シロタビの、B級旅行イバラ道

「るるぶ」片手に定番記念写真を撮るだけが旅行なのだろうか? 観光名所のその陰で、ひっそりと怪しい光が待っている・・・

ダムに沈みし過疎の村よ・・・~藤橋城と徳山ダム

2009年09月30日 22時10分16秒 | B級スポット岐阜
日本まん真ん中センターを始めとして、税金を投入した町おこし設備の多さでは群を抜く岐阜県であるが、ここは揖斐川町の奥地、旧藤橋村エリアにも怪しげな建造物がデンとそびえている。
東名大垣ICを降りてから、揖斐川沿いに数十キロのドライブの果てに見えたものは・・・


その名も「名勝・藤橋城」。 ドドン!

しかし・・・・

「名勝」などと銘打っているが、ここに天守閣があったと言う事実は無い。
立て看板によれば、この街道は美濃から越前(福井)へのショートカットルートである為、美濃勢の侵攻に備えて多くの砦が「あったと思われる」というだけである。
それらを歴史的遺産として残していくのは普通だと思うのだが、有りもしない天守閣をおっ建てて、砦を勝手にお城にしてしまう所が岐阜県の成せる技といえよう。

とりあえず駐車場の隣に食堂が営業していたので腹ごしらえ。まあまあ客は入っていた。
いよいよ入城だが、こんなインチキ城であるが、一応有料である。
ただし、カネをなぜ払わなければならないかはすぐに分かる。
なんとこのお城、内部が巨大なプラネタリウムになっているのだ。
とりあえず30分間星空を眺め、2階の展示室へ。

2階は、プラネタリウム繋がりで宇宙に関する展示である。
城の中身が科学館というのも意味不明なのであるが、この旧藤橋村地域は星空が非常に綺麗ということで有名なのだそうだ。
なんだか、町おこしネタを全部注ぎ込んでしまいましたという迷走感タップリの施設である。


3階は、今度は地元藤橋・徳山エリアの展示スペース。
写真は、ダムに沈んだ徳山村の在りし日の写真である。
この辺はフムフムと見入ってしまった。
いろいろと物議をかもしたダムですからねぇ・・・

最上階は展望スペースだが、このお城、山あいの谷間に建てられているので全然展望が開けてないので意味なし。
せめて山の中腹に造らないと・・・・・B級施設としては合格だが


城を出ると、道を挟んで反対側に揖斐川町の民族資料館が併設されている。
この辺の古い民家等を移築し、マネキン置いて昔の生活を再現したという定番施設である。
藤橋城の半券チケットで入れるのでとりあえず見ていくが、客はゼロだし受付のおばちゃんはいないし(落ち葉を掃き掃除していた)、まあこんな寂れた空間を散歩するのは僕は好きであるが、揖斐川町にとってはかなりの負担ではないだろうか。


その後は、紆余曲折の末完成した徳山ダムを見学。
水面から木の先端がニョキッと出ていて、沈みたてホヤホヤであることを物語っているわけだが、あの木もほどなく枯れてしまうかと思うと、なんとも心がモヤモヤしてしまう空間であった。

その後は、ダムの完成によって付け替えられた国道を快走し、本巣市(旧根尾村地域)へと移動。


当然定番の根尾谷断層を見学。 もはや草ぼうぼうで、ただの土手にしか見えなかったが・・・・
近くにあった断層博物館みたいなのは、カミさんが興味無さそうなので割愛してしまった。

岐阜は山が多く、南部の一部を除いて過疎が進んでいるから切実ではあるのだが、それにしても各地の町おこし企画が迷走しまくっているような気がしてならない。

それがまた、ドライブの小さな、しかしとてつもなく楽しい発見になっていくのだけれど。

2008年6月28日訪問