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白老の自然情報

☆北海道にある白老町の自然情報を写真でお届けします。&私の”知る楽しみ”にお付合い下さい。☆

外国紙が見た被災地の秩序と原発(gooニュース)

2011-03-29 16:27:45 | 原発・エネルギー

後で探すのが大変になるので、メモしておきます。

被災者の奮闘を称え、原発リスクの過小評価を非難 震災2週目の英語メディア(gooニュース 加藤祐子)

感想:「日本人っておとなし過ぎるのではないだろうか」と、最近良く思うのですが。
   街頭でデモをしたということもほとんどありません。(“報道されません”が正確かもしれませんが)


   NHKの報道に関しては同感です。地上・衛星合わせて5チャンネルもあるのですから。
   外出から返ると先ずパソコンを見る習慣になりつつあります。

このまま東京電力に任せておいて良いのだろうか? 福島原発

2011-03-28 10:48:23 | 原発・エネルギー

原発、過酷な現場 食事はカロリーメイト・椅子で睡眠  (201/3/25 ahahi.com)
過酷労働もう限界、両親は不明…原発の東電社員がメール (201/3/26 ahahi.com)

これを読んで、このままでは危ないと感じました。電力会社と太いパイプで繋がる原子力安全・保安院など 「原子力村」 の仲間が応援体制を取るのではないかと考えていたが、そのような動きはないようです。原子炉・燃料プールへの注水冷却の継続、終息への「鍵」である「電源復旧→冷却系の回復」、新たな事態「タービン建屋地下にたまった高濃度の放射性物質を含む水」への対応。中装の照明は回復したとはいえ、放射線のレベルなど、現場の作業環境が悪化する待ったなしの事態に追い込まれて来たように見えます。

東京電力、放射能濃度データ訂正 「人的ミス」現実味 (gooニュース 産経新聞)

 原子炉冷却に「3つの難題」 福島原発復旧、長期戦に 2011/3/28 6:40 情報元 日本経済新聞 電子版

この様な事態になった今、東京電力に対応能力があるのだろうか。政府として早急に何らかの対応をすべきではと思う。
今のところそのような情報は見当たらない。

 なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち〜  (Google ビデオ)

「科学者・民主主義・地球・人間・豊かさ・哲学」などの言葉が頭に浮かびました。
 是非視聴することをお勧めします。  

大間の海は宝物、函館の海も宝物、子孫へ残そう宝の海を

国立大学法人化の影の部分があらわれてきたようです。10年20年後と”ボデーブロー”のように影を落とし続けるだろう。
 「国立大学法人化後の外部資金獲得への取り組み」 

東電のカネに汚染した東大に騙されるな

 「寄付講座 東京大学 東京電力」で検索すると


3/28 20:00 追記 東京電力内部でこれとは、現場の社員や下請け社員が可哀そうではないか。
東電「決死隊」1日2食の劣悪環境 一時は水も1・5リットルのみ (msn 産経ニュース)

世界が震撼!原発ショック 悠長な初動が呼んだ危機的事態 国主導で進む東電解体への序章 2011年3月25日(金)14:00 gooニュース


制御棒は大丈夫なのだろうか? 温度 地震 福島原発 再臨界(訂正)

2011-03-27 22:26:01 | 原発・エネルギー
「通りすがり」の方からコメントをいただきました。緑色部分は正しくありません。

制御棒の溶融、臨界に関する ヤフー知恵袋で、概ね理解できました?? 制御棒が燃料棒より先に熔融し、その状態で水が加わると臨界になる?

「止める 冷やす 閉じ込める」の「止める」はうまくいったので、再臨界は無いというが、制御棒に何らかの損傷はないのだろうか?

 「再臨界の可能性は極めて低い」 日本システム安全研究所・吉岡律夫代表
とは言うけれど、「極めて低い」ことが起きないとも限らないわけで。

 [東日本大震災]専門家「非常に深刻」…福島3号機爆発恐れ

東京電力によると、福島第1原発3号機は13日午後1~3時にかけて、4メートルある燃料棒のうち2メートル露出したという。露出して温度約700~800度に上がると、燃料棒を覆う被覆管のジルコニウムが水蒸気と反応して水素が発生する。この水素が、配管などから原子炉建屋に漏れ出した可能性があるとみられる。炉心溶融は約2800度で起きることから、炉内の温度はかなり高かったと考えられる。吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉安全工学)は「高温になるほど反応が強い。長時間、長い燃料棒が水面から露出すると、大量の水素が発生することになり爆発の危険性が高まる。他原発も似た状況になる可能性は否定できない。非常に深刻な状態だ」と話す。

制御棒の耐熱性  (公開特許公報(A))
課題
「従来の構造物である制御棒容器に炭化ホウ素やホウ素化黒鉛などの中性子吸収材を格納した制御棒は、その構造物である制御棒容器にアロイ800などの耐熱合金が使用されているが、800℃を超えて1000℃若しくはそれ以上の耐熱性を有していない。」
解決手段
ホウ素混合炭素繊維強化炭素複合材料からなる制御棒は、炭素繊維強化炭素複合材料とホウ素が組み合わされたホウ素混合炭素繊維強化炭素複合材料から構成される制御棒容器とその内部に格納された中性子吸収材とが一体化された原子炉の制御棒であり、心棒に、炭素繊維クロスを巻き付けて積層した後、ホウ素源を含浸させた炭素繊維クロスを巻き付けて積層して熱処理することにより形成される。


1号機 炉心高温で冷却強化 (NHK)

