳が先頭に立って行進した。このデモには、パレスチナ問題で対立するイスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナ自治政府のアッバス議長も加わっていた。
 まさしく国際社会が一致して「表現の自由」を妨げようとするテロ行為には断じて屈しない、という姿勢を示したことになる。
 これに引き比べ、我が国ではどうか。「表現の自由」に関連して我が国でも重大な事件が発生している。一つはソニー・ピクチャーズエンターテイメン制作の風刺映画「The Interview」にまつわるサイバー攻撃とテロ予告である。この事件については、オバマ大統領の関与もあり、すんでのところで「表現の自由」が守られた。
 もう一つは、産経新聞ソウル支局長の起訴・出国禁止措置である。こちらについては、日本の斎木事務次官が韓国の趙太庸第1次官に「表現、報道の自由に関わる問題として日本政府は重視している」と伝えた程度であり、まだ解決していない。
 これら二つの事件について、我が国の政府およびマスメディアは奇妙なくらい冷静である。特に、大手マスメディアは一方で「表現の自由」の遵守を声高に求めながら、他方ではこうした具体的事件について特別な行動にも出ず、抗議もしないのはどういうことなのであろうか。
 その理由が、「The Interview」は朝鮮民主主義人民共和国に関係する事件であり、産経新聞支局長事件は大韓民国に関係するものであるからか。「表現の自由」はもっと次元の高い所に位置する問題ではないのか。


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