飯山市が否定したかった「うわさ」についての経緯

2021-09-27 09:29:38 | 日記

さて「栄川樋管が開いていたのが飯山水害の原因だ」という「うわさ」(?)が広まっていた、と山崎市議は言います。そうしてその事は飯山市も認識し、同意していた模様です。

と言うよりも、飯山市がまず「そのけしからんうわさ」を認識し、それを公の場で否定する為に山崎議員と相談した、と見るのが妥当でしょう。

そうして一般質問において山崎市議が質問し、飯山市がそのうわさを予定通りに見事に否定した、のでした。(詳細は4章に記述

さてそれで、飯山市が言う所の「けしからんうわさ」はどこからどうやって、何故、発生したのでしょうか?

まあそういう話をしてみたいと思います。

うわさの発生元:栄川樋管からの千曲川の逆流が疑われる

・その26-1・城山雨水排水ポンプ場のポンプ稼働状況と浸水深さについて検証した。2020-01-23 記事) 
『3号機を動かす必要がないにも関わらず動かしている。-->栄川樋管からの逆流が疑われる。
皿川からの氾濫水だけでは13日7時15分時点での飯山市の浸水状況は到底説明できない事がわかった。』

この記事が「栄川樋管からの逆流の疑い」を最初に指摘したものになります。

この記事の前提は市長の「一分間に110トンの水を排出できるポンプが3台動いていた」ので「市内の内水対策はできていた」という主張でした。

その主張をもとにすると13日の1時50分に「雨水の流れ込みだけでは動かす必要がない」にもかかわらず3番目の排水ポンプを動かしたのですが「何故動かしたのか」その事が説明できなくなります。

排水する水がないのに3番目のポンプは動かしません。

そうなると「雨水以外の3番目のポンプが排水する必要があった、出所不明の水」が必要になります。

その第一候補として「栄川樋管からの千曲川の逆流」を指摘したのでした。

ちなみにこの時刻では皿川は越水しておらず、従って皿川からの氾濫水の影響を考える必要はありません。

そうしてまた、この時点では「栄川樋管は当然、閉じられているもの」という認識で、ポンプ場からのポンプアップされた排水は広井川樋門にある様に「堤防を貫いている排水管による」と想定していました。(注1

注1:広井川ポンプ場の排水吐出菅群 : https://archive.fo/jR65B :この吐出菅は堤防天端より少し下で堤防を貫いて千曲川側に出口がある。ポンプアップされた水はそこから千曲川に排出される。:・広井川ポンプ場 排水管群 : https://archive.fo/SqmnF

この辺りの状況は排水ポンプ車での排水の状況と似ているが、排水ポンプ車の場合とは違って堤防道路上には排水管は露出していない為、通行止めの必要はない。

他方で城山のポンプ場の巨大な排水管は地下にもぐりこんでいる。:吐出菅(拡大) https://archive.fo/ZoWyM :飯山市からのポンプ場についての情報公開があるまでは我々はこの排水管が堤防地下を通って千曲川側に出口を持つものと考えていた。

飯山市街地の水没に関係がある全ての樋門・樋管についての情報公開請求

上記の2021/1/23のブログ記事よりも前に「飯山市街地の水没に関係がある全ての樋門・樋管についての情報を公開せよ」という指摘はすでに大家さんによって行われています。

『・千曲川の樋管や樋門の閉・開時刻を明らかにすることが今後に生かす道〜台風19号内水氾濫
2019-12-10  : https://archive.fo/G6YTb :https://ameblo.jp/mto193914/entry-12554967806.html?frm=theme :市街地への内水氾濫が、皿川からの氾濫だけだったとは思われません。
⑴静間樋管
⑵飯山城南樋管
⑶飯山樋管
⑷栄川樋管
⑸皿川樋門
⑸有尾樋管
などが何時に閉じられ、何時に開けられたのかを明らかにするとともに、そのことにより内水の氾濫があったのかどうかを早急に明らかにしていただきたいと思います。』

上記のブログの指摘や「栄川樋管がどうであったのか、知りたい」という事があり、H氏が飯山市に対してこの件について情報公開請求をしました。

これは令和2年3月31日日付で請求:令和2年4月23日付けで飯山市から回答されました。

その報告が以下に示す2つの記事になりました。

・千曲川樋門樋管ゲート開閉状況(市街地)という文書があります~情報公開開示文書
2020-05-30  : https://archive.fo/SbbTB 

・樋門・樋管閉会操作一覧表~栄川樋管2時、飯山樋管は2時30分に~ゲートを開けて退避したと記述!
2020-05-31  : https://archive.fo/u2CUw 

こうして我々は5月30日をもってようやくにして「飯山市街地の水没に関係がある全ての樋門・樋管のゲートの閉・開時刻の情報」を入手するに至ったのでした。

ちなみにこのような「情報公開請求活動」のほかに「現地調査活動」も忘れてはいけません。

4月中の精力的な調査活動によって栄川樋管が閉じられた形跡がない事をつかみました。これが次の記事につながります。

・その27-1・栄川樋管も開きっぱなしであった。 :2020/05/13記事:栄川樋管が開いていたのが皿川氾濫とならんで飯山水害のもう一つの原因、としている。

そうして実はこの情報はマスコミにも流されました。

それから5月30日時点での大家さんブログ記事によって「飯山市も栄川樋管が開いていた事を認めている」という情報が公開されたので、その情報も上記結論を補強する追加情報として30日にマスコミに流されました。