炉心の温度が設計温度の302度を超え、およそ400度に達したため、これまで使っていた配管に加え、23日午前2時23分から、別の配管を通じて炉心への給水を始め、炉心の冷却を強化したことを明らかにしました。

原子炉の温度が400℃でも、燃料棒の温度が800℃になれば…→制御棒の損傷欠落→小規模な臨界?
 再臨界の可能性がが無ければホウ酸を入れ必要はないだろう。  
 
 
制御棒 (ウィキペディア百科事典)

材質 [編集]その目的のために中性子を強く吸収する材料でできている。主なものを例として載せる。炭化ホウ素、カドミウム合金、インジウム、銀

中越沖地震が明らかにした原発耐震指針の問題点   (京都大学原子炉実験所)

2.原子炉停止と制御棒の損傷
当日、運転中の2号機(未臨界)、3号機(定格出力)、4号機(定格出力)、7号機(低出力運転)は、地震発生の信号を受信してスクラムにより自動停止に入り、1秒弱(設計値1.62秒、1.44秒)で全制御棒は挿入された。信号発信後、2秒後に全制御棒挿入信号を確認しているが、4号機でスクラム時間記録計が故障しており、記録は存在しない。相変わらず、計測器の未整備という問題が残る。なお、制御棒の挿入時間は規定で2.2秒であるので、規定内に停止したことになる。しかし、地震は数秒で収束するが、3時間あまり70気圧、温度300度の環境で構造物は維持されているので、制御棒が挿入されても安全とは言い難く、原子炉内の損傷により蒸気漏れが起きる可能性があるので、注意は必要だろう。(図1参照)。地震による制御棒の損傷については、過去(2005年8月)に、原子力安全基盤機構で耐震実験(加速度3*9.8)と解析を行っており、共振による損傷等は起きないというデータを報告している。ただし、制御棒は、単体では支持部の間を通過する間、かた持ち構造の振動をうけるので、大きく振れる可能性がある。この点についての検討はなされていない(PWR とBWR では構造は異なる、図2参照)。

プルサーマルは苦し紛れ 日本の原子力政策はすでに破綻か?

2011-03-27 20:52:22 | 原発・エネルギー

河野太郎「日本のエネルギー政策」シリーズ1 原子力発電  からさらに判った事はプルサーマルは苦し紛れであった。日本の原子力政策はもはや破綻していたことだ。では、河野太郎氏の「日本のエネルギー政策」はどうなのだろう。少し調べてみました。

原子力発電が始まって40年、使用済み核燃料の現状-中間貯蔵は可能か?

使用済み燃料の処理・処分(よくわかる原子力 原子力教育を考える会)

中間貯蔵施設に着工 核燃料サイクル、続く正念場 (ただの高級湯沸かし器)

青森県むつ市

中間貯蔵の基礎知識(核情報)

福島第一発電所の、少なくとも1~3号機は間違いなく「廃炉」だ。
極近い将来、寿命を迎える原発が増えてくるはずです。これらをどうするのか?
もし解体すると、どれだけの高レベル放射性廃棄物が出てきて、処分する場所はどうする。

原発解体~世界の現場は警告する(NHKスペシャル)

原子炉施設の解体への対応(原子力安全委員会)

原子力発電所の高経年化対策・廃炉解体について(長崎県)

100~200年で十分とは思えない

政策として本気で再生可能エネルギーに力を入れて来なかった日本。

日本の原子力依存度

原子力以外の発電を総動員しても、すぐにはすべての原発止める事はできないだろう。
安全に操業し、やがて全ての原子炉を解体するか、チェルノブイリのように「コンクリート詰めの墓」を作るしかないのだろう。

この事態をどうするのか、政治家や官僚に任せておいて良いわけはない。

原子力村の住民たち(2)
公益法人 原子力環境整備促進・資金管理センター「中立的第三者機関」??
  情報公開資料
  国からの補助金・委託費等交付額 
最終処分資金管理業務に関する事業計画書及び収支予算書
「資金」の出所は、「原子力発電環境整備機構」らしい。
 2011(平成23)事業年度 事業計画・予算・資金計画

辿ってみると、発電用原子炉設置者等から拠出金を徴収する。(当然、電気料金の一部から)


見えてきた「原子力村」のシナリオ エネルギー(原子力)政策

2011-03-27 11:05:29 | 原発・エネルギー

福島原発震災発生から2週間余り、素人の私にも「原子力村」のシナリオが少し見えてきたように感じます。
「安価・安定供給も疑問符だらけであることが明らかになってきました。

日本経団連会長、原発「津波に耐え素晴らしい」原子力行政「胸を張るべきだ」
 日本経団連の米倉弘昌会長が、東京都内で記者団に対し、福島第1原発の事故について「千年に1度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」と述べた。

原子力発電推進への取り組みで説明聞く (日本経団連タイムス No.3009 )

電力自由化の基本問題 (北海学園大学 経済論集第51巻第2号(2003年9月))
2003年の時点の論文であること、また、易しく書かれてはいませんが、後ろの「むすびにかえて」を読むと、実質的に独占状態を維持しようとする、電力業界のシナリオが見えてきます。風力や太陽光、地熱、燃料電池など、巨額の投資を必要としないエネルギーとはちがい、「国の政策が原子力依存である限り新規参入は不可能」
(また、独占企業でなければ東京電力は倒産するかもしれません。また、東京電力エリアの今後の電力料金は?)
「東電の出資ないと原発新設難航」合弁の米大手CEO 驚いた!

