古書肆雨柳堂

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すーちゃんとおとうさん

2005-09-19 21:34:43 | 絵本

来歴
 この作品は市販されているものではありません。私の従姉妹が結婚式で、両親にプレゼントした手作りの絵本です。昔からよく知っている従姉妹とそのおうとさんのことがよく描かれていて、読んでいて微笑ましくなりました。
 性格・人物描写は箇条書きにされているのではなく、エピソードを通して描かれていますので、作品としてもメリハリがあり、楽しく読めます。

内容
 すーちゃんはおとうさんが大好き、今日もおとうさんと散歩にでかけます。お父さんは背が高いので、肩車はとても眺めがいいです。

 お花畑でたくさんのお花をおとうさんにプレゼントします。
「すみれ、もう持てないよ。お礼にあとでいいものを見せてあげるよ。」

 夜になって、おとうさんの大きな望遠鏡でたくさんの星を見せてくれました。

 ある日、家に帰ると大きなブーツが玄関にありました。すーちゃんが履いてみると重くてたおれてしまいます。
 「こんなブーツだれが履くんだろう?」

 それはおとうさんのブーツでした。
「すみれ、バイクに乗せてあげようか」
おとうさんのバイクはとても速くてジェットコースターのようです。

 ある日幼稚園から帰ると、おとうさんが寝ています。最近おとうさんは寝てばかりいて一緒に遊んでくれません。バイクにも乗っていません。

 「おとうさん、病気になったの」おかあさんが言いました。
ある日家に帰ると、あの大きなバイクがなくなり、代わりに小さなスクーターがありました。
「お医者さんがバイクだめだって」
苦しい入院生活が始まりました。

 でも、だんだんお父さんの体調が良くなってきました。
ある日帰ると、大きなバイクがおいてありました。
「もっと元気になったら、またバイクに乗せてあげるね。」
ライオンのようなお父さんが言いました。

読後余話
 おじさんはこれをとても嬉しそうに読んでいました。涙ぐんで・・・
 バイクに乗るシーンでは、バイクのカラーリング、つなぎの模様を見て、
「これよく着てたな、このバイク乗ってたね。よく見てるもんだね。」
とおばさんたちと嬉しそうに話していました。
 
 病気になったというのは、糖尿病にかかったことです。おじさんは体が大きく、著者もそのようなおとうさんを頼もしく思っていたことでしょう。しかし糖尿病以降、痩せて元気がなくなってしまいました。その後体力は回復しましたが、子供ながらに不安に思っていたことがよく察せらます。

 おじさんは趣味が多く、バイク、天体観測、プラモデル等々。この作品ではバイクと天体観測の趣味がよく描かれています。



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