できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

まだ昨日の映像が撮影された全てではないが

2010-11-06 03:49:06 | Weblog
昨日youtubeに公開された尖閣諸島漁船衝突映像は、早くも5日早朝には投稿者自身によって削除されたようで、昨日のここでの記事に貼ったリンクはムダになってしまった・・・申し訳ない。

ただ、昨日公開された映像を保存した別の人がyoutubeやニコニコ動画などにアップしたり、中国の人民日報の動画サイトにもアップされているので、youtubeやニコニコ動画のトップページで「尖閣」「尖閣諸島」などのキーワードで検索をかけると、今でも映像を見ることができると思う。


2chなどでは「この程度の映像を今まで神経質に隠していたことで、かえって問題をこじらせている」などの冷静な指摘もあるが、その指摘に対する重要な反論は、

今回公開された映像が、撮影された映像の全てではない

ということである。最終的にはあの漁船の乗組員は一度海上保安庁によって身柄確保されているわけであるから、そこに至るまでにどのようなプロセスを経たのか、より具体的に言えば、

海上保安官との間に、これ以外の、暴力を含む衝突はなかったのか

という点がまだ未解明であるということだ。一説には、海上保安官が漁船乗組員を確保しようとしたときに、乗組員の方がモリで保安官を突こうとしたとか実際に突いたなどのうわさもある。また、海上保安用が録画した映像は2時間以上であるというのがどのメディアからも共通に聞こえてくるので、こちらは事実であろう。昨日公開された映像は44分ほどであるから、まだ1時間強、公開されていない映像があるのだ。そちらの映像の方に、今回のものよりもはるかにショッキングなものが映っているかも知れない。その点を忘れるべきではない。


という前置きをした上での本題だが、漁船衝突映像の一部が公開されたことで、今週の月曜日に衆参予算委員会理事に7分程度の「ダイジェスト版」が見せられたときの各理事の反応について多少コメントできるようになった。画像が重いかも知れないが勘弁である。





※二つ目の画像で、大門参議院議員と磯崎参議院議員の顔写真が同じになっている。大門(だいもん)参議院議員の方が顔写真をまちがっている。ホームページはここ


以下に、産経新聞の記事も貼っておくが、この産経の記事内容と照らし合わせても、上記の発言はほぼ事実と推定して良さそうである。


【尖閣ビデオ】視聴議員コメント集(産経 2010.11.1)

尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件のビデオ画像を見た衆参国会議員の主なコメントは次の通り。



中井洽(ひろし)衆院予算委員長(民主党)「大変鮮明に衝突の状況が映っていた。政府側のチラチラした説明が、私どもにも十分に分かる映像だった」

武部勤衆院予算委筆頭理事(自民党)「明らかに悪質な事案であることは間違いない。なぜ中国人船長を現行犯逮捕しなかったか。釈放はおかしい。国民に見てもらうべきだ」

礒崎陽輔参院議員(自民党)「向こう(中国漁船)の意図的な衝突と見て間違いない。衝突の映像だけしかなく、これだけでは足りない」

大(だい)門(もん)実(み)紀(き)史(し)参院議員(共産党)「明らかにぶつかってきている。(中国船の船員は)淡々としていた。(ビデオの公開は)慎重にした方がいい」

福島瑞穂社民党党首「車が道路でちょっとコツンとぶつかるような、あてて逃げるという映像だ。(挑発行為は)離れてるし、分からなかった。反日デモがエスカレートしている状況だ。国民に公開することは慎重であるべきだ」

山内康一国対委員長(みんなの党)「2度目も故意であることがうかがえた。すごい大声で停船命令をしていたにもかかわらず(船員たちは)平然としていた。もっと早く公開していれば国際世論も日本に好意的になっただろう」

片山虎之助参院幹事長(たちあがれ日本) 「(船長が挑発しているような…)のがあったね。はっきり見えないけど。(指を立てて?)そうそう。指を立ててたよな」

笠井亮衆院議員(共産党)「(中国漁船が)向かってきたと、少なくとも海保は説明していた。事件に関する経過と対処については政府の判断と責任においてきちっと決めることが大事だ」

小林興起(こうき)衆院議員(民主党)「向こうが逃げまどって、当たっちゃったということだ。衝撃があるような当たり方じゃない。ぶつかる瞬間はカメラの位置からして見えない」