電力自由化  (ウィキペディアフリー百科事典)

電力自由化と原子力発電 (若狭連帯行動ネットワーク主催の講演会)講師は「原子力村からの村八分」を恐れているようです。

カリフォルニア電力危機を考える  (田中 宇
 乗り越える方法があるのではないだろうか。野放しの自由化ではなく、公正なルールに基づく自由化が。
原発以外の電気を買いたいと思っても今は出来ません。家を建てるのも無理な年金暮らしでは「太陽光」も導入できません。家のメンテナンスや耐震性を考えると、大幅な改築か新築が必要になると思われます。

河野太郎「日本のエネルギー政策」シリーズ1原子力発電  (Blog 脱脂粉乳世代)

もう廃炉だろうと考えていた、「高速増殖炉もんじゅ」が息を吹き返したわけが分かってきました。
河野太郎氏に質問したいのですが、「高速増殖炉が実用化された場合、燃料として投入した以上に発生するプルトニウムをどうするのでしょう?」

六ヶ所再処理工場(ウィキペディアフリー百科事典)

六ヶ所村再処理工場の課題と現状 (全国自治体労働組合)

【原子力村】の住民と思われる人々
 経済界の一部・電力業界・原発メーカー・原発研究者の一部(御用学者とも言われていますが)・経済産業省

あえて最悪のシナリオとその対処法を考える ビデオニュース・ドットコム)

小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)も「言えない」事態にならないことを願っています。
人間も自然の一部です。自然をコントロールしようというのは「人間の驕り」であることを思い知らされています。

貞観津波を原子力安全・保安院が無視 福島原発災害はは人災

2011-03-26 22:44:06 | 原発・エネルギー
今日の北海道新聞3夕刊に以下の記事が載ったので少し調べてみました。

米メディア、日本は弱点を無視 強く批判 「安全性確保を先送り」北海道新聞3/26夕刊
前略
2006年に原発の新耐震指針を制定したのを受けて耐震性評価のための専門家委員会が09年6月に開かれた。その席で地質学の専門家である独立行政法人「産業技術総合研究所」(茨城県つくば市)活断層・地震研究センターの岡村行信センター長が、869年に三陸沖を震源とする貞観(じょうがん)地震が発生した際、大津波が仙台以南にも押し寄せたと指摘した。  同委員会はこの会合の直近にまとめた中間報告で、福島県沖で1938年(昭和13年)に起きた塩屋崎沖地震を津波の想定として設定、貞観地震に触れていなかった。これに岡村氏が疑問を呈し、想定の変更を繰り返し求めたが、保安院や東電は今後の検討課題として先送りした。
中略
記事では、地震や津波に備え、電力を必要としない「非常用復水器」という原子炉冷却装置が必要との技術者の指摘があったにもかかわらず、「(政府や東電には)現在の原子炉に新たな安全装置を取り付けるという議論はほとんどなかった」という諸葛(もろくず)宗男・東大公共政策大学院特任教授(原子力政策)の話を引用。日本政府や東電を「問題を(現在ではなく)将来の原子炉で解決することに熱心だった」と批判した。


こんな事を、外国の報道で知る情けなさ!!

このやり取りからも伺えます。
総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会 耐震・構造設計小委員会
地震・津波、地質・地盤合同ワーキンググループ(WG)(第32回)平成21年6月24日
以下の配布資料に基づき議論したものと考えられます。
耐震設計審査指針の改訂に伴う東京電力株式会社福島第二原子力発電所4号機耐震安全性に係る中間報告の評価について 原子力安全・保安院
耐震設計審査指針の改訂に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所5号機耐震安全性に係る中間報告の評価について 原子力安全・保安院
この議事録 の関係部分を抜書きした。
16、17ページ
岡村委員
まず、プレート間地震ですけれども、1930年代の塩屋崎沖地震を考慮されているんですが、御存じだと思いますが、ここは貞観の津波というか貞観の地震というものがあって、西暦869年でしたか、少なくとも津波に関しては、塩屋崎沖地震とは全く比べ物にならない非常にでかいものが来ているということはもうわかっていて、その調査結果も出ていると思うんですが、それに全く触れられていないところはどうしてなのかということをお聴きしたいんです。
○東京電力(西村) 貞観の地震について、まず地震動の観点から申しますと、まず、被害がそれほど見当たらないということが1点あると思います。あと、規模としては、今回、同時活動を審議会委員からのコメントを考慮した場合の塩屋崎沖地震でマグニチュード7.9相当ということになるわけですけれども、地震動評価上は、こういったことで検討するということで問題ないかと考えてございます。
○岡村委員 被害がないというのは、どういう根拠に基づいているのでしょうか。少なくともその記述が、信頼できる記述というのは日本三大実録だけだと思うんですよ。それには城が壊れたという記述があるんですよね。だから、そんなに被害が少なかったという判断をする材料はないのではないかと思うんですが。
○東京電力(西村) 済みません、ちょっと言葉が断定的過ぎたかもしれません。御案内のように、歴史地震ということもありますので、今後こういったことがどうであるかということについては、研究的には課題としてとらえるべきだと思っていますが、耐震設計上考慮する地震ということで、福島地点の地震動を考える際には、塩屋崎沖地震で代表できると考えたということでございます。
○岡村委員 どうしてそうなるのかはよくわからないんですけれども、少なくとも津波堆積物は常磐海岸にも来ているんですよね。かなり入っているというのは、もう既に産総研の調査でも、それから、今日は来ておられませんけれども、東北大の調査でもわかっている。ですから、震源域としては、仙台の方だけではなくて、南までかなり来ているということを想定する必要はあるだろう、そういう情報はあると思うんですよね。そのことについて全く触れられていないのは、どうも私は納得できないんです。
○名倉安全審査官 事務局の方から答えさせていただきます。
産総研の佐竹さんの知見等が出ておりますので、当然、津波に関しては、距離があったとしても影響が大きいと。もう少し北側だと思いますけれども。地震動評価上の影響につきましては、スペクトル評価式等によりまして、距離を現状の知見で設定したところでどこら辺かということで設定しなければいけないのですけれども、今ある知見で設定してどうかということで、敷地への影響については、事務局の方で確認させていただきたいと考えております。多分、距離的には、規模も含めた上でいくと、たしか影響はこちらの方が大きかったと私は思っていますので、そこら辺はちょっと事務局の方で確認させていただきたいと思います。あと、津波の件については、中間報告では、今提出されておりませんので評価しておりませんけれども、当然、そういった産総研の知見とか東北大学の知見がある、津波堆積物とかそういうことがありますので、津波については、貞観の地震についても踏まえた検討を当然して本報告に出してくると考えております。以上です。
29、30ページ
○岡村委員 先ほどの繰り返しになりますけれども、海溝型地震で、塩屋崎のマグニチュード7.36程度で、これで妥当だと判断すると断言してしまうのは、やはりまだ早いのではないか。少なくとも貞観の佐竹さんのモデルはマグニチュード8.5前後だったと思うんですね。想定波源域は少し海側というか遠かったかもしれませんが、やはりそれを無視することはできないだろうと。そのことに関して何か記述は必要だろうと思います。


