福岡万葉散歩

街の様子や木々や草花を眺め乍ら、先人の俳句や和歌を織り込んで、今の季節を楽しみたい。たまには万葉散歩も楽しみたい。

2012.3.15(木) 梅の花咲く

2012-04-21 | まち歩き

梅の花が咲いている。梅の花といえば、万葉集に見える梅花の

宴のことが想われる。

2012_03_14_018a

白梅   中粒の実梅で加賀という

万葉集巻五に次の詞書あり

   梅花の歌三十二首

 天平二年(730)正月十三日に、帥(そち)の老(おきな)の宅(いへ)に

 萃(あつ)まりて、宴会を申(ひら)きき。時に、初春の令月にして、気

 淑(よ)く風和(やはら)ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭(らん)は

 珮後(はいご)の香(かう)を薫(くん)ず。・・・・・

 ・・・・・園の梅を賦して聊(いささ)かに短詠を成す宜(べ)し。

   正月(むつき)立ち春の來(きた)らば斯(か)くしこそ

    梅を招(を)きつつ楽しき終(を)へめ  大弐紀卿 (巻五-815)

 ・・・・・

   わが園に梅の花散るひさかたの

    天(あめ)より雪の流れ來(く)るかも  主人    (巻五-822)

主人とは大宰府の帥大伴旅人(当時六十六歳)である。

2012_03_14_019a

淡紅色の梅   大粒の実梅で豊後という

     梅一輪一輪ほどの暖かさ      嵐雪