これらの情報を得たマスコミはその真偽を確かめるべく市役所を取材したと思われます。

その取材結果が6月4日にマスコミから報告がありました。

『・・・そして栄川樋管についてですが、わたしの取材に基づく理解では

 栄川樋管は堤防の内側と外側の2つあり、大雨が降った場合、

 内側の樋管とは閉じて、城山雨水排水ポンプを稼働して千曲川に排水する。
その際、排水は外側の樋管を通って千曲川に流れるため、外側の樋管は開けている。

 つまり、大雨で内水を排除する必要がある場合、栄川樋管は内側を閉じ、外側は
開けている、というのが通常で、内側も外側も両方とも開いていない限り、問題は
ないのではないでしょうか。

 理解が間違っていたり、新たな情報があれば教えて下さい。・・・』

この情報には驚きました。

広井川のポンプ場に見る様に「通常は樋門・樋管のゲートは千曲川からの逆流を防ぐために閉じて、そうしてそれとは別に排水ポンプでポンプアップされた水は排水管により千曲川に戻される」とそう思い込んでいましたから。

そうであればマスコミから報告を受けた6月4日の段階では「その可能性を認めながらも、その情報については確証はもてない」という状況でした。

飯山市からの非公式な情報開示と公式な情報開示

さてそのようなマスコミからの取材を受けた(と思われる)市役所も驚いたのでしょう。

樋門・樋管のゲートについての情報公開は4月23日付けでしたものの、それについては6月市議会の一般質問で答えればよい、としていたところにマスコミからの取材がありました。

それで「これ以上、騒ぎを大きくしてはいけない」ということになり「この騒動の火消しに入った」という訳です。

・「ときでん」周辺~10月13日午後5時近くに最高浸水深~標高315・8mまで上昇~洪水発生源は~
2020-06-05  : https://archive.fo/cigGj :https://ameblo.jp/mto193914/entry-12601517922.html?frm=theme :市内水位の経過写真あり:

栄川・飯山樋管の開け放しによる逆流?
さらに、情報公開により明らかにされた、栄川樋管・飯山樋管ゲートが閉められず、開け放しにされていたことや、栄川樋管ゲートが13日夕方18時05分まで閉じられなかったこと。

併せて、城山雨水排水ポンプ場ポンプ水没による機能停止により排水できなくなったことにあると思われます。

情報公開と水害の原因の検証を!

飯山市は、皿川の越水や栄川の逆流についての正確な情報は、水害から7ヶ月以上経過するのに何も明らかにしていませんし、全面的な検証もしていません。

新事実判明 :栄川樋管は城山雨水排水ポンプ場起動時は全開。飯山樋管は常時全開

つまり、最初から閉める予定のない樋管だったことが、飯山市市街地雨水排水系統図に記されていることが判明しました。

ということは、情報公開により開示された文書の中に記されている「皿川樋管」と「飯山樋管」が開かれたまま、操作員が退避したことは予定通りの行動ということになります。

ゲートを全開したままで、逆流が起きないということはよく理解できないところです。

皿川樋門は閉じられていて、栄川樋管・飯山樋管は全開でも逆流しないとしたら、13日午後5時頃に、「ときでん」付近で、最高浸水深になり、太い丸太が遠くまで流れる流速の水は一体どこから来たのでしょうか。

しっかりと原因を究明して教えて欲しいと思います。

この記事で注目すべきは何と言ってもこの画像です。

・飯山市からの非公式情報と思われる 雨水排水系統図 : http://archive.fo/KMO2T :あるいは栄川樋管が千曲川洪水でも開きっぱなしの理由(通常は市街地の内水を千曲川に排出するために開いている。そうして千曲川洪水時にはポンプアップされた水を排出するために開いている。つまり、「いつも開いている」という説明。)

このダブルクリップで挟まれた「雨水排水系統図」の資料6月4日にどこの誰が大家さんの所に持参し、内容を説明したのでしょうか?(注2

ちなみに資料整理がよい大家さんが保管されていた「雨水排水系統図」はこれです。

・雨水排水系統図 : https://archive.fo/QZGdk

その資料には飯山排水区の圧力管排水の記述はあるものの、中央排水区の城南樋管と栄川樋管のゲート操作の記述はありません。

まあしかしながら、これだけの資料を保管されていた、という事だけでも「大家さんの仕事は十分であった」と言えるでしょう。

さてそれで、後日に至りて(6月18日)ネットにアップされた飯山市が公開した資料はこれです。

・飯山市HP記載 雨水排水系統図 : https://archive.fo/Mfb18

最初に大家さんの所に持ち込まれた資料よりは情報がはぶかれていますが、城南樋管の運用方法については大家さんが所持していた「かつての公開資料」にはなく、その部分は追記した模様です。

そうして、飯山樋管と栄川樋管について、上記雨水排水系統図ではぶかれた情報はそれぞれページを改めて分かりやすく解説したものがHPにアップされました。(6月18日

・飯山樋管が洪水でも開きっぱなしの理由 : https://archive.fo/v8iwE

・中央排水区(城山雨水排水ポンプ場)のしくみ : https://archive.fo/db83r

さてそういう訳で上記の「大家さんの所に持ち込まれた資料」は確かに市役所が持っていた資料である、と確認できるのでした。

そうして又6月5日の時点で公開された「市役所からの非公式な雨水排水系統図」によって前日の6月4日にマスコミから当方にもたらされた情報が「確かなものであった」という事が確認できたのです。

注2:大家さんブログ記事自体のアップロードは6月5日になっていますが、この記事を書き上げたのは一日前の4日であって、アップロードそのものは5日の早朝に行われています。