ここまで念押ししています。更に

(第33回)ワーキンググループ会合議事概要


平成21年7月13日付 東京電力株式会社 提出資料

 16ページ
869年貞観の地震による影響に関するまとめ
■869年貞観の地震が福島サイト基準地震動Ssに及ぼす影響について検討を行った。
 ●「日本被害地震総覧」による諸元を用いた場合,
  ・M-Δ図による震度はⅣ~Ⅴ程度であり,塩屋崎沖の地震③と比較し
   て同程度以下。
  ・耐専スペクトルによる評価結果は,諸元の中央値を用いた場合,短周
   期側の主要な周期帯で塩屋崎沖の地震②,同③を下回っており,諸元
   の幅を考慮した場合も,不確かさとして考慮している仮想塩屋崎沖の
   地震(①~③同時活動)を下回っている。→策定した基準地震動Ss-1を下回る。
 ●佐竹ほか(2008)による波源モデルを震源断層と仮定した場合,
  ・耐専スペクトルによる評価結果は仮想塩屋崎沖の地震と同程度あるい
   は少し上回るものの,策定した基準地震動Ss-1を下回る。

■869年貞観の地震については,今後も引き続き知見の収集に努め,適宜必要な検討を行っていく所存。

要は「今後考えていきます」と簡単に無視! 原子力安全・保安院もこれを追認したということです。
対策を考えることだけでもしておけば、こんなに後手後手にはならなかったはず!!
想定外の天災ではなく、明らかに人災だろう。


貞観地震とは
東北地方太平洋沖地震 西暦869年貞観地震に伴う津波の研究
独立行政法人 産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター

平安の人が見た巨大津波を再現する-西暦869年貞観津波-  独立行政法人 産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター

津波災害は繰り返す 陸奥国府を襲った貞観年津波 東北大学大学院理学研究科教授 箕浦 幸治

広域連動、想定せず 869年「貞観地震」タイプか
【東北・太平洋沿岸地震】
 今回のマグニチュード(M)8・8の地震は、岩手県沖から茨城県沖の震源域が連動したとみられ、専門家は「ここまで広い範囲で連動して起きるとは想定していなかった」と、研究や対策の対象にしていなかったと話す。869年に発生した「貞観地震」と震源域が近く、似たタイプの可能性があるという。
理科年表によると、貞観地震は三陸沖を震源とするM8・3の巨大地震。城郭などが無数に壊れ、津波が多賀城下を襲い、約千人が溺死した。古村孝志・東京大地震研究所教授によると、貞観地震の震源域と考えられる範囲は、今回の地震の発生場所に近い。
 古村教授によると、30数年周期で繰り返し発生すると想定されていた宮城県沖地震はM7・5クラス。今回はその約90倍のエネルギーだ。連動して起きる地震としては、東海、東南海、南海の研究が進められている。

ベータ線熱傷 放射性物質の種類(核種)は? 人体に対する影響は? 原子炉損傷の可能性も

2011-03-25 15:54:37 | 原発・エネルギー

FNNニュースによると、3号機でベータ線熱傷した水たまりの放射性物質は、「コバルト60、ヨウ素131、セシウム137、セリウム144など」であるとうい。

事態はさらに深刻になってきているように見えます。

作業員被ばく、1万倍の高濃度放射能どこから?gooニュース)

福島原発1、2号機・地下の水にも高い放射線量 復旧作業が中断

原子炉から放射性物質漏れか (NHK)

人体に対する影響についてあらためて調べてみました (原子力情報資料室 放射能ミニ知識
コバルト60(60Co)a>  ヨウ素131  セシウム137(137Cs)
セリウム144(144Ce)a> 広島大学 地球資源論研究室
 ウランの核分裂によって生じ、ベータ線を放出する。半減期は約285日。情報が少ない→危険度低い??

