昨日は前期終業式…学校はすぐに終わるはずでしたが、私のクラスだけはそうで
はありませんでした。
理由は、今、学校を辞めるとほぼ決断しているある女子生徒を待つため…。
先日行われた体育大会で、私のクラスは見事学年総合優勝を飾ることができまし
た。
ただ、体育大会が始まるまでは、これまで男女間の人間関係が希薄で、クラスの
まとまりという点では欠けていたクラスだったので、私自身、正直、前期終了前
のお楽しみ会的にみんなが楽しんでくれればそれでいい…とどこかで思っていま
した。
ところが、いざ蓋を開けてみると、サッカー、ソフトボールなど、各種目を通し
て、他クラスと比べ運動神経では劣る女子が奮闘。
それを目の当たりにした男子が自分たちの力以上のものを発揮し、応援も一丸と
なって行った結果、優勝をもぎ取ったのでした…。
お互いの頑張りを認め合えたからこそ、通わすことができた心…それはその後行っ
たクラスの打ち上げ(焼肉)にほぼ全員参加し、2次会のカラオケにもほとんどが
参加したことにも表れていました。
そして、その心の交流が、学校を辞めようとしていた生徒の心に変化を与えてい
たのです…。
終業式後のHRも終わり、帰る時間が近づいた頃、一人の女子生徒が浮かない顔
をしていたので、声をかけてみました。
すると、彼女は『○○が来ていない。今日最後に来ると行っていたのに…。私、
彼女に何もしていない…』と切り出したのです。
その言葉に、クラスの女子の生徒も同じことを考えていたのか、その彼女を呼び
出そう…と必死で電話を始めました。
その頃には他のクラスはHRも終わり、帰り始めていましたし、状況の分からな
いクラスの何人かは「先生、帰らないの???」と私のところに駆け寄ってきて
いました。
このままクラス生徒を帰すか、どうか…私は決断を迫られましたが、彼女がクラ
スの友人に前日来ると言ったその言葉を信じ、みんなに「もうちょっと待って…」
と待たせていたました。
その中で通じた電話…「今から○○さん、来るって!!」
私は、クラス全員を席に着かせ、みんなに呼びかけました。
「今、学校を辞めようとしている○○さんが来ると言っています。その彼女をク
ラスとして迎え入れてあげるためにも、もう学校の終了時間はきたけど、彼女
の到着まで残ってもらえないだろうか…」
その呼びかけに対し、クラス全員、即答「いいよ、先生。迎えに行っといで…」
目頭が熱くなるのを抑えながら、私は、道案内に○○と気心の知れた生徒を3人車
に乗せて、彼女の家へと向かったのでした。
(続く)
それぞれ、くっきりとしたものを見せているのでしょうね…
そんなクラスの子どもたち一人ひとりが、ひとつのことに向かっていく…
ということは、ほんとうにスゴイことですね!!
私自身の高校生の時のことを思い返してみても…
そんな経験といえるようなことは
3年生の体育祭の時くらいでしょうか?
どんなカタチにせよ…そんな実感をもつことができたことは
とても素晴らしい「心の糧」になると思います。
コロンさまの素敵なお話の行方を、楽しみにしておりますね~!!
損得抜きの純粋な友情。
かけがえのないものですね。
どのような展開になりましたか、続きにわくわく!
でも学校を辞めようとしていた生徒の心を思いとどませたとしたら、それは何と素晴らしいことでしょうか。
早く続きが知りたいです。
クラス集団が1つの方向に向かうというのはほんとにすごいことだと思います。
こちらが意図的にそのように仕向ければできるというような単純なものではないですからね…。
私の学生時代の経験を思い出しても、ほんとの意味で一致団結して何かを生み出したということはほとんどなかったように思います。
私も今回の経験はきっと彼らの財産になるはずだと思っています。
私は、生徒の言葉を常に信じていたいと思っていますし、その言葉に仮に騙されたとしても、それでいいと思っています。
というのも、彼らとの真の意味で信頼関係を作るときに、生徒はこの教師は自分たちのことを信用していない…と感じると、そこで関係が切れてしまうものだと思うからです。
これは私自身の経験からでもあります…。
また生徒自身は、今回のことを通して、一歩クラスを意識して生活できるようになったのでは…と思います。
子どもが友を思う純粋さ…これは大人である私たちが見習わなければならないことでもあるのではないでしょうか…。
そうですか…菫さんの高校時代では文化祭も1つの契機になったのですね。
ただ本校の場合は、クラス集団として何かを作るのではなく、部門ごとに分かれて作業するので、小集団を意識できても、クラス全体まではなかなかできない仕組みになっているんです…。
その意味で、今回はとても貴重な経験だったと思いますね。
今回の体育大会、そして学校継続で悩む生徒に関わる一連の動き…その中で、彼らが集団でいきていく上で大切な何か、その何かを掴んでくれればいいですね。