シロタビの、B級旅行イバラ道

「るるぶ」片手に定番記念写真を撮るだけが旅行なのだろうか? 観光名所のその陰で、ひっそりと怪しい光が待っている・・・

「セントレアから1番近い日本」の正体とは・・・~紫峰人形美術館

2009年02月12日 00時15分32秒 | B級スポット愛知
愛知県高浜市吉浜。 ここは、東海地方の人間なら誰でも知っている「吉浜人形」発祥の地である。
などと言いつつ、僕も最近までは京都か江戸発祥の人形屋で、全国チェーン展開していると勘違いしていて、吉浜人形が東海ローカルだなんて知らなかったのであるが。
で、その吉浜人形が、自社の伝統技術の総力を集め、日本人形の美術館を本店の隣に造ったのである。
そこまではよくある話なのだが、この美術館が人形を展示するだけの退屈な施設には飽き足らずに、ヘンな方向に走ってしまっているのは、三河人のなせる業と言うべきなのだろうか・・・
とりあえず公式HPからしていい味を出していると言えよう。
特に、外国人観光客へのアピールも強力で、「セントレアから一番近い日本」と堂々と書いてある。
んー、セントレアにより近い半田市の運河と蔵の風景とか、もっと外国人さんに見てもらいたいモノはあるんですが・・・・まぁいいか。

とりあえず場内の案内に移ろう。

館内に入るといきなり「モーレツ歓迎」などという横断幕があったりして観光客をびっくりさせるわけだが、さらに入場料金が1000也と言われてさらにびっくりするかもしれない。
B級スポットにあるまじき4桁の入場料である・・・・・
しかしここで1000円を払わないのは、人生において貴重な経験・・・心の栄養分を失ってしまうと断言してしまおう。


なぜなら、2階に上がるといきなりこのような素晴らしいアトラクションで出迎えてくれるからだ。
ベルトコンベアと回転台座と鏡を駆使して、すごいぶっ飛んだ賑やかさを演出している。


これはコンベアで動く女の踊り子軍団。 斜めになっている踊り子がいるのは、そういう演出ではなく、単に足の裏の接着剤が剥がれかかっているから。
そのあたりを放置しているところが、またB級スポットとして非常に合格点である。


お祭り広場の裏に回ると、このようなジオラマが。 名づけて、「東海道中膝栗毛」である。 ジオラマの造りは少々チープなところもあったが、精巧な造りの日本人形がコンベアで大量に移動するさまはやっぱり凄い。
ちなみに嫁さんによると、「これだけの人形がいて、みんな違う服を着ているところが凄い。」と言っていた。 なるほど女性の目。
紫峰人形美術館、手抜き無しである。


さらに順路を進むと、小さな劇場みたいな所があって、長椅子が並んでいる。
とりあえず腰掛けると、音楽とともに 「日本昔話劇場」なるアトラクションが始まった。
場面が変わると舞台が左右にスライドして、次の場面が現れるという手法だ。
これは桃太郎誕生シーン。


その先は、江戸時代の日本を再現したジオラマコーナーへと続く。
芝居小屋や、長屋などが再現されているのだが、それらに混じって遊郭や風呂場等もしっかりと作りこまれている。
そしてそんな場所に出演しているエロティカルな日本女性の作りこみがまた素晴らしい。


ヲタ向けの安易なフィギュアでは出せない、濃厚な妖艶さを持つ造形である。
ちなみに、こういう現場には必ず覗き見するオッサン人形が出演しているのだが(しかも思いっきりバレそう)、どういう意図なのであろうか。 江戸の街はそれほどエロジジィが多かったのか・・・


これも「三河の潮干狩り」というタイトルなのだが、潮干狩りシーズンの砂浜で裸で露天風呂という訳の分からない設定になっている。 
少し写っているが、なぜか全裸の小僧連中まで走り回っていて、まさに「どういうことなの!?」という状態だ。


しかしここの凄さはそれだけでは収まらない。
圧巻なのは3階と4階ぶち抜きで作られた、「都おどり」ジオラマである。
壁際のスタートボタンを押すと、一斉に何百という人形が現れて、大音量に乗せて踊り出すのだ。 花笠とかもクルクル回って、そのインパクトは強烈の一言。


これが「都おどり」のメインの矢倉。 こいつがキラキラしながら回りまくるから大変である。 多分メンテナンスだけでも相当金の掛かる仕掛けだと思う。

3、4階の残り部分は、日本の歴史を人形ジオラマで再現したコーナ-や、江戸時代に作られた、本物の骨董品級のお雛様等が並んでいて、それなりに見ごたえがあるのだが、なんせ今までエロシーンとアクションシーンの連続だったため、いまいちインパクトに欠けてしまう(笑


これで終わりかと思いきや、なんとこの美術館、屋上に「吉浜慈母観音」なる観音様が祀ってあるのである。
とにかく、全てにおいて作り手のパワー全開の紫峰人形美術館、全国的に見ても特A級のB級スポット?と言えるだけの壮絶なインパクトなので、ヒマのある方は是非訪れて欲しい。
1000円をケチってはいけないのだ。

どうでもいいのだが、ウチの嫁にとって、B級スポットランクNo.1は、間違いなく「紫峰人形美術館」だそうである・・・。

2008年2月2日訪問