田村憲久衆院議員(自民党)「思ったよりは激しくないが、意図的にぶつけてきているのは読み取れる。当然、公務執行妨害だ。もっと早く公開すれば国際的にもっと違った世論の展開になった」

川上義博参院議員(民主党)「公開はタイミングを逸している。外交カードとして持っておくのが日本にとってベストだろう」

加藤修一参院議員 (公明党)「国民にできるだけ公開した方がいい。故意にぶつけていると判断できる状況だった」

阿部知子政審会長(社民党)「ぶつかってきたという印象は強い。まだ処分保留中であり、政府として判断と善後策がきちんと提示されるべきだ」

前田武志参院予算委員長(民主党)「故意に衝突させたのは間違いないだろう。委員長としての立場上、個人の感想を述べるのは差し控えたい」

・・・このようにして見てみると、二つ目の画像の上三つ、小林興起、福島瑞穂、田中康夫の3人のコメントが突出してひどいと言わざるを得ない。


>小林興起(こうき)衆院議員(民主党)「向こうが逃げまどって、当たっちゃったということだ。衝撃があるような当たり方じゃない。ぶつかる瞬間はカメラの位置からして見えない」

>福島瑞穂社民党党首「車が道路でちょっとコツンとぶつかるような、あてて逃げるという映像だ。(挑発行為は)離れてるし、分からなかった。反日デモがエスカレートしている状況だ。国民に公開することは慎重であるべきだ」

>田中康夫新党日本代表「『衝突』『追突』『接触』の何れと捉えるか、批判を恐れず申し上げれば主観の問題ではないか、と思われる程度の『衝撃』」



この3人は中国(関係者)から賄賂をもらったりハニートラップでも仕掛けられているのだろうか?と言わざるを得ないほど「ひどい」。

ダイジェスト版とは言え、2回当たった瞬間の映像は見たはずである。その映像を見れば、巡視船は中国漁船の常に左側にいたわけで、漁船の右側には他の船も障害物も全く存在していない。したがって、逃げたければいつでも(一度でも)右に曲がれば衝突を回避できたわけで、どう中国に有利な解釈をしようとしても

>「向こうが逃げまどって、当たっちゃったということだ。」

という表現にはならない。

また、福島瑞穂は

>「車が道路でちょっとコツンとぶつかるような」

小林興起は

>「衝撃があるような当たり方じゃない。」

田中康夫は

>批判を恐れず申し上げれば主観の問題ではないか、と思われる程度の『衝撃』

とそれぞれ述べているが、

1回目の衝突は、日本の巡視船に対してほぼ直角にぶつかっており、
2回目の衝突は、巡視船と併走しながら、あたかも勢いをつけて巡視船の後尾部分に衝突しており、
どちらも、一度は巡視船にしっかり当てようという意図がはっきり見えるぶつかり方である。

この3名が、7分間の映像を、このようなコメントとして言語化してしまうような彼らの脳内宇宙というのは、どれだけ腐臭を放っているのだろうか。国会議員以前に、最低限の言語表現能力、すなわち「見たものをそのまま説明する能力」を病院かどこかで診断してもらった方が良いであろう。


一方で興味深かったのは、福島瑞穂と同じ社民党の阿部知子政審会長が

>阿部知子政審会長(社民党)「ぶつかってきたという印象は強い。まだ処分保留中であり、政府として判断と善後策がきちんと提示されるべきだ」

と正直に述べた点だ。彼女にもまだまともな言語能力が残っており、社民党のイデオロギーに束縛されずに、その言語能力を発揮しようとする勇気がまだ残っていたのだなと感銘を受けた。副大臣として一度甘い水を飲んだせいで、それが忘れられずに薬物中毒患者のようにフラフラと漂ってる辻元清美よりもよほど政治家としての己の信念を貫いていると感じた次第。

思ったことが普通に言えるだけで、これだけ賞賛する必要もなかろうにと私自身も思うが、上記のコメントを見ていると、今の日本の国会議員には、それすらもできない、救いようのないレベルのものもいるとしみじみ感じてしまった。特に小林興起に対しては、民主党議員になったとは言え、20年ほど前から継続して見て多少の期待を抱いていたのもあるだけに、化けの皮がはがれたことに対する落胆は大きい。





さて。残る映像も含めて公開すべきかどうかや、公開者の罪はどのくらい問われるべきかなどについては稿を改めたい。



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