シロタビの、B級旅行イバラ道

「るるぶ」片手に定番記念写真を撮るだけが旅行なのだろうか? 観光名所のその陰で、ひっそりと怪しい光が待っている・・・

伊吹山からゴールデンルートをゆく・・・~関ヶ原ウォーランドと養老ランド再訪(前編)

2008年11月04日 21時49分22秒 | B級スポット岐阜
2007年9月22日、小生は妻と息子を連れて岐阜県は関ヶ原方面へクルマを走らせていた。
養老ランドで衝撃を受けてからしばらく、ネット等でB級施設をいろいろと調べて回っていたのだが、その中で気になったのが「関ヶ原ウォーランド」だからだ。
自分の実家の近くに「五色園」という宗教公園があるのだが(これも何気に有名な珍スポットである)、五色園のコンクリ人形を製作した浅野祥雲御大の作品が散りばめられた、壮大な戦国ジオラマパークらしい(ちょっと大げさかw)

さらに、養老ランドももう少し詳しく検分したいと思い、帰りに寄ろうと思っていた。

関ヶ原から養老へ・・・実はどうして、なかなか極上なB級ドライブルートである。しかし同乗する妻には、B級ドライブすぎてクレームが入りそうだったので、とりあえず「天気もいいし伊吹山に行こうよ」ということで出発してきたのだ。

しかしB級色を薄めるために快晴の伊吹山に来たのはいいが、いきなり料金所で3000円(高!!)を徴収されてしまったのは計算外だった。 初めから財布に厳しい旅になってしまった。


とはいえさすが日本百名山。来て後悔するような場所ではない。


8合目付近には広大な駐車場があり、そこから山頂までハイキング気分で登山が楽しめる。長浜の市街地もよく見える。琵琶湖が霞んでよく分からなかったのが残念。

しかし、つくづく自然とは素晴らしいものだと思い知らされる。
3000円払っても高いとは感じず、また違う季節に来よう・・・と思う事なんて、B級スポットには逆立ちしたって出来ないことだから(笑


などと言いつつ伊吹山を降り、R365の向かいにあるB級スポット・関ヶ原ウォーランドへとクルマを走らせる。
しかしここで僕は目を疑った。 なんとウォーランドの駐車場に交通整理の警備員が立っているではないか・・・!
ここはそれほどの人気スポットだったのか・・?  と動揺するのも束の間、すぐにレストハウスが見えてきて、そこに観光客がぞくぞくと入っていくのだった。


それがそのレストハウス。 「麗守都」という当て字が素晴らしい。というか意味不明。 華麗に都を守る???

で、この麗守都関ヶ原の駐車場の西側に、ウォーランドの駐車場があるのだ。
先客はクルマ1台のみ。

入場料金は700円。伊吹山に3000円も払っておいてナンだが、これは明らかに高い。
僕がそう思うのだから、レストハウスに寄ったついでに入ってしまった一般人は、相当後悔してしまうかもしれない。

ゲートをくぐると、いきなり謎の演歌が大音量で流れていて、その筋の人にはたまらないB級オーラを放っている。
無論一般人は、「どうしよう。やっぱ払い戻してくれないよな」となるだろうが。


この施設、東京ドームくらいの広さの土地に、関ヶ原の合戦を地形も含めて大雑把に再現してある。
関ヶ原の浅野祥雲人形はこんな感じ。 微妙に右肩から上あたりのデッサンが狂っているのが愛おしい。


しかし園内は草ぼうぼうでこの有様。一応有料なんだから、雑草で廃墟のような風格を出すのは勘弁してもらいたいところ。


園内の北西に再現されていた西軍大将、石田三成陣地。
旗指物にツタが絡まってますが・・・・(哀


こちらは有名な武田信玄の亡霊。 相変わらず雑草がすごいが・・・ちなみに、園内にあったベンチは雑草に覆われてまったく座れず。
とりあえず夏に行くと悲惨な事になりそうだ。 雑草と虫で武将の像とふれ合えそうに無い。

現役の有料施設にもかかわらず、これだけ手入れされていないと言うところが、ネタとしてはトップクラスのB級スポットたる所以だろう。

ここは本当に、ただ戦国時代の武将のオブジェがあるというだけで、それ以外はただの手入れの行き届いていない団地の公園と同じである。
想像してみてほしい。 ちょっと面白い遊具(ゾウさんの鼻の滑り台とか)のある、草ぼうぼうの団地の公園が、突然有料になったら。 あなたは行くだろうか?
そんな状態で、40年以上もここで生き続けているのだ。
これが浅野祥雲作品の出すB級な魅力のおかげかどうかはともかく、人形のペンキの塗り直し以外ほとんどコストのかからないこの有料施設は、もしかしたらとてつもない未来まで生き残っていくかもしれない。


(画像は関ヶ原町HPより)
入って正面には、関ヶ原の合戦資料館があり、ここのパネルはなかなか読み応えがあって勉強にはなる。
というか、本当に歴史が好きで、「関ヶ原の戦いの博物館」的感覚でマジメに見に来た人の役に立つのはここくらいだろう。
 
ちなみにお城をかたどった正門の2階は、武具・甲冑等の資料館になっているのだが、こっちの老朽化ぶりも必見だろう。とにかく手入れがされていない鎧兜が、薄汚いガラスケースに入っていて、しかも照明が暗い。
合戦の資料うんぬんの前に、この廃退的雰囲気を味わいたいところだ


駐車場内にはこのような観音様が。
一応「ノーモア関ヶ原」がキャッチフレーズで、反戦を謳っているようです。そういえば中にも大仏様みたいなのがあったな。

とりあえずウォーランド堪能した後、関ヶ原メナードランド跡地に向かう。


ここは僕が子供の頃はCMもやってて、結構有名だった。
しかしリピーターを呼び込むには、アトラクションのリニューアルは必須で、老朽化してくればこうなる運命なのだろう。

そう考えると、ロクなリニューアルもせずに何十年とそこに息づいている「関ヶ原ウォーランド」や「養老ランド」は、なんと偉大な存在か。


一時休園の看板。しかし再開することなく、メナード化粧品はアミューズメント事業を諦めたはず。 今やるなら遊園地ではなく、ショッピングモールとかだろうが・・・・さすがに関ヶ原の山中では厳しいだろう。
ウォーランドが生き続け、なぜメナードランドは死んだのか・・・そんなことを考えつつ、薩摩カイコウズ街道で一路養老へ向かうのだった。   (後編へ続く)


2007年9月22日訪問


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