福岡万葉散歩

街の様子や木々や草花を眺め乍ら、先人の俳句や和歌を織り込んで、今の季節を楽しみたい。たまには万葉散歩も楽しみたい。

2018.5.4(金) イバラの花咲く

2018-05-17 | 万葉紀行

トゲのある「茨」が咲いた。万葉仮名では「宇万良(うまら)」で、ノイバラのことである。

ノイバラ

  道の辺(へ)の茨(うまら)の末(うれ)に這(は)ほ豆(まめ)の

     からまる君を別(はか)れか行かむ    

         丈部鳥(はせつかべのとり)    万葉集巻20-4352

  大意:道のほとりのイバラの先に這いつく豆の枝のように、からまる

     あなたに別れて行くのであろうか

  天平勝宝七歳(755年)二月に、上総国天羽郡(かみつふさのくに

  あまはのこおり)(現在の千葉県富津市の西南部)出身の丈部鳥が

  防人(さきもり)として筑紫へ派遣されたときに詠んだ歌である。

  防人は筑紫、壱岐、対馬に派遣され国防の任についた。大宰府の

  水城大堤を築いたのも彼らであった。