窪塚洋介は生まれ変わったのか

　昨日の芸能ニュースでは、「以前とうって変わってさわやかな雰囲気になった窪塚洋介」と紹介されていたが、実際にはどうだったのだろう。

窪塚洋介「お待たせしました！」宣言（FLiX）

＞この恵まれた状況に窪塚は「東映さんありがとう！ お待たせしました。あとはやるのみなんで、皆さんは観るのみです」と意欲満々。体はいまだ完治しておらず、自ら「走る速さは子供に負ける」と明かす窪塚だが、瞳を輝かせて意気込みを語る姿に、会場からは拍手が起こった。

　「あとはやるのみなんで、皆さんは観るのみです」というのは、今回の一件で、芸能関係者にどれだけ迷惑をかけたのかという「重み」を受け止めたものには全く感じられない、少なくとも私には。「皆さんは観るのみです」とはどういうことか。「そんなのはアンタの映画に限ったことじゃないよ。何を当たり前のことを言っているの？アンタはアホですか？」と私なら言うであろう。

窪塚が会見「生まれ変わったほど新品ではないが…」（夕刊フジ）

＞窪塚は「すったもんだありまして、２年ぶりの主演です」と口を開いた。事故に関係し、「役者として生まれ変わったと思うか」との質問には、「生まれ変わったというほど新品ではございませんが、大切なものがそういう時に分かる、という言葉の意味が分かった」と話した。そして、「事故の前には、いろいろなことを言ったが、１仕事して９９メッセージを出すより、９９仕事して１メッセージを送るほうが伝わると分かった」と、心境の変化を話した。この日の窪塚は黒のスーツにネクタイも締め、かつてのラフなスタイルを封印。時折、笑顔を見せたが、アクションに話が及ぶと、「捨て身でやりますが、走ることは子供のほうが早いくらい」と話し、体が以前ほど自由にはならないもどかしさをのぞかせた。
　
　「生まれ変わったというほど新品ではございませんが」からしてまずおかしい。生まれ変わるということは、「新しい」ということを何も含意しない。「生まれ変わったと思うか」という質問には、「今までとはどう変わったか」という意味が含まれていると、彼は理解ができないのだろうか。「大切なものがそういう時に分かる、という言葉の意味が分かった」も、何が大切なものなのか、そういう時とはどういう時なのか。これも全く伝わってこない。

　「１仕事して９９メッセージを出すより、９９仕事して１メッセージを送るほうが伝わると分かった」もきわめて抽象的で、どのようなレベルのメッセージを指してそう言っているのかが伝えられなければ、ただの「わかったような言葉」にしか聞こえない。


　結論。彼は何も変わっていない。見た目だけ変えてもしょうがなかろう。この一年間、彼のことを考えてスケジュールや仕事を調整してきた関係者も、この記者会見を見ていたと思うが、彼らは何を感じたのだろう。顔の骨が折れて、痛々しい顔になったということだけわかれば良いというのであろうか。

　「スタッフには別の場所できっちり話をしているだろう」と思われる諸氏もいるであろう。では、こういう意味不明な発言は、「ファンのために作った特別な発言」とでも言うのであろうか。記者会見一つとっても、そこから伝わるさまざまな印象も含めて自分をコーディネートしていかなければならない。人前に立つ仕事をしていながら、そういう基本中の基本さえわかっていないから、私は彼をただのクソガキとしか思わないのだ。