ハエ

いつも自宅に届けて頂いている鶏卵業者を訪ねた

ちょっとした用事なのだが、たまたま近くへ行く事があったので立ち寄った

丁度、ご主人と奥様、お嬢様がいてご挨拶をする事が出来たが、建物に足を踏み入れて驚いた

おびただしい数のハエが飛び交っている

言葉は悪いがホラーかパニック映画でしか観ることが出来ない程の大量のハエに驚いてしまった


ご主人に用向きを伝えた時、ご主人の口から飛び出したのはハエのことだった

何処で繁殖しているのか判らないのだが、大量のハエに悩まされている

毎日夜遅くまで駆除作業に没頭しているが、通常の鶏卵の回収、選別、出荷、配送などの業務に加えての作業なだけに、溜まる疲労もピークになりつつあるように感じたのはそのお顔の様子からであった

取引業者に相談してあれこれ試しているものの、一向に効果が出てこない

鶏舎の中には居ないが鶏舎の周りにはおびただしい数のハエが飛び交っている

県や市からの行政指導もある様なのだが、有効な手立ては見つかっていない


今時の事だからこういった状況は研究されていて直ぐさま対策が取れそうなのだが、何故だか難しそうであった

ハエの繁殖を止めれば一気に減りそうなので、繁殖先を探したらとお話ししたが、その場所を探す手段も判らないと言う

しかも専門家や大学の先生、同業者の力を借りる事もしているようである

周囲からは迷惑だと噂され、営業に支障が出そうになっているとのこと

お節介であるが、知り合いの養豚業者の社長を紹介した

その養豚業者は数千頭という数の豚を飼育しているのだが、同じ様な悩みがあるだろうし、その対策も当然行っているだろうと考えたのだ


私にはさっぱり理解出来ない状況であるが、人ごとながら大変な事であると哀しくなった

ハエは五月蠅い存在なのだ