福岡万葉散歩

街の様子や木々や草花を眺め乍ら、先人の俳句や和歌を織り込んで、今の季節を楽しみたい。たまには万葉散歩も楽しみたい。

2017.5.10(水) 二水会で天神へ出る

2017-06-13 | 街角風景

二水会で天神へ出た。何時もの年金、病気の話は一切出なかった。極めて珍しい。森友学園問題に係る首相夫人の言動について等を話したが、憲法改正について9条に自衛隊の存在を明記して追加するという提案について大いに話し合った。

天神交差点に天神ビルを見る   左はパルコ

天神交差点の横断歩道を見る

天神交差点の横断歩道を見る   左のビルは福ビル   右はパルコ

明治通り沿いのこの道を通って会場へ行く

明治通り沿いで天神再開発のため一時的に駐車場となっている所   旧三和銀行ビルの跡地だ

天神益正にて

西中洲界隈

 

西中洲界隈

西中洲を後にする

 

 


2017.4.27(木) 躑躅(つつじ)咲く

2017-06-13 | 

躑躅(つつじ)が満開だ。立浪草(たつなみそう)も咲いた。

躑躅(つつじ)  ヨドガワツツジ

  つつじいけて其陰に干鱈(ひだら)さく女     松尾芭蕉

  盛りなる花曼陀羅の躑躅かな           高浜虚子

立浪草(たつなみそう)

  来し方や立浪草の群れゐたる     青柳志解樹

 


2017.4.20(木) 茨の花が咲く

2017-06-13 | 

茨(いばら)の花が咲いた。茨(うばら/むばら/いばら)は野生の薔薇(バラ)で、豊富な園芸種の接ぎ木の土台として貴重だ。

茨(うばら/むばら/いばら)  野茨(のばら/のいばら)

  愁ひつヽ岡にのぼれば花いばら     与謝蕪村

  いばらさへ花のさかりはやはらびて折る手ざはりもなき姿かな   大隈言道

  野茨(のばら)をりて髪にもかざし手にもとり

      永(なが)き日野辺(ひのべ)に君まちわびぬ      与謝野晶子

茨(うばら/むばら/いばら)  野茨(のばら/のいばら)

  五月雨になりたるならむ街うらににほひ著るき野茨の花    島木赤彦

  ほのほのとわがこころねのかなしみに咲きつづきたる白き野いばら  木下利玄

  刈麦のにほひに雲もうす黄なる野薔薇のかげの夏の日の恋   芥川龍之介


2017.4.20(木) 牡丹の花が咲く 

2017-06-04 | 

牡丹の花が咲いた。原産地は中国で、6世紀には観賞用の栽培が始まり、「花王」「富貴花」と称されているという。日本に渡来した当初は薬草として利用されたが、その美しさは古く清少納言の「枕草子」でも称えられています。

枕草子138段(前半部抜粋)

[古文・原文]

138段 

殿などのおはしまさで後、世の中に事出で来(いでき)、騒がしうなりて、宮もまゐらせ給はず、小二条殿(こにじょうどの)といふ所におはしますに、何ともなく、うたてありしかば、久しう里に居たり。御前わたりのおぼつかなきにこそ、なほ、え絶えてあるまじかりける。 

右中将(うちゅうじょう)おはして、物語し給ふ。「今日、宮にまゐりたりつれば、いみじう、物こそあはれなりつれ。女房の装束、裳(も)、唐衣(からぎぬ)、折にあひ、たゆまで侍ふかな。御簾のそばのあきたりつるより見入れつれば、八、九人ばかり、朽葉の唐衣、薄色の裳に、紫苑、萩など、をかしうて居並みたりつるかな。御前の草のいと茂きを、『などか。かき払はせてこそ』と言ひつれば、『ことさら露置かせて御覧ずとて』と、宰相の君の声にて答へ(いらえ)つるが、をかしうもおぼえつるかな。(女房)『御里居(おんさとい)、いと心憂し。かかる所に住ませ給はむほどは、いみじき事ありとも、必ず侍ふべき物に思し召されたるに、甲斐なく』と、あまた言ひつる。語り聞かせ奉れ、となめりかし。参りて見給へ。あはれなりつる所のさまかな。対(たい)の前に植ゑられたりける牡丹などのをかしきこと」など、のたまふ。(清少納言)「いさ、人のにくしと思ひたりしが、またにくくおぼえ侍りしかば」と、答へ聞ゆ。(右中将)「おいらかにも」とて、笑ひ給ふ。

枕草子138段(前半部抜粋)

現代語訳] 

138段 

殿(藤原道隆)がお亡くなりになって後、世の中に変化が起こってきて、情勢が騒がしくなり、中宮様も参内なさらず、小二条殿という所にいらっしゃる頃、私(清少納言)はどうという理由もないが、面白くない気分だったので、長く里に下がっていた。中宮様の周辺が落ち着かない心配な状態だったので、やはり、そのまま里にばかり引き下がってはいられなかった。 

右中将がいらっしゃって、色々と雑談をされた。「今日、中宮の御所に参ったところ、とても寂しくされている悲しい様子でした。女房の衣裳も、裳や唐衣が季節に合っていて、きちんとした身なりで中宮にお仕えしていました。御簾の脇の開いているところから覗き見をすると、8~9人ほど、朽葉の唐衣、薄紫色の裳に、紫苑や萩など、色とりどりの綺麗な衣裳で並んで侍っていました。お庭の草がとても生い茂っているので、『どうしてこんなままにしているのですか。お刈り取りになられれば良いのに』と言うと、『わざと草に露を置かせて御覧になりたいと(中宮様がおっしゃっておられますので)』と、宰相の君の声で答えたのが、風情があるなと思われました。『あなたが里に下がっておられることが、とても悩ましいのです。このような所に住まなければならなくなる時には、どんなに大変なことがあっても、必ずあなたが側に仕えてくれるものと中宮様はお思いになられていたのに、その甲斐もありません』と大勢の女房たちが言いました。私からあなたにこういったことを語って聴かせて欲しいと、中宮様はお思いだったのでしょう。参って中宮様を御覧になられて下さい。しみじみとした物さみしい御所の様子ですよ。対の前に植えられていた牡丹などの風情のあること」などとおっしゃる。(清少納言)「さあ、どうしましょう。皆さんが私のことを憎たらしいと思っているので、また私のほうもあなた方を憎く思ってしまいましたので」とお答えして言った。右中将が「よくも言えたものだ」とお笑いになられる。

牡丹(ぼたん)   ぼうたん

  火の奥に牡丹崩るるさまを見つ     加藤楸邨

 

牡丹(ぼたん)   ぼうたん

  ぼうたんのいのちのきはとみゆるなり     日野草城