シロタビの、B級旅行イバラ道

「るるぶ」片手に定番記念写真を撮るだけが旅行なのだろうか? 観光名所のその陰で、ひっそりと怪しい光が待っている・・・

知多の夏風、恋の水・・・~中之院軍人墓地と恋の水神社

2009年10月15日 00時11分42秒 | B級スポット愛知
名古屋から1番身近なマリンリゾートといえば知多半島である。
しかし、古くから観光で栄えていたゆえに、時代の流れに乗り遅れた寂れ感もいろいろな所から湧き出している場所でもある。
セントレア開業によってますます快適となった知多半島道路を快走して、まず行き着く先は・・・・


ここは知多半島の人気マリンリゾート、内海海水浴場から少し内陸に入った
「中之院」という寺院の境内である。
おびただしい石像がひしめいていて、なんだか異様な風景である。

説明書きによると、昭和12年頃に上海上陸作戦で戦死した名古屋第三師団の兵士達の石像だそうである。
遺族の方がお金と写真を持ち寄り、なんとあの浅野祥雲氏に依頼して造ってもらったのだとか。
もともとは祥雲氏の地元、名古屋市にあったのだが、15年くらい前にこの知多半島に移設したそうである。


写真を元に造っただけに、けっこうリアルな描写であるが、なんか浅野祥雲御大の作風と違うような気がする・・・・というか、関ヶ原ウォーランド桃太郎神社の作品より上手なんですが(笑
いやいや、ピカソだって若い頃の作品は普通に実写的にデッサンされていたし、浅野先生にもこのくらいの造形力はあったのかもしれない。
晩年はあえてコミカルな作風に変えていったと考えれば納得がいく。

しかし、この像の若者がすべて戦死してしまったなんて・・・・合掌。

その後、北上して「つくだに街道」なる施設でアサリの佃煮を仕入れた後、我々はもう1つの目的地、恋の水神社へと向かった。
つくだに街道から古布ICで知多半島道路に入り北上。 
美浜ICで降りて伊勢湾側に5分ほど走ると、県道沿いに小さな駐車場が見えてくる。


これが「恋の水神社」の鳥居である。 なんと水色。 
鳥居をくぐった後は、森の中の細い道を100mほど歩いていく。


こういう所には必ず由来が書かれているわけだが、それによると今から800余年前、京都の公家の娘、桜姫が青年と駆け落ちしたものの、逃亡生活から青年は病に倒れてしまったそうな。
この桜姫、青年の病を治すため、万病に効く水を求めてこの知多半島にやってきたものの、女ひとりの山歩きではどうにもならず、この場所で息絶えてしまったそうな・・・・・。

なんだか破局の貧乏神が住んでいそうな気もするが、時は流れて21世紀、この場所は恋愛成就の恋の水神社として、若いモンがわんさと訪れるようになっていたのである。


ここでの願かけは、この紙コップを300円かそこらで購入し、そこに恋の水(この神社の境内に湧いている湧き水)を入れてコップに2人の名前を書いて奉納・・・・という手順。
紙コップがご覧のようにいっぱい並んでいる。

しかし、紙コップを売るネーチャンは、隣のプレハブでテレビを見ながらヒマそうに寝っころがっていた。
まあどれだけ御利益があるかどうかはともかく、ピシッと正装の巫女さんがコップを売ってくれないと、「こんな紙コップで何百円も取るなよタコ」という気になってしまう。
まあ既婚者である僕にはあまり関係の無い神社ではあるのだが、あの暇そうな、Tシャツ姿のコップ売りネーチャンを見てると、並んでいる恋の水が少し滑稽に見えてきてしまうのであった。

2008年7月13日訪問


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