太 極 拳 最 高 

健 康 を デ ザ イ ン す る

食は「いのち」の糧

2009-01-29 19:24:05 | 太極拳

 私たちの「いのち」は、両親から受け継いだ先天の気と、私たちがこの世に誕生した後に、後天の気といわれる食物と酸素によって保たれています。生物は環境の産物ですから、環境を無視しては、生きていくことはできません。
 動物がその環境の中で「生」を全うするためには、自然の摂理に従って食物を摂ることが前提としてあります。そうした理由から、食べる物によって歯の形が決まっており、草食動物は臼歯と門歯が多く、肉食動物は犬歯が発達しているというのがその摂理です。
 イギリスで発生した狂牛病などは、まさに、草食動物に肉食をさせた、自然の摂理を度外視した報いであるということができます。草食動物は、われわれ人間の雑食動物と違って、純粋に植物だけを食べて生きていますから、肉を消化するための臓器や酵素の持ち合わせがありません。
 肉食動物が草食動物を食べる場合、はらわたから食べます。草食動物のはらわたには酵素があり、それを先に食べておけば、食べた肉が腸内で腐敗しないことを、彼らの経験的な知恵が働いて、その行為をさせたものと思われます。まさに、命をつむぐ天の配剤であるとしか、いいようがありません。
 私たちの祖先である縄文人は、農耕民族として1万2千年以上も前から、穀物と野菜を主体にして食べ、太平洋戦争が終わるまでは、その食習慣をずっと続けていました。穀物や野菜は繊維質が多いので、それを消化するために腸が長くなっています。
 最近、日本人の生活習慣が変わって、若い人の足が長くなったとはいいましても、体構造が変わるには2万年の年月が必要ですから、日本人の体構造が、おいそれと変わるはずもありません。
 このように腸の長い農耕民族の日本人が、腸の短い狩猟民族の欧米人と同じように、肉食をしていたら、腸の中で肉が消化できずに腐敗することは、目に見えるより明らかです。腐敗の腐は、「府」(臓腑の意) の中で「肉」が悪くなることを意味しています。