猫の日暮らし

大阪南河内でTNR、保護、啓発活動をしています。
不幸な命をうみださない社会をめざして。

2015~2019年、5年間の公園TNR活動のまとめ

2019-12-05 23:28:28 | TNR活動とその他
この活動をはじめてちょうど5年たった公園の猫の管理
を資料にまとめています。
長くなりますが、5年という区切りにまとめておきます。
TNRは猫を減らす効果があると実感していますが
地域での苦情や虐待などの問題は解決できていません。
これからの課題を考えたいです。


TNR活動 エリアは2〜4カ所あります。

2015年8月 シロキジオス黒オス、シロキジメス、シャムメス
      キジオス、キジメス
      シロキジメス、キジオス、茶白オス
      シャムメス、シャムメス
   9月 階段黒オス、中きじオス、茶白オス、白黒オス、三毛メス
      シロキジママメス、黒めす
   10月 白黒オス
   11月 キジ子猫オス2匹
   12月 キジ大オス
   全 22匹 
2016年 
   3月 くろオス、こきじオス、黒白メス、サビメス
   5月 サバトラメス
   全 4匹
2017年 2月 白黒オス
     7月 キジメス 子宮蓄膿症 新規エリア
        白黒 オス 新規エリア
     全3匹
2018年 4月シロキジオス
     5月サバトラオス
     12月茶トラ長毛 新規エリア
      全 3匹
2019年  10月大黒オス
      全1匹    

計 33匹 存命 15匹    
TNR済みだった猫も2匹いれて計17匹くらい

費用はほぼ医療費で総額24万円かかっています。
(断尾手術入院医療費、捕獲依頼代金1回分含んでいます)
領収書すべてあります。
餌やりさん2人、TNRボラ2人での活動
餌やりさんは費用を1/3ずつご負担してくださいました。
TNRは大阪市内の病院まで運んでいましたので
往復交通費や駐車場代、高速費、ガソリン代もかかっています。
一番使ってるのは時間です。
(下見、捕獲時間、搬送、リリース、捕獲器の準備洗浄等)

保護譲渡活動

2015年 2月黒子猫くう
     3月キジ子猫きー
     7月キジ子猫4匹しま、サバ、トラ、きじ 白黒子猫2匹はち、てん

2016年 5月茶トラ子猫1匹メイ
     8月シロキジ中猫1匹リリー

2017年 2月茶トラ成猫1匹ケン 黒子猫1匹チョコ

2018年 12月黒子猫1匹リロ
2019年 3月黒成猫1匹まりも
     7月乳飲み子遺棄事件 ウニ、イクラ、タラ
 
計 17匹 すべて譲渡済み みんな幸せになりました。

こちらの費用は計算してませんが
保護猫は医療費や飼育費用をいれたら
平均1匹3〜5万円の費用がかかると言われています。
3万円としたら50万円かかってることになります。
譲渡は一部医療費を里親さまにご負担いただいていますので
すべて持ち出しという訳ではありませんが
あらためてTNRよりお金がかかりますね。
保護は何かあれば自分が終生飼育しないとならない
覚悟もいる個人負担の多い活動です。

考察まとめ
猫の数は、ほぼ半分に減っています。
病気、事故など外猫の平均寿命は2〜3年の命です。
でも最初からまだいる猫もいます。
周辺TNRも進めており、エリアが増えてるのですが
一番最初に取りかかった場所は
12匹くらいいてたのが4匹になっています。
ポツポツと昨日まで来てた猫が突然来なくなります。
実際、交通事故に合った猫の死体を発見して
連れて帰った事もあります。
外の猫はいつ死んでもおかしくない過酷な状況です。
11月どうぶつ基金さんの無料チケットで
手術させていただきました。


なるべく保護できそうな猫は保護してきましたが
それでもすべての猫にお家を見つける事は困難です。
我々はただの一般市民、抱え込む活動はできません。
外でのお世話をして、一代限りの生を全うできるよう
せめて毎日おなかいっぱいごはんを食べてもらう
ことしかできません。

