2014年度新聞協会賞編集部門の受賞記者5人による講演会が、市民95人が参加して10月18日(土)、新聞博物館2階のニュースパーク・シアターで開かれました。
講演会はまず、受賞記者が受賞作品の取材の経緯や背景、企画の狙いなどを30分ずつ講演しました。講演の中で毎日東京・銭場裕司氏は、認知症患者の報道をする上で、個人情報保護法とのかかわりが難しい問題になったと指摘しました。福島民報・芳見弘一氏は、原発事故関連死を食い止めるとともに、遺族らを救済することが報道の狙いであることを強調し、信濃毎日・三村卓也氏からは、出産や不妊に関するデリケートな問題も、新聞記者だったからこそ記者の性別にかかわりなく話を聞くことができたことが報告されました。
報告後、5人の受賞者が一堂に会し、聴講者との質疑応答を行いました。
聴講者からは、チーム取材のあり方などについて質問がありました。受賞記者からは「チーム取材で本質が見え、取材の方向性が変わることもある。これこそがチーム取材ではないか」(福島民報・芳見氏)、「チーム取材では、情報の共有と情報保秘の二つが必要とされる。両者の関係をどう考えるかが課題になる」(朝日東京・野村氏)、「カメラマンは、チームで取材する場合にも独自の視点を持つことが大切」(河北・長南康一氏)などの発言がありました。