つまり「4日に誰かが大家さんの所を資料を持って訪ねて説明した。その際にその資料の写真は許可された。」という事になります。

そうしてまた4日という日付はマスコミが当方に取材の結果報告をしてくれた日でもあります。

市議会でうわさを否定する市役所の担当者(6月16日)

「栄川樋管が開いていたのが飯山水害の原因だ」という「うわさ」(?)を飯山市が否定する為の質問をする山崎市議

「飯山市 令和 2年  6月 定例会(第372回) 06月16日-02号」から引用

『◆14番(山崎一郎) 
 ただいま説明ございました。
 実は、城山の排水ポンプが被災し機能が停止したときに、樋管を閉鎖しなかったから、千曲川が逆流したのが水害の要因だといううわさが流れているようでありますが、現場の状況を知らない間違いであると思いますが、市民に不安を与えかねないので、間違いであることをはっきり市民に伝えることが私は重要であると思いますが、状況をお聞きしたいと思います。

建設水道部長(村上透) 
 市街地排水路の樋管、樋門が開いていた状態について、まず市街地の排水の仕組みからご説明する必要がございます。
 市街地の雨水排水を担う水路の系統は2つあります。

 1つは、新町、上町や、本町、北町など、まちの中心部に降った雨水を排水する中央排水区であります。
これらの水路は全て城山雨水排水ポンプ場につながっております。

ポンプ場の仕組みは、まず、千曲川からの逆流を防ぐために、ポンプ場内にあるゲートを閉め、千曲川側にある栄川樋管を開けて排水を行います。
なお、ポンプが停止した状態においても逆流を防止する装置が装備されており、ここから千曲川の洪水が市街地に入ってくることはございません。

 もう一つは、上倉や奈良沢など市街地西側丘陵地に降った雨水を排水する飯山排水区であります。
この水路の出口は飯山樋管になっております。
排水の仕組みは、圧力管方式といいまして、千曲川の堤防の高さよりも高い場所で雨水を取り込んで、水位差で押し出す仕組みとなっております。
まちの中心部を通過する区間は管渠にて密閉されており、千曲川の水がまちの中心部に入ることはございません。

 以上、これらの樋管から千曲川の水が逆流し市街地に流れ込むことはありません。
 間違った認識や憶測による情報の拡散は、市民の皆さんの不安をあおぎ、誤解を招く危険性があります。

今回のこのようなうわさについては、否定させていただきます
 なお、市街地の雨水排水の仕組みについては、市のホームページにて公表させていただいております。』(注3

コメント:山崎市議は「普通はそこまでは知る事がない」ポンプ場の仕組みについて詳細を知っていた模様です。

何故普通は知る事が出来ないのか、といえばもちろん「今までは市役所はポンプ場の仕組みについては一般市民に対して一切、情報公開をしてこなかったから」なのです。

そうであれば山崎市議が言う「現場の状況を知らない間違い」というのはそれはそれで一応はスジが通る主張ではあるが、他方で「市役所が情報公開をしてこなかった」という事も同時にまた山崎市議は指摘するべきです。

そうしてまた山崎市議が理解すべき事は、今回こうした指摘が市民からあったがゆえにようやく市役所は雨水排水ポンプ場の仕組みをHPで公開した、という事です。

さてそうであれば、「現場の状況を知らない間違いである」と市民からの指摘をバカにするような事を言うのは正当な事ではありません。

くわえて村上くんも『間違った認識や憶測による情報の拡散は、市民の皆さんの不安をあおぎ、誤解を招く危険性があります。』というような「上から目線で否定的な事」を言う前に、自分達がやってきた秘密主義の態度、「ポンプ場という水防上重要な設備についての説明を一切公開してこなかった」と言うやり方について猛省すべきなのである。

それで今回の6月市議会が始まるのに合わせて、あるいはその最中にHPでその仕組みが公開された。これはまさに山崎市議の質問に「市役所として都合の良い回答をする為」としか思えないタイミングである。(注3

それまではこうした「ポンプ場の仕組み」については、一切が非公開だったのである。

そうしてこの事は本当に飯山市が「水防に関する情報の公開については不熱心である」という事を示している。

注3:飯山市から公開された資料は以下の3点。

飯山市街地雨水排水系統図

飯山排水区(圧力管)のしくみ 

中央排水区(城山雨水排水ポンプ場)のしくみ 

村上君は『市街地の雨水排水の仕組みについては、市のホームページにて公表させていただいております。』と言うように「随分と前から市のホームページにて公表している」様な言い方をしている。

だがグーグルによれば : https://archive.fo/WIzN2

『飯山市街地雨水排水系統図https://www.city.iiyama.nagano.jp › usuihaisui › keitouzu
2020/06/18 — 各排水区の排水方法. 飯山排水区(193ha)・・・圧力管方式(圧力管のしくみ); 中央排水区(221ha)・・・城山雨水排水ポンプ場からのポンプ ...』

であって、ホームページにアップしたのは6月18日になっている。それ以外の残り2つの資料もまた6月18日にアップした、とグーグルは言っている。

まあここは村上君の言う事を聞いておいたとしても「6月16日のこの答弁の直後に」「話を合わせる為にアップした」という様にしか見えない。

つまりそれまではこの3つの資料の内容については一般には公開されておらず、また一般の市議会議員にとってもそのことは例外ではなく、ただ山崎議員は「特別な思いがポンプ場にある為」にその詳細情報を知っていた、と言うのが事実でしょう。

この騒動の本当の起点はどこなのか?