財団法人日本分析センターによると「
代表的な人工放射性核種」として、次に様なことが書かれています。
核分裂により生成される放射性核種は、数100種類。人間の被ばくに関与する核種は限られる。重要な核種としては、ストロンチウム90(90Sr)、ジルコニウム95(95Zr)、ルテニウム106(106Ru)、 セシウム137(137Cs)、セリウム144(144Ce)などがある。
核分裂生成物のほかに、原子炉内で、中性子照射で生成される放射性核種があります。代表的なものとしてコバルト60(60Co)、炭素14(14C)、トリチウム(3H)などがある。

今までの情報の出し方からすると、問題は「…など」の可能性もあります。
もし、ストロンチュウムが含まれているかもしれません。

ストロンチウム90(90Sr)(a>原子力情報資料室 放射能ミニ知識)
ベータ線を放出半減期 29. 1年
化学的、生物学的性質

ストロンチウムはカルシウムと似た性質をもつ。化合物は水に溶けやすいものが多い。体内摂取されると、一部はすみやかに排泄されるが、かなりの部分は骨の無機質部分に取り込まれ、長く残留する。成人の体内にあるストロンチウムの量は320㎎である。
生体に対する影響
イットリウム-90は高エネルギーのベータ線(228万電子ボルト)を放出する。このベータ線は水中で10㎜まで届き、ストロンチウム-90はベータ線を放出する放射能としては健康影響が大きい。10,000ベクレルのストロンチウム-90を経口摂取した時の実効線量は0.28ミリシーベルトになり、10,000ベクレルのストロンチウム-89を経口摂取した時は0.026ミリシーベルトになる。二つの場合で線量が約10倍違うが、その原因はベータ線エネルギーと半減期の差による。外部被曝が大きくなる恐れがある。皮膚表面の1cm2に100万ベクレルが付着した時には、その近くで1日に100ミリシーベルト以上の被曝を受けると推定される。

原子炉で生成される放射性物質(たたかう老人飯山一郎)にはこう書かれていました。

主な生成方法
人工的に生成される代表的な放射性元素。天然でも、ウラン238の自発核分裂によって生じるが生成量は少ない。原子炉内での核分裂によって、定常的に生成される。大気圏内核実験でも大量に放出されるため、過去に地球規模で拡散した経緯を持つ。また、大気中に放出されたストロンチウムは放射性降下物として地表に堆積する。なお、ストロンチウム90は、不活性ガスのクリプトンやキセノンの半減期の短い放射性同位体の原子崩壊から二次生成されるために、放出・拡散の可能性が非常に高い。また、ストロンチウムは揮発性化合物をつくりにくく、通常の原子力施設の運転で外部漏洩することは殆ど無いが、重大事故での炉心破損による放出リスクは計り知れない。
性質ストロンチウムは化学的にカルシウムと似た性質を持つ。化合物は水に溶け易いものが多い。また、ストロンチウム90はβ崩壊により放射性元素であるイットリウム90を生成するため、安定同位元素に推移するまでに、2回の原子崩壊を行う。ストロンチウム90がβ崩壊した際の放射線エネルギー量はそれほど大きくないが、二次生成されるイットリウム90は強力なβ線を放射する。
身体への影響
必須元素のカルシウムに化学的に似た性質を持つため、一部の成分は速やかに排出されるが、多くは骨の無機質部分に取り込まれ、長期間にわたって残留する。そのため、内部被爆が大きな問題となる。体内に摂取した場合には、結果として、2段階で炸裂する爆弾が骨に埋め込まれたことを意味する。
対策
半減期も長く、非常に厄介な放射線物質。勿論、最凶クラスに位置付けられる。できるだけ体内摂取しないように注意を払うしかない…。主な体内摂取経路は、牧草→牛→乳製品、土壌→野菜・穀物、大気→野菜表面、海水→魚介類等が挙げられる。

祈るしかない」原発修復作業を見守る家族 (gooニュース)

本当に「祈るしかない」ので、終息を祈っています。

日本の何が揺らいでいるのか 日本の原子力政策

2011-03-24 12:52:13 | 原発・エネルギー
日本の何が揺らいでいるのか  (ビデオニュース・ ドットコム

司会:青木理(ジャーナリスト)、宮台真司(社会学者、首都大学東京教授)
ゲスト:飯田哲也氏(NPO環境エネルギー政策研究所所長)
報告:神保哲生(ジャーナリスト)
電話出演:佐藤栄佐久氏(前福島県知事)、矢ヶ崎克馬氏(琉球大学名誉教授)
 2011年03月18日放送

「直ちに健康には影響のないレベル」の「直ちに」の意味

2011-03-24 12:03:51 | 原発・エネルギー
「直ちに健康には影響のないレベル」があまりに何度も繰り返されるので、「直ちに」が頭に引っかかっていました。
やはり私と同じように思う人がいるのですね。

「直ちに健康には影響のないレベル」の意味するものは(おしえてgoo)
 ウィキペディア百科事典

原発 緊急情報(21) 「直ちに」とは何か?「冷静に」とはなにか?
          中部大学教授 武田邦彦氏(所属:総合工学研究所)

こんな言葉も思いだしました。
「急性障がい」と「晩発性障がい」

「しきい値」とうい言葉も思いだしてしまいました。
LNT(しきい値なし直線)仮説について(電力中央研究所 原子力技術研究所 放射線安全研究センター)
  最近では「しきい値がある」というのが正しいとうい事のようです。

放射線被爆と先天異常(日本産婦人科医会・先天異常委員会委員東北大学医療技術短期大学部教授 高林 俊文)
   1.0 Gyは 1.0 シーベルト [Sv]に相当するそうです。1mGyは1ミリシーベルト(mSv)とうい事です。

妊婦や授乳中の方への情報が載っています。(日本産婦人科学会


原子力安全規制行政見直し必至

2011-03-23 19:45:56 | 原発・エネルギー
こんなに早くこの話が出てくるとは思いませんでした。福島原発の危機が一応治まってからかと…
まともにコピーすると問題があるので、リンクだけにします。

