日本新聞博物館

日本新聞博物館のスタッフブログです。企画展やイベントの情報を提供していきます。

新聞「日本」展の公開講座、開催しました

2015-08-03 12:50:55 | 企画展

先週末の8/1(土)、企画展「孤高の新聞『日本』――羯南、子規らの格闘」の関連イベントとして公開講座を開催し、120人の方にご参加いただきました。国文学者(神奈川大学名誉教授)の復本一郎氏、陸羯南研究会主筆の高木宏治氏、歴史学者(東京経済大学名誉教授)の有山輝雄氏から、羯南と新聞「日本」の今日的意義などについてお話がありました。司会は、今回の展覧会を中心になって企画された東奥日報社の松田修一編集委員室長にお務めいただきました。

復本氏は正岡子規と俳句の研究者の立場から、加藤拓川を通じた子規と羯南の出会い、日本新聞社を舞台にした2人の深い絆や友情などについて、お話しされました。羯南、佐藤紅緑ら多くの人が指摘している子規の魅力、良い意味での無頓着さや人間的なおおらかさにも触れられました。

次いで講演した高木氏は、産経新聞出身の故・青木彰氏(元筑波大学教授)の門下生らでつくる「陸羯南研究会」の主筆(代表者)。研究会の取り組みを紹介した上で、今後の活動として、新聞「日本」の事業や経営、多くの人を惹き付けた羯南の人間的魅力などを考えていきたいと述べられました。

有山氏は「『独立新聞記者』陸羯南の提起するもの」と題して講演し、あらゆる外部の制約から独立した新聞、新聞記者の理念を掲げ、その確立に向けて格闘した羯南の足跡を解説。「ジャーナリズムは理念を目指す運動、格闘」であるととらえた羯南の言論活動が、現在のジャーナリズムに大きな問いを投げ掛けていると話されました。

お三方の有意義な講演により、新聞「日本」の独自性や重要性、羯南や子規の魅力について、参加者の皆さまにお伝えできたのではないかと存じます。多くの皆さまの熱心なご聴講に感謝いたします。

新聞「日本」展は8/9(日)までの開催です。新聞博物館がリニューアル休館に入る前の最後の企画展となります。多くの皆さまのご来場をお待ちしております。


「にっぽん」か「にほん」か

2015-06-27 00:20:25 | 企画展

企画展「孤高の新聞『日本』-羯南、子規らの格闘」は、開幕から1週間がたちました。この間、何度かお問い合わせいただいたご質問。新聞「日本」の読み方は「にっぽん」ですか?「にほん」ですか?

「日本」という漢字表記をどう読むかは、いろいろな議論がある難しい問題です。新聞「日本」についても、題号の「日本」、会社名の「日本新聞社」をどう読むかが分かる直接的な資料は、見つかっていません。

数少ない傍証となるのは、正岡子規が編集主任を務めた家庭向け絵入り日刊紙「小日本」。発行停止の多い「日本」の代替紙として創刊された「小日本」の発行予告ビラ、創刊の辞には「せうにつぽん」というルビが出てきます。そのため、本体の「日本」も「にっぽん」だったのではないか、と推察されます。

「小日本」の発行予告ビラと創刊号は、今回の企画展でも展示しています。

 


孤高の新聞「日本」展、開幕しました

2015-06-21 09:58:50 | 企画展

東奥日報社、愛媛新聞社と日本新聞博物館が共催する企画展「孤高の新聞『日本』-羯南、子規らの格闘」が6月20日、開幕しました。独立の理念を掲げた明治期を代表する新聞の一つ「日本」について、創始者の陸羯南(くが・かつなん)、同紙で活躍した正岡子規を中心に、200点を超える資料で紹介します。新聞博物館の企画展を複数の地方紙が共催するのは初めてとなります。

開幕前日の19日には、オープニングセレモニーが行われました。ご列席をいただいた東奥日報の塩越隆雄代表取締役社長、愛媛新聞の土居英雄代表取締役社長からは、主催者あいさつで、今日の時代状況において新聞「日本」と羯南、子規の足跡を振り返ることの重要性、地方紙2社が企画展を共催することの意義についてのお話がありました。

ご来賓を代表し、葛西憲之弘前市長から祝辞をいただいたほか、羯南のご子孫の皆さま、資料貸し出しのご協力を得た博物館・文学館の皆さまなど、多くの方々にご出席いただきました。ありがとうございます。

「孤高の新聞『日本』」展は、8月9日まで開催します。期間中、図録と関連書籍(東奥日報・松田修一編集委員室長の著書)の販売を行います。来場者の皆さまに楽しんでいただけるよう投句・投歌コーナーも設置します。8月1日には、歴史学者(東京経済大学名誉教授)の有山輝雄氏、「陸羯南研究会」主筆の高木宏治氏、国文学者(神奈川大学名誉教授)の復本一郎氏を講師とする公開講座を開催します。

新聞博物館は8月10日から休館し、リニューアルします。今回の「孤高の新聞『日本』」展が、休館前の最後の企画展となります。多数の皆さまのご来場をお待ちしております。


似顔絵イベント、大盛況でした

2015-04-26 23:25:25 | 企画展

 本日、「一枚マンガのクールジャパン展――日本の良さ再発見!?」の関連イベントとして、出品作家の所ゆきよし先生、二階堂正宏先生による来場者の似顔絵プレゼントを行いました(写真=下は所先生)。先着40人の整理券配布には予想を超える行列ができ、大盛況でした。来場者の皆さまに喜んでいただけたようで、何よりです。

 また、今回のイベントは、一枚マンガの先生の技術を体験していただける機会にもなったと思います。所先生、二階堂先生、ありがとうございました。

 「一枚マンガのクールジャパン展」は6月14日まで開催しています。皆さまのご来館、お待ちしております。


一枚マンガのクールジャパン展、開幕しました

2015-04-07 16:30:08 | 企画展

東京新聞と新聞博物館が共催する「一枚マンガのクールジャパン展――日本の良さ再発見!?」が4月4日、開幕しました。国内外で活躍する漫画家・イラストレーター30人が「クールジャパン」をテーマに描き下ろした60作品を展示します。

開幕前日のオープニングセレモニーでは、東京新聞の仙石誠代表、新聞博物館を運営する日本新聞協会の川嶋明専務理事が主催者あいさつを行い、新聞と漫画の深いつながりや、漫画の風刺が持つジャーナリズムとしての力について語りました(写真=下は仙石代表)。次いで、出品作家の先生方を代表し、二階堂正宏先生があいさつ。3年前に亡くなられた千葉督太郎先生の遺志を継ぎ、一枚マンガを発展させていきたいとの思いが述べられました。式典終了後の特別内覧会では、先生方がそれぞれご自分の作品を解説するという流れに…。貴重な機会となりました。

企画展は6月14日(日)まで。会期に合わせて、新聞博物館が所蔵する明治・大正期の新聞漫画を展示するほか、4月26日(日)には二階堂先生、所ゆきよし先生が来場者の似顔絵を描いてプレゼントするイベントも行います。