さて、以上みてきた経緯がこの騒動のすべてです。

そうしてこの騒動の起点は、といえばもちろん足立市長の「一分間に110トンの水を排出できるポンプが3台動いていた」ので「市内の内水対策はできていた」という主張である。

この足立市長の発言を基にすれば、どうしたって13日の1時50分に「雨水の流れ込みだけでは動かす必要がない」にもかかわらず3番目の排水ポンプを動かした事が説明できなくなり、そこには「雨水以外の3番目のポンプが排水する必要があった、出所不明の水」が必要になります。(注4

そうしてまた令和2年4月23日付けで飯山市から回答された栄川樋管についての情報でも、さらには4月中に行われた現地調査の結果でも「栄川樋管のゲートは開いていた事」が確認できました。

そうであれば5月30日の時点では「栄川樋管から千曲川の水が逆流してポンプ場の貯水池に入り込んだ」、「従って13日の1時50分に3台目のポンプを稼働させる必要があった」という結論に至るのは合理的な事であります。

従いまして「栄川樋管が開いていた事が飯山市街地を泥水の中に沈めた、皿川氾濫とはべつのもう一つの原因である」という記事が投稿されるのは当然の成り行きとなります。

それに対してマスコミまで巻き込んでその様な情報がこれ以上拡散する事を嫌がった飯山市が手をうち始めたのが6月4日となります。

それでその仕上げが6月16日の市議会での山崎議員の質問とそれに答えた建設水道部長の村上君の答えでした。

村上君はこう言いました。

間違った認識や憶測による情報の拡散は、市民の皆さんの不安をあおぎ、誤解を招く危険性があります。

今回のこのようなうわさについては、否定させていただきます。

間違った認識よる情報の拡散」とは足立市長が公の場所で発言した一分間に110トンの水を排出できるポンプが3台動いていた」ので「市内の内水対策はできていた」という主張のことです。

そうして市長のこの「間違った認識よる情報の拡散」行為によって「我々市民は見事に誤解に導かれ」「混乱させられる状況」になったのです。

そうであれば村上君が否定しなくてはならないうわさ」、「デマこの「一分間に110トンの水を排出できるポンプが3台動いていた」ので「市内の内水対策はできていた」という足立市長の発言そのものなのであります。

注4:この件についての内容詳細は以下の記事を参照願います。

22・「城山の雨水排水ポンプ場は能力不足」の1 :

『2、ポンプ場に流入する雨水が増えてもいないのに、何故3台目のポンプを動かす必要があったのか?

実は1時50分の時点ではそれまでよりもポンプ場に流入する雨水の量は減っていました。にもかかわらずポンプ場貯水池の水位は上昇を続け、つまりは2台の排水ポンプを稼働させただけでは排水量が足りず、したがってポンプ場の担当者は3台目のポンプを稼働させることになったのです。

ほほう、何故そんな事になるのですか?千曲川の水位が上昇した為です。・・・』

23・「城山の雨水排水ポンプ場は能力不足」の2 :

『・・・当初我々は「それはどこからかは知らないが雨水のほかに排水ポンプが排除しなくてはならない水が貯水池に流れ込んできたためだ」と推測しました。(注3)これは市長の「1台あたり1分間に110トンの排水能力をもつ排水ポンプだ」という主張を鵜呑みにした結果でした。

しかしながら市長のこの発言・主張は千曲川の水位上昇の影響を排水ポンプが受ける事を無視した「お話にならない主張だった」のです。

事実はと言えば「1時50分のタイミングでは2台の排水ポンプが動いていたにも関わらず貯水池の水位は上昇し続け、あふれ出すまであと50センチを残すほどにまでなっていた」のです。・・・』

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台風19号 飯山水害の検証報告・一覧

 

 


その2・飯山水害に関係する樋門・樋管について、飯山市とのバトルの記録

2021-09-20 03:53:14 | 日記

飯山市から公開された樋門・樋管の操作記録は以下の通りです。

1・樋門操作記録1(飯山市公開) : https://archive.fo/4Llh6

2・樋門操作記録2(飯山市公開) : https://archive.fo/PeSqm

まずおかしいと思ったのは「なぜカラーコピーで情報を出すのか?」という事です。

通常は「情報は公開したくないのだが、請求があったから仕方なく白黒コピーしてあげる」と言うのが常道です。そうして「公開したくない部分は墨で塗りつぶす」のでした。

所がおかしな事に飯山市はわざわざカラーコピーして「ここは大事な所だから、情報請求者はよく読むように」と黄色と赤で明示してきました。

さて「墨で塗りつぶす事」はよくありますが「黄色と赤で明示してくる事」は非常に珍しい事です。

何か目的がなければやりませんよね、普通は。まるで「この部分はお前たちが欲しがっている情報だから、ちゃんと食いつくように」そうして「ちゃんと釣られる様に」とでも言わんばかりの有様です。

そうして又飯山市がこの情報公開請求まえに「このような樋門・樋管の閉・開時刻をまとめた原本書類をもっていたかどうか」、それは非常に怪しいのです。この文書は「まるでこの情報公開請求に合わせて急いで作りあげた」かのような文章ですからね。

といいますのも「そのような情報をまとめた文書は市役所には存在しない」という回答を請求者に出した場合は、「そのような回答をする事自体が問題である」と市議会で責められることになるのが目に見えていたからです。

そんな風に市議会で責められた後でしぶしぶ調べて情報を出すよりは「前からこうして市役所は樋門・樋管の閉・開時刻はつかんでいて、資料としてまとめてある」とした方がマシであると判断した様にみえます。

しかしながらそうやって情報を公開した事によって「市役所にとっては不都合な事実」が次々に判明する事になります。


§1静間樋管と有尾樋管について

さてそれはさておき操作記録1に注目するならば1、静間樋管 と 7、有尾樋管は同じ様な「排水樋管」ですが、1、の方は「操作担当」として「消防団第一分団」とされ、その下に誰かの個人名が書かれていたのか、その部分は墨塗りになっています。

しかしながら7、の方は「消防団第一分団」とだけ記されその下には委託された個人名が記されていなかったのか、墨塗りされていません。なぜでしょうか?