原子力安全規制行政を抜本的に見直さなければならない 原子力安全委員長
福島第1原発:「原子力安全規制見直しを」 班目委員長
原子力安全・保安院の分離独立議論を活発化させよう環境と原子力の話
原子力の安全 監視役は独立でなければ(朝日新聞 2009年10月04日 社説比較君)
「今こそ推進と規制の分離を」、元原子力安全委員会委員長代理が語る日本の原子力行政の問題点 (環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ)
原子力推進体制・安全規制に関係する組織(電気事業連合会はこう考えているようです。)
今現在 電気事業連合会につながらない状態です。(計画停電中??)
なんと、「原子力安全委員会」が書かれていないのです。つながったらもう一度確認します。
24日9時24分現在、「原子力安全委員会」は「研究・開発・利用の推進に関係する組織」となっています。

原子力安全委員会について
原子力委員会と安全委員会は両の車輪?(原子力委員会委員 藤家洋一氏)
この文が、原子力安全委員会のホームページに載っていることに、違和感があります。
平成21年版原子力安全白書〔概要〕
「特集「環境の時代」に期待される原子力安全」から
前略
(1)新検査制度の適用
平成21年1月より、従来から行われている原子力発電所での検査について、新しい検査制度が導入されました。従来は、一律に一定期間(13ヶ月を超えない期間)毎に原子炉を停止し、定められた周期に従って分解点検等を実施し、劣化の進展把握や部品の取替を実施していました。新検査制度では、この従来の検査を変更し、プラント毎の保守管理活動を、点検実績や機器の劣化状況等を踏まえた保全計画の策定を通じて充実強化しています。これにより、適切な定期検査間隔の設定や個別機器の点検・修繕の実施等、プラント毎の特性に応じたきめ細やかな検査が可能となることが期待されています。
(2)長期サイクル運転の検討
前述の新検査制度が定着した段階では、電力会社はそのプラントの総合的な安全運転特性を示すことによって、プラントの特徴に応じた定期検査間隔の延長(最大24ヶ月)を申請し、国の評価を経て認可を受けることができます。後略
(3)高経年化対策の充実
運転期間が30年を超える、いわゆる高経年化プラントが増加していく状況にあります。
この高経年化プラントへの対策について、事業者は、運転開始から30年を迎える前及びその後10年ごとに高経年化技術評価を実施し、その評価に基づく長期保守管理方針を策定します。この長期保守管理方針は、法令により事業者の遵守事項として定められている保安規定の記載事項として、国の認可を受けることになりました。

(4)出力向上対策への着手
原子力発電所の出力向上とは、原子炉ごとに定められている出力の上限(定格出力)を、様々な工夫によって、安全性を有意に損なうことなく、より高く変更することです。
出力が増加されることによる中性子照射脆化加速や、流量が増大することによる振動・配管減肉加速等、様々な設備への影響も合わせて評価・監視する必要があることは言うまでもありません。このことは欧米では既に広く行われていますが、我が国でも、このような変更のための申請が見込まれることから、安全性への影響を含め、産業界や学会において詳細な検討が行われています。
後略

推進機関である経済産業省・業界の要望に合わせて、まるで追認機関のように見えてしまいます。

原子炉の寿命
福島第一発電所の原子炉の稼働年数
1号機 39年
2号機 36年
3号機 34年
4号機 32年
5号機 32年
6号機 31年

ほかにもこんな機関があります。
原子力安全・保安院(経済産業省)
独立行政法人 原子力安全基盤機構(JNES)
 役員を見ると「経済産業省」の天下り先であることが分かった。
経済産業省は、この二つの組織で原子力安全委員会の骨抜きにする事を企てたように見えます。
これは私の「嗅覚」によるもので、証拠はありません。

米GE製の福島原発原子炉、安全上の問題を35年前に指摘 2011年3月16日(asahi.com)
福島原発設計 元東芝の技術者 「津波全く想定せず」(北海道新聞)

こんなことがなぜわからなかった??のだろう?

原子力村の解体と市民社会の再構築(太陽光・風力発電トラスト)
飯田 哲也  環境エネルギー政策研究所


東北関東大震災に被災された皆様、原発事故で避難されている皆様にお見舞い申し上げす。

萩の里自然公園には着実に春が訪れが感じられます。被災地にも春は確実に訪れます。


ハクウンボク


ケヤマハンノキ


シジュウカラ



福島原発の現状と、今後予想される危険~後藤政志さん

2011-03-23 12:21:22 | 原発・エネルギー
福島原発の現状と、今後予想される危険~後藤政志さん 2011/3/23
(YuTube)



外国特派員協会で原子力資料情報室が記者会見 2011/3/13(videonews.com)

後藤政志氏 東芝・元原子炉格納容器設計者、工学博士

原子力資料情報室

TV番組の中でアナウンサーなどからの質問に答えるのではなく、「技術者として話さなければならないこと」を話していると思います。

平成20年度原子力総合防災訓練から見た原子力災害についての国の想定

2011-03-23 11:25:10 | 原発・エネルギー
平成20年度原子力総合防災訓練は、平成20年10月21日(火)・22日(水)東京電力(株)福島第一原子力発電所3号機で発生した事故を想定して行われたようです。独立行政法人 原子力安全基盤機構の資料から調べてみました。
平成20年度原子力総合防災訓練について
  訓練要綱
5.事故の想定の概要
以下の想定で訓練を実施する。
福島第-原子力発電所3号機において、定格熱出力一定運転中、原子炉-給水する設備の故障に伴い原子炉が自動停止した。その後の非常用炉心冷却設備等複数の設備故障による冷却機能の喪失から炉心が損傷し、原子炉格納容器からの放射性物質の放出による影響が発電所周辺地域に及ぶおそれがある。


