かつて藤沢は大船に松竹撮影所に近いからだろう木下恵介監督、大島渚監督が住み(いまも奥様の小山明子さん在住)映画人が多かった。映画館も駅の周りに数件あった(母に連れられ小学校3、4年の頃に観た洋画が映画初体験)がもう一軒もなくなちゃった!
でミニシアターみたいな場所ができた。その一つが昨年春から始まったのが藤沢駅近くの魚屋二階の「さかな屋キネマ」だ。平日は魚メニューの食堂が休日の日曜を使って隔月で上映してたが、いまは毎月に急成長の人気。それもそのはずオーナーが目利きなんですぞ。
2月は映画通の聖地?渋谷のアップリンクでなんと半年のロングラン上映を成しとげた「キューバップ」。2014年末クランクアップの作品でロスで初上映したんだって!
キューバに魅かれて写真を撮りに行った若いカメラマンがふとした縁で知り合った19歳頃のピアノ弾きとの出会い、15年の時をへてNYで見事なジャズメンに育った彼に再会する。そこで映画を撮ろう!と思いつく。ネットで資金集めをし、彼を口説きおとし国交のないアメリカからメキシコ経由でNYの仲間とキューバ入り。NYの仲間とキューバに残り活動してるかつての仲間と冬休み中のキューバ国立芸術大学でたった1日のライブ開く。その様子が映画の中心。だけど女子が洗濯や料理の豆をより分けたりしてる家の土間で、しつこくリハーサルしてる(楽譜らしい立派なもんはないのだと)彼らの姿や日常風景も映画を魅力的に仕上げてる。古くさい車やボロいバス、ハバナって都会のはずなのにのんびり、高いビルもなく空は青くて広~い!。道ばたに草が生えてるじゃん。なんか昔みたような懐かしい匂いがする・・・。アメリカと国交回復、オバマ氏一家訪問のニュースがほんの最近流れた。やがて街は様変わりするに決まってるけど。
高橋真一監督の「キューバでは音楽はそこにあるもの、マニアなと特にいない」の言葉が耳にこびりつく。


高橋監督 夫妻
3月は5年前の3・11福島の原発事故に触発されフランス、ウクライナ、ビキニ環礁に近いマアーシャル共和国を取材、主要人物のインタビュ―ほか世界を視野に収めた坂田雅子監督のドキュメンタリー作品。ベトナム戦争を題材にした作品「花はどこへいった」「沈黙の春を生きて」に続く渾身の作品だ。世界に例のない2つの原爆に曝された国に住む人間として見逃せない。胸がザワザワ、チクチクする。題名に託した監督の意図はわからないけど、そもそも、終わらない旅とは、漂流する放射性廃棄物そのものの独白なんじゃ、と私は思う。まったく先が見えないもの。


●さかな屋キネマの一番の特徴は、監督のトークショ-があるところ。質問も気軽にできる温かい雰囲気ですよ~。四月は渋谷に集まる若者の映画だったが行けなかった。五月は海外のドキュメンタリーだと。行こう。