そうなると1、の墨塗りされた部分の下には本当に個人名が書かれていたのかどうか、怪しくなります。単に黒く塗ってそれらしく見える様にしたのでしょうか?

ちなみに飯山市が公開している別の資料によれば1、7、ともに操作担当は「消防団第一分団長」と明示されています。(注1


さてそれで、有尾樋管のゲートを閉じた時刻を見ますれば

『10月13日 10時00分   有尾樋管のゲート 閉』となっています。

これは言い換えますと13日の10時までは有尾樋管は開きっぱなしでそこから千曲川の泥水が有尾区側に流れ込んでいた、という事になります。

つまり「有尾区には有尾樋管開きっぱなしによる外水氾濫があった」という事を飯山市が認めているのです。

だがこの事実はプレス発表の文書には出てきません。10月17日に発表された第一報にはこの事実は記入されてはいないのです。

何故でしょうか?

有尾区は飯山市街地ではない、とでもいうのでしょうか?

市役所は第一報を出す時点では「後日に至りてこのような情報公開請求がある」とは想定しておらず、この事実は隠しおおせると考えたものと思われます。

そうであればこれは「自分達にとって不都合な情報は出さない」という、明らかな「情報隠ぺい工作」でありましょう。


次に静間樋管についてです。

 『10月12日 23時00分  静間樋管のゲート 閉』

前述したように有尾樋管と静間樋管は消防団・第一分団長が閉める事になっていました。

そうして静間樋管を12日の23時に閉めた分団長は何故その足で有尾樋管に向かい、ゲートを降ろさなかったのでしょうか?

有尾樋管のゲートは第一分団長が「閉め忘れた」為、有尾区では浸水被害が発生しました。

静間樋管を12日の23時に閉めた分団長が有尾樋管の事を忘れていた?

いや、とてもその様な事は考えられません。

この樋管を閉めたら次は有尾樋管だ」と普通に意識できるはずですからね。

この事についての飯山市の言い訳は「その頃に市内に出水があり、第一分団長はそのために忙しかった」ので「有尾樋管には13日の10時まで行けなかった」という「とても信じられない説明」を堂々と市議会でしています。(追記1

だが「事実は」といえば、「この時刻には飯山市街地のどこにも浸水被害は発生してはいない」と言うものです。

そうしてもう一つの事実は、といえば「静間樋管は開けっ放しだった」と言うものです。(注2

実は消防団・第一分団長は静間樋管を閉めてはおらず、従って「その足で有尾樋管に向かう事」はできなかったのでした。


§23、飯山樋管 5,栄川樋管 6、皿川樋門 について

この情報公開文書が提示されるまではこの3つの樋門・樋管の操作を委託されている方々は「河川事務所に飯山市が推薦した消防団員であろう」という推測はできていました。(注3

しかしながら、その事を確定するまでには至っていませんでした。

しかしながらこの推測について「それらは2名の消防団員に委託されている」と飯山市が公開した資料には書かれており、そのことは「上記の推測が正しかった」という事を教えてくれているのでした。

ちなみにこの3つの樋門・樋管は同じ2名に委託されていますので、墨塗りされた部分の下に本当に個人名が書かれていた、としたら同じ名前が3回出てくることになります。


さてそうではありますが、3、飯山樋管 および5、栄川樋管 につきましては「通常は開きっぱなし、台風襲来の折にも開きっぱなしでよい樋管である」と飯山市が後日に至りてその様に説明しました。

つまり「委託樋門操作員はこの2つの樋管のゲート操作をすることはない」と飯山市は言ったのです。(注4

しかしこの時点では飯山市は操作記録2 にあるように、「この2つの樋管のゲートも操作対象である」かのように赤字表示にまでして報告しています。

そうであれば大家さんブログにおいて

・樋門・樋管閉会操作一覧表~栄川樋管2時、飯山樋管は2時30分に~ゲートを開けて退避したと記述!
2020-05-31  : https://archive.fo/u2CUw 

『5  10月13日 2時00分
    栄川樋管操作員に退避指示が出され ゲートが開けられました。
   ※栄川樋門の管理者は国土交通省 
   飯山観測所の2時の水位は8・86m ※飯山水位観測所計画高水位10・42m   
6  10月13日 2時30分
   飯山樋管操作員退避指示が出されmゲートが開けられました。
    ※飯山樋門の管理者は国土交通省』

と書かれる事になります。

しかしながら実際は「樋門操作員はこの2つの樋管のゲートには何もしてはいない」のです。

何もしなくてもこの2つの樋管は「ゲートは開きっぱなしで正常」なのですから。

さあそうなりますと「河川事務所と操作委託契約をし、それなりの給与を支給されていた2人の消防団員」は上記2つの樋管で一体何の仕事を委託されていたのか、非常に疑問になります。

河川事務所は「何もしなくて良い樋管にゲート操作の為の操作員を配置して委託料を払う必要はない」ように思われます。

まあそういう訳で、こんにちに至りましては上記2つの「何もしなくてもよい樋管」の委託先は飯山市に変更される事になりました。(注5


§3城南樋管について

城南樋管は雨水排水系統図にある様に通常時は中央下水路で集められた雨水を千曲川に排水するための樋管です。

・飯山市HP記載 雨水排水系統図 : https://archive.fo/Mfb18

但し千曲川の水位が上昇した際にはこの樋管を閉じて、そこに集められた市内の雨水はポンプ場に送られる事になります。(通常は樋管が開いているので雨水はポンプ場にはいかない様になっています。)