※ 発電所への電力供給に関する「想定」は何もありません。


①「想定事故」(具体的に書かれています。)
平成20年度原子力総合防災訓練進行概要(福島第一原子力発電所3号機)

①と②及び下の資料を見比べながら、「非常用炉心冷却装置」に関して時間を追って確認してみた。
1.事故発生から約3時間後、残留熱除去系(ABとも)停止し「原子炉格納容器」圧力上昇
2.10時間後に「非常用炉心冷却系(AB)全台数故障」→復水補給水系(代替注水系)手動起動
3.14時間後、「復水補給水系も故障停止」→原子炉格納容器既定の圧力(427kPA)を超え放射性物質の環境への漏えい開始
4.32時間後「残留熱除去系(A)」復旧(原子炉圧力容器・格納容器スプレイ)
5.4により放射性物質の環境への漏えい停止。
資料:福島第一原子力発電所3号機系統概要図(通常運転状態)
資料:事象進展図(全5ページ)

空白の18時間
すべての冷却系が失われた(今回と同じ状況)14時間後~放射性物質の環境への漏えい停止した32時間後(今、当面目指す状態)までに、どんな対策を行うのか書かれていません。発電所への電力供給に関する「想定」は何もありません。津波がなくても大きな地震で、発電所が電力的に「孤立」してしまうことは当然想定しておかなければならない事だと思います。尚、「使用済燃料プール」に関する訓練は全く計画されていません。
訓練の「空白の18時間」が、今、「現在進行形の危機」であり、「安全」「多重安全設計」と言われるものの「現実」なのだろう。
「原子力総合防災訓練」も、「安全神話」をアピールするセレモニーとも考えられます。

注:非常用炉心冷却装置とは

※限られた時間で個人が調べただけなので、間違いはあるかもしれません。

訓練から離れて。素朴な疑問
1.電力に頼らずに、「非常用炉心冷却装置」を何時間位運転可能かなのだろう。
2.電力に頼らない動力源は、どんな場所に設置されているのだろう。津波対策?
  地下だとすると、「地下空間の危険性
 3.動力源と「非常用炉心冷却装置」は、どのように接続されているのだろう。
4.これらの設備は、どの程度の耐震性があるのだろう。原子炉だけが壊れなければ良い??

TMI(スリーマイル島)原発事故の教訓は生かされていなかった 福島原発原子力災害

2011-03-21 23:58:01 | 原発・エネルギー
TMI(スリーマイル島)原発事故の教訓は生かされていなかった。

世界各国が日本の情報開示に不信を抱くとともに、
対応後手に回り日本政府に不信感 福島原発事故で各国(神戸新聞)
海水注入遅れたと米紙が指摘(msn産経ニュース)

このような事態になったのは何故だろうか考えてみました。

TMI(スリーマイル島)原発事故を知る必要があるため、TMI原発事故(吉田伸夫氏 科学と技術の諸相 )の「安全装置」の項をそっくり転載させていただく。

原子力発電所で起こり得る最も恐ろしい事故は、炉心部にある放射性の核分裂生成物が周辺に飛散することである(燃料棒が核爆発を起こすことはあり得ない)。原子炉容器そのものが破裂するという想定外のケースは別にして、こうした事態が発生する可能性があるのは、炉心部から1次冷却水が失われた場合である。もし冷却水の水位が低下して燃料棒が空気中に現れるようなことになると、自身が発生する熱によって燃料棒のジルコニウム製の被覆が溶けてしまい、最悪の場合は、崩れ落ちた核燃料が容器の底を突き破って環境中に放出されることがある。これが、いわゆるメルトダウンである。このとき、残っていた冷却水と高温の核燃料が接触すると、大量の水が一瞬のうちに蒸発するという水蒸気爆発が起き、原発周辺に多量の放射性物質がばらまかれる可能性が高い。ひとたび、このような事故が発生すると、数千人から数十万人が致死性のガンなどによって死亡すると予想される。

 1次冷却水喪失によるメルトダウンを避けるには、とにもかくにも原子炉に確実に水を供給することが必要である。水の循環システムは、パイプのシール部分などから漏水が起きやすいので、万一に備えて、通常のシステムとは別に、炉心部に水を供給するバックアップ装置が必須となる。こうした装置は、ECCS(緊急炉心冷却装置)と呼ばれ、複数の系統が用意されている。TMI原発の場合は、3系統の高圧注入系(ポンプで高圧にした水を一気に炉心部に流し込む装置)が設置されており、1次冷却系の圧力が低下した場合には、コンピュータによって自動的に水が注入される仕様になっていた。

 このほか、2次冷却系の冷却水が失われた場合も、1次系の除熱が行えずに危険な状態になるため、複数系統の補助給水系が装備されている。この装置も、2次系の水が失われたときには、コンピュータが自動的に起動してくれる。

 このように、原子力発電所では、さまざまな事態に対応できるように多重安全設計を行っているので、きわめて安全性が高いと信じられていた。1974年に提出されたラスムッセンらによる原子力発電の安全性評価レポート(いわゆるラスムッセン報告)では、フォールトツリー分析の手法によって原発で重大事故が起きる確率を計算し、およそ10億年に1回と結論している。しかし、こうした「机上の計算」をあざ笑うかのように、1979年にアメリカ史上最悪の原発事故が発生する。それは、10億年に1回と計算された最悪事故の一歩手前のものであった。


