スティーブン・キングはどうしてこういうお話が書けるのだろう。
どちらも女性を主人公にしているが、出てくる男性にはろくなのがいない(笑)
『ドロレス・クレイボーン』は『黙秘』というタイトルで映画化されている。
まあ、映画は映画で別のこと。俳優さんは素晴らしい演技だ。
『ジェラルドのゲーム』は内観的すぎて映画化は難しそうだ。
しかもシチュエーションがちょっとグロい。
人里離れた小屋で、ベッドに鎖で縛られた主人公の、生き延びるための戦い。
どちらも日蝕が出てくる。
二つのお話は同じ時刻に近い場所で起こっていて、物語中に一瞬交差する。
状況は違っても、どちらも人生の崖っぷちに立った女性の魂の物語。
作家って、そういう所がありそうだもの。
日食のあった22日は新月。
48時間以内に願い事を紙に書くと願いが叶うとか。
彼は読者に『愛してる?』って訊いているんです。
(愛してる?という単語は彼の作品の扉にもありました)
この二作品に関しては、日蝕の同時性は最初から発表されていたので、あえて読み解く必要はなかったです。
キングにはキング学というほど追及する人がたくさんいて、日本でも考察本が書かれています。
私は全然マニアじゃありません。
これはイケないな、というのは一回で終わりだし、他の人との共著はどうにもつまらなくて5ページで投げ出しました。
ただ、たくさんの作品には共通する人物や町やお店が出てきて、それらを物語の年代順や作品の発表順に並べ替えると、そりゃもう面白いんですよ。
おお、まさかあの物語のあの人物が、ここで大復活だーとか。