今回、台風19号襲来の折にはこの樋管ははやばやと市職員の手で閉められ、そこに集まった水はポンプ場におくられ、ポンプ稼働前においても栄川樋管から排出されていました。・・・・以降はその3に続く。

 

注1:地域防災計画 第7編 資料編(資料1~資料3)  参照願います。

地域防災計画の電子データ (令和3年3月10日改訂版)
第7編 資料編(資料1~資料3)  (PDF形式:2,833KB)

P92 「3-9 水防上重要な水門 ダム」を参照
名称     位置      管理者    操作担当者     操作の基準
 静間樋管 飯山市 大字静間 飯山市 (道) 飯山市消防団 第1分団長 操作規程による 
 飯山城南 樋管 飯山市大字 飯山字上町 飯山市 (ま) 飯山市 まちづくり課 〃
 飯山樋管 飯山市 大字飯山 国土交通省 飯山市 まちづくり課   操作要領による 
 栄川樋管 飯山市 大字飯山 国土交通省 飯山市 まちづくり課   操作要領による 
 皿川樋門 飯山市 大字飯山 国土交通省 中野出張所       操作要領による
 有尾樋管 飯山市 大字飯山 飯山市 (農) 飯山市消防団 第1分団長 操作規程による

但し管理者が、飯山市 (道)=道路河川課、飯山市 (農)=農林課、飯山市 (ま)=まちづくり課、:操作担当者が 中野出張所とある所は実際は出張所職員が操作をするのではなく「河川事務所と個人が操作委託契約をして、その人が操作を行う」。

ちなみに
宮沢川樋門 飯山市 大字蓮 国土交通省 中野出張所 操作要領による

注2:この件詳細につきましては以下の記事を参照願います。

・その34-1・県町区の氾濫は皿川からの氾濫水による内水氾濫ではない。

・その34-2・県町区の氾濫は静間樋管を逆流した千曲川からの氾濫水による外水氾濫である。

・その34-3・さて「台風19号での静間樋管での氾濫は3回目である」という証言を得ている。

注3:この件詳細につきましては以下の記事を参照願います。

・その10-2・千曲川河川事務所と電話で話したよ。

注4:飯山市 令和 2年  6月 定例会(第372回) 06月16日-02号 を参照します。

『◎建設水道部長(村上透) 
 市街地排水路の樋管、樋門が開いていた状態について、まず市街地の排水の仕組みからご説明する必要がございます。
 市街地の雨水排水を担う水路の系統は2つあります。

 1つは、新町、上町や、本町、北町など、まちの中心部に降った雨水を排水する中央排水区であります。
これらの水路は全て城山雨水排水ポンプ場につながっております。

ポンプ場の仕組みは、まず、千曲川からの逆流を防ぐために、ポンプ場内にあるゲートを閉め、千曲川側にある栄川樋管を開けて排水を行います。
なお、ポンプが停止した状態においても逆流を防止する装置が装備されており、ここから千曲川の洪水が市街地に入ってくることはございません。

 もう一つは、上倉や奈良沢など市街地西側丘陵地に降った雨水を排水する飯山排水区であります。
この水路の出口は飯山樋管になっております。
排水の仕組みは、圧力管方式といいまして、千曲川の堤防の高さよりも高い場所で雨水を取り込んで、水位差で押し出す仕組みとなっております。
まちの中心部を通過する区間は管渠にて密閉されており、千曲川の水がまちの中心部に入ることはございません。』

上記の説明から分かる様に、栄川樋管および飯山樋管は台風襲来の折であっても開けっ放しでよい、と飯山市は言っています。

ただし、栄川樋管はポンプ場の内水ゲートを閉めてポンプが稼働し、栄川樋管から市内の水が排水されている事が条件になります。

その条件が満たされない場合は、栄川樋管は閉じる必要があります。<--この部分、上記の村上君の説明とは異なりますが、台風19号襲来の折には栄川樋管は実際にそのように操作されていました。

注5:上記注1で示した「地域防災計画 第7編 資料編 3-9 水防上重要な水門 ダム」の記述は、台風19号襲来の時点では 飯山樋管 栄川樋管ともに操作担当者は 中野出張所 となっており、つまり「飯山市内の消防団員に委託されていた」のでした。

その事は1・樋門操作記録1(飯山市公開) : https://archive.fo/4Llh6 :を確認すれば分かる事でもあります。

しかしながら 令和3年3月10日改訂版 においては注1で示した様にその2つの樋管は両方ともに飯山市に委託されるように変更がかかりました。

 

追記1:2023/4:静間樋管と有尾樋管に対する飯山市の回答から分かる事は「飯山市が管理責任を持つこの2つの樋管について、実は飯山市は何も管理していなかった」という事実です。

そうしてもちろん「水防の基本」は「閉めるべき樋門・樋管は作業手順書に従って千曲川の水位が所定の値になったら閉めて排水ポンプを稼働させる」というものです。

しかしながら飯山市はこの2つの樋管につては事実としてその様な対応をしていませんでした。

さてこの事は一体何を意味するのでしょうか?