注目すべきは、
「多重安全設計を行っているので、きわめて安全性が高いと信じられていた。」とうい点である。
福島原発においても、「多重安全設計を行っているので、きわめて安全性が高いと信じられていた。」のだろうと思う。
スリーマイル島原発事故から学ぶべきことは、「多重安全設計を行ってもそれが働かない事態が発生する」とういことではなかったのか? スリーマイル島原発事故の発端は、人間の一つのミスであり、今回は「想定外の津波」であったとういだけの違いである。
問題なのは、「津波を想定していなかった」ことにとどまらず、「多重安全設計が機能しなかった場合を全く想定していなかった」という事ではないだろうか。、「多重安全設計神話」とも言えるかもしれない。

スリーマイル島原発周辺のその後について、北海道新聞によると、
米スリーマイル島原発は今 事故から32年 癒えぬ傷 地元 放射能漏れを監視(北海道新聞)
こんな事態にならないこと事を願っています。

東京電力の地震・津波対策(東京電力のホームページ)

吉田伸夫氏
ホームページ「科学と技術の諸相


安全神話と情報 福島原発事故から

2011-03-21 11:51:48 | 原発・エネルギー
放射線や原子力発電に関する我々の知識不足と「情報開示」の問題を懸念していた。
「安全だ」(安全神話)というだけで、基本的知識や、過去に実際に発生した事故およびそこから得られた事実に基づく対策・考えられるリスクを正確に知らせる事を行ってこなかった「ツケ」を払うことになっているのではないだろうか。
周辺地域の農産物から放射性物質が検出されるようになり、改めて大きな問題になった。「知識のない人に情報を与えると不安を増大しかねないから情報のすべては開示できない」。情報を制限した(らしい)ことで、世界各国が日本の情報開示に不信を抱くとともに、危機対応能力にも疑問をいだくことになったのではないだろうか?

日本に滞在する外国人が自国の政府の指示?により「脱出」しはじめたとの報道。

米 独自に放射線測定を開始へ (NHK 3/16)

海外の報道や動きを紹介してくれています。

海外メディアが報じた東日本大震災(MNS産経ニュース)
  海水注入遅れたと米紙が指摘

私が忘れかけた乏しい知識をかき集めて、Blogにこんなことを書こうと思うのも、不安と疑問からだ。

15日頃から、文部科学省の測定装置を搭載した車両によるモニタリングが行われ、その結果が報道され始めた。しかし、この車両が何台あり、どの範囲をどの程度の頻度でモニタリングしているのか今もわからない。また、しばしば報道される「モニタリングポスト」に関しても、何処にどの程度配置されていているのか。肝心の原発周辺や避難エリアとその周辺では、地震の被害を受け機能していないのではないかとうい心配も解消されていなかった。
ようやく昨日の報道で、その結果が「文部科学省のホームページ」に、日本語・英語・中国語・韓国語で掲載さていることを知った。

データは、福島第1原子力発電所の問題が報道され始めた3/12から3日後の15日からのものだ。
公開され始めたのは3月21日(昨日)からだという。(NHK)

原発本体に対する初期対応の遅れや、日本の放射線モニタリングシステムそのもの、及び測定値にかんする情報開示が遅れたことが、原因の一つであることは間違いないだろう。
国内の様々な機関や研究者においても、情報が少ないことに疑問を感じたのではないだろうか?
原発災害の早期収束、知事が要請 対応不十分と経産省に(福井新聞 3/17)

東京電力・官邸・保安院・防衛相などの会見でなどが情報発信の場となったが、専門家も事故対応に当たっているのであれば、専門家を同席してもらう事が必要だろう。
東京電力や政府は、「重大事故の発生」「初期対応」の段階ですでに、信頼の多くを失っていたとも考えられるからだ。

原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方について (原子力安全委員会)

測定データ
福島第1発電所及び第2発電所周辺
都道府県別環境放射能水準調査結果
上水(蛇口水)、定時降下物のモニタリング
福島県原子力センター機器が機能停止状態なのか、書換えできないのかは不明。

原子力発電所周辺の環境放射線常時監視結果のホームページ上でのリアルタイム表示について(リアルタイムに表示されるシステムであることが分かった)

全国各地に設置されているモニタリングポスト じばらく検索したが、公的機関のHPからは見つからなかった。

北海道の状況  この体制で大丈夫なのだろうか?

放射線モニタリングの体制や、そこでの測定データなどが、適切な解説と共にもっと早く
発信されていれば、混乱は幾らか少なくて済んだのではないだろうか。
報道で知る範囲では、IAEAから派遣された専門家も今のところ、特別な調査を行っている様子はない。
日本の原子力災害に対する一応の備えと、行っている・行おうとしている対応を、きちっと発信していれば、天野事務局長まで来日することも無かったのではないだろうか。


「安全神話」誕生の背景には、なるべく「リスク」を小さく言わないと、立地を受け入れる自治体がないという事が背景にあったことも想像される。
福島原発の近くに住む住民の、裏切られた」「嘘をいっている」などの言葉がそれを示していると思います。

電源三法交付金 地元への懐柔策 (よくわかる原子力 原子力教育を考える会)
豊かではない自治体を、「札束でビンタを張る」ことで、建設を進めてきたともいえるだろう。「本当に安全なら、首都圏で使うなら首都圏につくればよいのではないか」と、よく言われたものだ。
水やガソリン…首都圏で買いだめ 被災地に届かぬ恐れ(朝日新聞)
首都圏で品切れ相次ぐ=買い占め殺到、供給も遅れ―食料品 時事通信 3月14日(月)18時10分配信

東京消防庁ハイパーレスキュー隊の皆さんには、勿論感謝しています。