シロタビの、B級旅行イバラ道

「るるぶ」片手に定番記念写真を撮るだけが旅行なのだろうか? 観光名所のその陰で、ひっそりと怪しい光が待っている・・・

過疎の村、町おこしの行く先に・・・・~日本まん真ん中センター

2009年06月16日 22時05分40秒 | B級スポット岐阜
もしB級スポットをジャンル分けするのであれば、必ずカテゴライズされるのが、いわゆる『町おこし系』であろう。
かの有名な竹下登元首相の「ふるさと創生資金」を皮切りに、全国に箱物やオブジェが作られていったワケだが、誰でも知ってるような歴史的・文化的なネタがある自治体はまだマシである。
そういうネタの無い山村はもうヤケクソのこじ付け状態で、今回訪れたココもそのたぐいと言ってよいだろう。

岐阜県は郡上市、旧美並村エリアに聳え立つ『日本まん真ん中センター』である。



東海北陸道美並ICから数分の好立地、5月の暖かな日曜日・・・・であるにもかかわらず、このスーパー閑散とした駐車場がすごい。
ちなみに、建物の屋根から、真鍮のような色をしたデカい棒というか柱のようなものが飛び出しているが・・・


中に入ると、このように天井を貫いてつながっている。 
柱の先は、床に描かれた日本列島の、ちょうど美並村の位置に来ているのだ。
これは、美並村が『人口重心地』であったという事を表すモニュメントなのだ。
「まん真ん中センター」という名前の由来もここから来ている。

「人口重心地であった」と過去形になっているのは、実は関東一極集中のおかげで、人口重心は少しずつ東に移動しており、隣の関市に移ってしまったらしいから(哀)

ちなみにこの巨大な柱は、実は日時計になっていて、センターの周りに文字盤が描かれている。
ところが、現在時刻の場所に立っても影の1つも発見できない。
よくよく見てみたら、建物に対して柱が短すぎて影が届かない事が判明。
屋上にも行けないし・・・・ヘリで上から見ろということか?

この1階フロアには、日時計に関する展示等があるのだが、人口重心とどう関係があるのか不明。


2階に上がると、今度は「日本の珍しい苗字コーナー」とか、もうよく分からない展示になっており、ネタ切れ感が漂う。
一番衝撃的だったのが「長良川に住む魚」のコーナー。
だって上の写真のごとく、物凄い放置プレーだから・・・・(泣)。

一応、旧美並村出身といわれる僧侶、円空にちなんだコーナーがあり、これが村おこしネタとしては一番まともだろう。
しかし円空だけではどうにもネタが足りなかったのか、いろいろ手を出してはみたものの、人口重心は隣町に移っちゃうわ、影が地上に届かない日時計があるは、2階の展示コーナーは放置プレーと、強烈なB級3重殺となってしまっている。


しかし・・・こうやって税金の無駄使いだなんだとネタにするのは、都会人の驕りかもしれない。
若い働き手も、お嫁さんも来ない過疎の村の、「なんとか村おこしを・・・」という熱い思いの歪んだ姿は、まだまだ全国至る所に生き続けているのだ。

2008年5月11日訪問


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