塩哲の空即是色

日々の徒然日記

ミュージアム巡り 将棋むかしむかし 象戯作物

2012-01-25 05:54:09 | ミュージアム巡り_2012
 江戸時代、将棋三家の当主は八段になると「作物」(詰将棋のこと)
を数十番作り、その詰将棋集(図式)を幕府に献上していた。そして、
前名人が亡くなると詰将棋集を献上した当主が名人位を受け継いだ。
 ただし、詰将棋集の献上には正式な規定はなく、三家の当主達は自
らの技芸の素晴らしさを証明するため献上していたという。
 そんな中で、「象戯作物」を作成する際、序文は幕府の儒官の林家
の当主に記することを慣例としていた。

 展示されていた詰将棋集の献上品は、七世名人・伊藤宗看のもの。
宗看は宝永3年(1706)に五世名人・二代伊藤宗印の次男として生
まれ、幼くして兄を、18歳で父を亡くし若くして伊藤家の当主とな
る。その後、宗看は棋力を発揮して23歳で名人に就任。それから、
宝暦11年(1761)に死去するまで“鬼宗看”と称される不出生の名人
として活躍した。
 そんな宗看の詰将棋集は、難しさと作品の巧妙さ、美しさから古今
の最高傑作といわれ、「将棋無双」、「詰むや詰まざるや」の別名で
も呼ばれている。
(国立公文書館:千代田区北の丸公園3-2)


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