飯山市の水防対策本部は飯山市内にある十数か所の樋門・樋管について、自分自身が管理責任があるものを含めて「台風19号襲来の折にそれらの樋門・樋管が閉じられていたかどうかを確認していない」という事を表しています。

それはつまり「水防対策の基本中の基本が飯山市はできていない」という事をはっきりと表しているのです。

そうであれば市内各所に於いて千曲川の水が氾濫したのも「むべなるかな」と言うものであります。

そうしてまた恐ろしい事に「今日に至っても飯山市がこの水防の基本中の基本がやれるのかどうか、はっきりとしていない」という所にあるのですよ、江沢さん

ちなみに「水防の基本を行う事」は「危機管理監がいなくてもどこの自治体でもやっている、普通に出来る事」であります。

したがって「それがやれていない飯山市はおかしい」のですよ、江沢さん

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台風19号 飯山水害の検証報告・一覧

 


その1・飯山水害に関係する樋門・樋管について、飯山市とのバトルの記録

2021-09-13 01:53:18 | 日記

まずはここから話を始めましょう。

皿川が氾濫して飯山市街地が泥水の中に沈んだ。その最初の報告が10月17日に出された(プレスリリース 第一報)飯山市
令和元年台風19号台風関連災害経過報告 令和元年 10 月 17 日午後 4 時現在 : https://www.city.iiyama.nagano.jp/assets/files/senryaku/press/1017iiyama.pdf : になります。

この中で飯山市は 7.樋門、ポンプ等 として

 10 月 12 日(土)午前中 木島坂井樋門 閉鎖確認
 午前中 小沼中島樋門 閉鎖
 14:30 木島第 1・第 2 排水機場 運転開始
 19:17 木島雨水排水ポンプ場 1 号機運転開始
 20:30 戸那子樋門閉鎖(ポンプ稼働中)
 20:35 御立野排水路ゲート 閉鎖
 20:40 御立野排水路ポンプ 稼働
 20:50 城山雨水排水ポンプ場 1 号機運転開始
 21:00 城山雨水排水ポンプ場 2 号機運転開始
 21:00 彦四郎排水ポンプ(3 台)稼働
 22:05 広井川ゲート 閉鎖 ポンプ 稼働
 10 月 13 日(日) 2:00 頃 皿川樋門(国管理、委託管理者から2:00 に閉鎖したとの報告があり) 

と報告しています。

さてそれで、上記記述の中で飯山市街地の水没に関連した部分はどこでしょうか?

20:50 城山雨水排水ポンプ場 1 号機運転開始
 21:00 城山雨水排水ポンプ場 2 号機運転開始
 ・・・
 10 月 13 日(日) 2:00 頃 皿川樋門(国管理、委託管理者から2:00 に閉鎖したとの報告があり)

これだけです。
それ以外の記述は飯山市街地の水没にはまったく関係ありません。

最も被害が大きく、最も重要視しなくてはならない場所について、それに関連する「樋門、ポンプ等」の報告としては「全く情報が不足している」あるいは「意図して情報を隠ぺいしている」とさえ言われかねない状況です。(注3

実際には飯山市街地の水没に関係をもつ樋門・樋管の数は6つあります。
その中で上記報告で言及されているのは皿川樋門、ただ一つだけというありさまです。
それ以外の残り5つの樋門・樋管についてはまったく書かれていません。
そうして、飯山市との「樋門・樋管についての情報公開の戦い」は全て、ここから始まったのでした。

まずは河川事務所に対して「皿川樋門を閉じた時刻は分かったが、それでは何時に再び開けたのか?」と尋ねました。ところが一向に答えがかえってきません。何度かコトバを変えて要求したのですが、無視され続けました。そんな事を一か月間ほどやっていたでしょうか。(注1

仕方がないので飯山市にも「皿川樋門のゲートを開けた時刻を公開せよ」と要求したのですが、こちらにも無視されました。

おかしいですよねえ。閉めた樋門ゲートは再び開けなくてはなりません。そうして実際に樋門を閉めたのならまた開けなくてはならず、そしてその時刻については樋門操作員から河川事務所に報告を上げる事になっています。そうであれば河川事務所は樋門ゲートを再び開けた時刻を答える事に何の問題もないはずですが、、、。

しかし一向に答えは返ってきません。まるでそこには「答えることが出来ない秘密があるのだよ」と教えてくれているかの様でした。(そうして実際、とんでもない秘密が隠れていました。)

それでその様にして「樋門・樋管の閉・開時刻が重要である」と考えたのは当方だけではありませんでした。

・千曲川の樋管や樋門の閉・開時刻を明らかにすることが今後に生かす道〜台風19号内水氾濫
2019-12-10 : https://archive.fo/G6YTb : 

『・・・市街地への内水氾濫が、皿川からの氾濫だけだったとは思われません。
⑴静間樋管
⑵飯山城南樋管
⑶飯山樋管
⑷栄川樋管
⑸皿川樋門
⑸有尾樋管
などが何時に閉じられ、何時に開けられたのかを明らかにするとともに、そのことにより内水の氾濫があったのかどうかを早急に明らかにしていただきたいと思います。』

まあしかしそれでも飯山市と河川事務所は無視し続けたのです。

それでこの事態が動いたのは12月25日でした。

・外水位6・23m、内水位6・43m時点で皿川樋門を閉じ退避〜退避時点で市役所等に連絡〜
2019-12-25  : https://archive.fo/cHyH4 

『皿川樋門の台風19号の樋門操作記録が明らかになりました。
樋門操作記録は、日立市にお住いのMさんが、情報公開により入手されたものです。・・・

操作の際に行った通知の状況 飯山市役所および樋門周辺区の区長へ連絡
ゲートの操作状況等 10月13日1時44分 1号ゲート・2号ゲート閉操作
          外水位 6・23m 内水位 6・43m 
                              10月13日15時30分 1号ゲート・2号ゲート開操作
          外水位 6・38m 内水位 6・40m 
なお、令和1年10月28日報告   報告受理年月日 令和1年11月  1日となっています。・・・』