5年間、ここをしっかり継続管理してきた事が
なによりすごいことだと思います。
ものすごい労力をかけています。
この活動は私たちは好きでやってるわけではありません。
問題を感じ、取り組む必要があるからやってるのであって
やらなくてすむのならそれにこしたことがありません。


最初の年のTNRは数も多いし
どうぶつ基金の無料チケットの配布もなく
市からの助成金などもありませんので
すべて自費負担となり大変でしたが
あとは数匹となります。
もちろん1匹も子猫は産まれていません。
毎日顔を見て猫に餌をあげていますので
新入りが来たらすぐに分かります。
それが餌やり管理です。
新入りが来たらTNRボラである私たちが捕獲します。

TNRなんてすぐ終わるのです
一番大変なのが日々のお世話なのです。

何よりの功労者はここの管理をしてくださってる
餌やりボランティアさんです。
雨の日も風の日も台風でも風邪をひいてても
毎日猫のために来てくださります。
餌代もお金がかかります。


時には罵声を受けたり、嫌な気持ちになる事もあります。
それでも猫を守るため、地域の方に丁寧に説明もされます。
お皿にいれて餌をやり、食べ残しをすべて持ち帰り
誰かが置いていった餌も掃除してくださっています。
現場は、なついてくる猫を振り払って
帰らないといけないつらさがあります。
すぐに猫を連れて帰りたくなる私たちには
とてもできない活動です、、、。

このきちんとした餌やり管理がなければ
ここの公園はまだ未不妊の猫だらけ、、、
巻き餌や置き餌、ゴミだらけ、、、
子猫が生まれては死んでいくという負のスパイラルから
抜け出せなかったと思います。

それが最近、餌やりに対する啓発ポスターが
何枚もはられてしまいました。
猫問題にはこのポスターを配布しています。

行政は、ここの活動を見に来て
餌やりは黙認してるけど
餌やりで苦情が来ていると言われていました。
それならもっと分かりやすく
具体的に書いてほしいです。

*食べ終わるまで見守る
*置き餌をしない
*ゴミや食べ残しは持ち帰る
*不妊去勢手術を行う

もちろんむやみやたらに餌をやる行為は
迷惑です。
でも、このポスターでは適正な餌やりにも
餌をやるなと言われ、現場が混乱します。
女性が知らない男の人に怒鳴られる事が
どれだけ怖くて精神的に負担があることか
分からないのでしょうか。

それにどうやら餌やり禁止で問題は
解決できると思っているようです、、、。
大阪府の公園などにあるポスターです。
飼い猫の適正飼育の啓発も大事です。

それができていないから外猫がいます。
外の猫には、避妊去勢をする、餌やりマナー
捨て猫禁止の啓発をしないといけないのでは。
餌をやらなければどこかにいくという考えは
周辺地域で猫の問題を押し付け合う事
になってしまうのではないでしょうか。

先日の大阪市の餌やり禁止条例を
取り上げた市議会でも

*マナーを守った餌やりはむしろ歓迎する
*ボランティアが活動しやすいように
 餌やり禁止看板は撤去する

と大阪市松井市長は答弁されました。

最近、ここの公園で知り合った方も
この市のポスターを見て憤慨されて
外猫の対策を何もなされていないことを
電話するといってくださいました。
ここの近くに住んでおられるそうなので
そういう方の声は大きいと思います。
それは餌やりさんがきちんとお世話してきたことを
長年、見て知ってるからなんですね。

現場で直接、苦情をいわれることはなくなりました。
お疲れさまとねぎらいの声をかけてもらうこともあります。
毎日来られる顔見知りの方に
ほんとに猫が減ったなぁという声もいただきます。
私たちサイドの活動や声も行政や公園管理の方に
もっと届くようにしていきたいですね。
今後の課題です。

そして12月、富田林の公園で
また虐待事件がおこりました。
公園で針金がささった猫がいて
動けなくなっていたそうです。
命に別状はありませんでしたが
保護され手術で治療しています。
治療費は、カンパし合ったそうです。

