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問題なのは「古い歴史教科書」の方であろう<news23

2005-10-12 23:50:38 | Weblog

※ううむ。新しいテンプレートが決まらない!!

 

 毎度左側に偏向的な刷り込みを繰り返していることでおなじみのnews23をたまたま見ていると、サタズバでよく見かけていた下村氏が教科書問題の特集をしていた。

 サタズバではそんなに偏向的な印象を持っていなかったが、今日は強烈だったな。例の「新しい歴史教科書採択問題」である。

 いくつかの自治体での採択反対運動取材を軸に、「今はこういう状況ですよ」という紹介になるようなまとめ方をしていたが、そもそも採択賛成の意見がほとんどなかった。確か杉並区の個人塾の先生の意見紹介一つだけだったか。残りは全時間、反対運動の紹介に終始。

 極めつけは、スタジオで、公平な比較のふりをして行っていた(笑)教科書の記述の比較である。

 一番採択数が多いとされている東京書籍と扶桑社(新しい歴史教科書の出版社)の同じ部分を記述したページを比較し、日本に好意的な記述と、日本に批判的な記述を赤と青で塗り分けていた。どっちが赤か青かは忘れたが、

・扶桑社の教科書は、日本に批判的な記述が4割、日本に好意的な記述が6割で、ほぼ全ての行が塗られていた。

・東京書籍の教科書は、日本に批判的な記述が3割程度、日本に好意的な記述が全くなかった。残りの7割は、何も塗られていなかった(単なる「事実羅列」ってことか??)

 

 「戦争に関するページ」という言い方程度で、どのページかは確かはっきりとは言っていなかったと記憶しているが、テレビに映っていたページのレイアウトをヒントに、先日やっと手に入れた『新しい歴史教科書 市販本』をめくってみると…「大東亜戦争(太平洋戦争)」のページやんけ。ま、どのページかを言っていなかったというのは、私の聞き落としという可能性もあるので気にしない。しかし、扶桑社の教科書の、このページを読んでみると、

マレーシアの独立運動家・元上院議員のラジャー・ダト・ノンチック氏の著書からの引用として、

「日本軍は、長いあいだ、アジア各国を植民地として支配していた西欧の勢力を追い払い、とても白人には勝てないとあきらめていたアジアの民族に、脅威の感動と自信とをあたえてくれました。長い間眠っていた『自分たちの祖国を自分たちの国にしよう』という心をめざめさせてくれたのです。」

 

 この史料が捏造でない限りは、少なくとも大東亜戦争には、こういう側面もあったということである。日本の戦争行為が後で非難されたという批判も、扶桑社の教科書には細かく書かれている点を考えても、扶桑社の方は賛否両論を併記していると言うべきであろう。

 一方で、むしろ気になるのは東京書籍の方である。引用したようなプラスの側面を全く無視し、大東亜戦争に対する価値判断は「マイナス」一色である。

 ダグラス・マッカーサーでさえ、アメリカの上院聴聞会で「日本が戦争に駆り立てられた動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのだ」という発言を行っている。ソース

 扶桑社の教科書はまだ全ては読んでいないのでここで評価するつもりはないが、むしろ、大東亜戦争やいわゆる15年戦争の持つこういう側面をひた隠しにしてきた、東京書籍をはじめとする「古い歴史教科書」の方がはるかに大問題であると私は考えるがみなさんはどうであろうか。

 「戦争に善も悪もない。だから、教科書にそのような記述はそもそも必要ない」と思っている読者は、自衛隊の存在を子どもにどう教えるつもりなのだろうか。そういう時だけはヌケヌケと「自衛のためには必要なものなのよ」などと言っているとしたら…教科書問題を語る前に、その厚顔無恥さを恥じることから始めるべきだろう。

 

 

 

 

 

 

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