こうして我々はようやくにして河川事務所が主張する所の皿川樋門の閉・開時刻を知る事になったのです。

ちなみに11月1日にこの情報を樋門操作員から河川事務所が受理していたなら、簡単に当方の質問に答える事が出来たはずですが、河川事務所はそのようにはしませんでした。どうしてでしょうか? 本当に不思議です。

本当に台風19号襲来の折に樋門を閉めて、そうしてまた開けたのなら、また本当に10月28日に樋門操作員が報告書を書いて11月1日河川事務所がそれを受理していたのなら、「樋門を開けた時刻を回答する事には何の問題もないはず」でした。

さてこうして皿川樋門については一応、河川事務所からの回答を得ることが出来たのですが、それ以外の残り5つの樋管については未だに何の情報開示もありませんでした。

それで次はH氏の出番となります。

・千曲川樋門樋管ゲート開閉状況(市街地)という文書があります~情報公開開示文書
2020-05-30  : https://archive.fo/SbbTB 

『令和2年4月23日付の回答文書

この文書は、令和2年3月31日日付で飯山市内の「H・I」氏が、情報公開請求を行い、令和2年4月23日付けで回答されました。・・・

台風19号により、飯山市全体では777戸が浸水し、しかも、そのほとんどが飯山市街地での被害という、未だ経験した事のない大被害の原因を明らかにする上で、また、今後の水害に備える上で、樋門・樋管の開閉操作についての検証は欠かすことができないことです。
この文書により、非常に重要な事実が分かりました。
とりあえず、評論を加えないままお知らせします。』

この文書によってようやく我々は残りの5つの樋管について、台風19号襲来時の状況を知るに至りました。そうしてその文書からはいくつかの非常に重要な問題点が浮かび上がってきたのです。

ちなみに以下の文書は飯山市から同時に公開されたもう一つの文書です。

・樋門・樋管閉会操作一覧表~栄川樋管2時、飯山樋管は2時30分に~ゲートを開けて退避したと記述!
2020-05-31  : https://archive.fo/u2CUw 

この文書の内容は前の文書の内容と同じですが、樋門・樋管のゲートの状況を時系列に並べ直してあります。

以上が我々と飯山市との間で繰り広げられた「情報開示バトル」の第一章になります。そうして本来であればこれらの情報は我々からの情報開示請求を待つまでもなく、飯山市が情報公開するべきものであったのです。しかしながら飯山市はそのようにはしませんでした。

これは残念ながら今に続く飯山市の「市民にとっては重要な情報は市民には公開しない」という「飯山市の市民軽視の秘密主義の現れ」であります。

 

注1:上述したように11月1日に河川事務所が樋門操作員からの報告書を受理していたのなら、11月下旬までに数回にわたって当方から出された「いつ樋門ゲートを開けたのか」という質問に答えるのは簡単であったはずですが、実際はそうはなりませんでした。(注2

どうしてでしょうか?

それは11月1日には河川事務所にはその報告書が存在していなかったからです。そのことは以下の事例からも推察できる事です。

・ 千曲川河川事務所からの回答 2019年12月24日 : https://archive.fo/aO0Sf

『12/04に送った質問の回答が来た

楽農家 様

平素より国土交通行政の推進にご協力頂きありがとうございます。
ご質問がありました皿川樋門の操作時の状況については、以下の通りです。
なお、回答が遅くなり大変申し訳ありませんでした。

1.10/13午前1 時半の皿川樋門での水位ではなく、立ヶ花観測所の水位で閉門を指示した理由を教えて下さい。

(回答)
立ヶ花水位観測所では10/13 0:30 に計画高水位を越え、・・・』

12月24日までに日立のMさんに情報公開した事と時期を同じくして、楽農家さんからの皿川樋門についての質問にも河川事務所は回答し始めました。

それで12月4日に楽農家さんが出した質問に答えるのに何故20日間も時間が必要だったのでしょうか?

それは台風19号襲来の折に皿川樋門の状況がどうであったのか、どのように回答したら良いのか、そのストーリーを作り上げるのにそれだけの時間が必要だった、という事です。

そうして、ようやく12月23日になってその作文が完成しましたので、日立のMさんにも、また飯山の楽農家さんにも「回答メールが届いた」という次第であります。

注2:この件、詳細につきましては次の記事を参照願います。 :

 ・その4・皿川樋門は本当に閉じられたのか? 
「地元の委託された樋門操作員」は本当に実在するのか?この疑問に白黒をつける事を拒否している千曲川河川事務所。

注3:特に有尾樋管について言えば13日の10時頃まで開けっ放しであり、その為に有尾地区が千曲川からの逆流泥水によって浸水被害を受けた、という事実がありながら、その事についての報告がプレスリリースには一切書かれていません。

これは飯山市が行った「明らかに意図的な情報隠ぺい工作である」と言えます。

それが明らかになったのは、「H・I」氏が、情報公開請求を行い、仕方なく飯山市が情報公開したからであって、それがなければいまだに飯山市は「知らぬ、存ぜぬ」であった事でしょう。

・樋門操作記録1(飯山市情報公開請求回答) : https://archive.fo/4Llh6

・樋門操作記録2(飯山市情報公開請求回答) : https://archive.fo/PeSqm

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台風19号 飯山水害の検証報告・一覧