虐待は快楽性があり、繰り返される事が多いです。
虐待のある公園で子どもを遊ばせるのは怖いです。
周辺じゅうぶんに注意してください。
不審者がいれば、通報してください。
毒餌なんかもまかれることがあります。
散歩中の犬が食べて死んだという事件も起こっています。

気になった事などなんでも相談してください。
今は野良猫なんかで警察なんて、、、
という時代ではありません。
警察は動いてくれます。
見てみぬふりをして
何かあってからでは遅いです。
しっかり意識を高めて警戒していきたいです。

大阪ではアニマルポリスが設置されました。
目撃情報等#7122にかけてください。
できれば証拠が必要となります。
市も対策をがんばってくれているようです。

野良猫も愛護法で守られており
来年6月改正により殺傷は5年以下の懲役
500万円以下の罰金へと厳罰化されました。
虐待は必ず誰かの目に触れます。
今はいたるところに防犯カメラもあります。
地域の目で防いでいくしかありません。
街の防犯、治安をみんなで守りましょう。

両現場とも猫は手術され、管理されていますが
ここらへんの野良猫問題がかなり深刻化しています。
こうなるともう末期ではないのでしょうか。

地域住民トラブル、餌やり禁止看板、虐待、虐殺、、、
この問題には対策が必要です。
TNR、地域猫活動、不妊の助成、セミナー、譲渡会
和泉市、堺市など周辺の行政はもうはじめています。

そしていちばん必要なのは行政から
地域住民への広報と啓発だと思います。
行政に対策がなく、餌やり禁止の姿勢だと
どんなにボランティアが猫を手術しても
適切な管理をして猫を減らしても
そんな活動を知らない人が多く
餌をやるな、連れて帰れと苦情が来ます。

餌をやるなということは、命が軽視され
虐待も助長します。
餌やり禁止、排除では問題はなにも解決しない事に
はやく気付いてほしいです。
野良猫対策はもう確立されているのだから
行政ができる事を取り組んでいただきたいです。

野良猫だって、大切な命なんです。
不幸な猫を増やさない取り組みが必要です。
命を大事にする社会になりますように。
それが私たちにとっても暮らしやすい街となります。


公園で5年間、たくさんの命を見送ってきました。
1匹1匹みんなに名前があり、思い出があります。
いなくなってしまった猫たちが懸命に
ごはんを食べていた姿を今も思い出します。
最後に、ここの公園に生きてきた猫に
謝りたいです。

不適切飼育の末、公園でごはんをもらわないと
生きていけなかった猫たち、、、
彼らは人間が産み出した犠牲者です。
野良猫だって愛護動物
猫は野生の動物ではないので
自分で餌をとることはできません。
せいぜい虫を食べたり、カエルをとったり
ゴミをあさるくらいしかできないのです。

家でかわいがられている猫と何の違いもありません。
本来人間が守らないといけない命
猫は家で人と暮らす動物です。
保護した猫は幸せになりました。
保護できなかった猫たちにすまなく思っています。
それでもここに来れば毎日ごはんは食べられるのです。
餌やりさんには心から感謝したいです。

外猫のお世話は大変な活動です。
悲しい事の方が多いです。
わたしはTNRもやりたくありません。
それでもやらないともっと失われる命が
増えてしまいます。
野良猫をめぐって、住民トラブルへと発展します。
そして虐待が起こる街になるのです。
すこしでもおさえられるようにしたいです。

動物虐待のない街に、、、
人と猫が共生するために、、、
もっともっと地域の理解が必要だと思います。
またできる限り見守りも継続していきたいと思いますが
地域の方にも、そしていちばんは行政に
街の環境問題として、命の問題として
少しでもご理解、ご協力いただきたいです。


私たちは公益財団法人どうぶつ基金(佐上邦久理事長)が主催する
「さくらねこ不妊手術事業」の協働ボランティアです。
今回さくらねこ不妊手術事業を行うにあたり、公益財団法人どうぶつ
基金から2頭の不妊去勢手術費一部を負担していただきました。
公益財団法人どうぶつ基金に寄付をしていただいた皆様に
心より感謝申し上げます。



協力病院さまにも、心より感謝申し上げます。


コメント (2)
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