できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

熱風にもまれる夏

2005-06-28 04:30:14 | ほら穴

 珍しく季節ネタを、しかもエッセイ風に。

 関東ではとりあえず猛暑到来のような暑さである。私は体内時計が壊れているようで、昼夜関係のない生活リズムなので、夜中にのっそりコンビニに行く時などに、外の空気が、湿気の多い布団乾燥機のような塊でもわーんと私の体を包み込んでくる。夜でも蒸し暑いのが、東京の夏なのだ(ってまだ梅雨の中休みとか言われているが。)

 ジンギスカンネタでも書いたように、私は北海道出身なので、夜でも逃げようがないこの暑さは、私に東京に初めて来た年を思い出させる。新聞奨学生で、エアコンもなく壁も薄い4畳半ほどの部屋で、扇風機をフルに回しても全然涼しくならずに、汗だくになって寝ていた。当然、あまり眠れないまま、夜明けにひたすら新聞を配っていた。本格的に目が覚める頃には、静かな通りを原付で店へ戻る頃であった。体力的には大変きつかったが、雰囲気のある風景をずいぶんと味わった(むろん当時はそんなことを感じる余裕はほとんどなかったが)。

 近所の商店街では七夕祭りの飾りが風に吹かれて踊っている。仙台の七夕ほどではないが、人の大きさほどもある七夕飾りが、夜中のジョナサンで予習をしていると(笑)、窓の外で揺れている。ふと違和感を感じた。そういえば七夕も、田舎では8月7日だったか。

 こちらに来て軽く10年は経っているので、こちらの夏、というか熱風には、慣れただけでなく、愛着さえ感じるようになった。それでも、田舎の、刺さるような日差しが降り注ぐ、7月末の1週間だけの激しい夏も懐かしく感じる。高校までの「青い思い出」しかないが。

 

 あと一月もすれば、何を感じる余裕もなく、ひたすら授業が続く夏期講習である。エアコンの温度に気を配りながら、決して暑くはない部屋で授業を続けるのだが、新聞配達をしていた頃と、見ている風景は不思議と似ている気がする。


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