
最近リール整備をしていて気が付く事は、新品リールの整備が増えた事です。
「新品なんだからやる必要無いじゃん。」
と思う人もいると思います。
リールメーカーだけに限らず、自動車メーカーや家電メーカー、全てのメーカーで言える事として「市場ニーズに応える。」と言う課題があります。
そしてリールでの現在の流行りやユーザーニーズは「軽い巻き心地」です。
例えそれが「耐久性」を犠牲にしてもメーカーは市場ニーズに合わせなければ商品は売れません。
SEXY-DYNAMITE'Sにてオーバーホールをされたリール。
特にソルト仕様。
先程書いた事から言えば当てはまらないと思います。
滑らかだけどしっとり。
人によれば「重くなった」と表現する人もいます。
適材適所にそれぞれ見あった粘度に調合した油脂を必要な場所に当たり前に付けています。
耐久性の為にはメーカーの組み立てでは塗布しない場所にまで塗ります。
市場ニーズには全く答えていません。
むしろ、塩分と戦うユーザーの現実に答えれば「重くなった」表現のリールが必要になります。
それが嫌な人が本来なら使うべきでは無い仕様リールです。
ですが何故か分解整備をする際、リピーターのリールほどサクサク作業が出来るのは何故でしょうか?
多少のトラブルを抱えていても最悪のケースは回避されています。
逆に厄介なのは初めての依頼品が殆どです。
ソルト仕様は初めて手にしたユーザーは少し戸惑うと思います。
市場ニーズに逆行している訳ですからね。
でも、人間の感覚なんていい加減や曖昧な部分もあり、慣れてしまうんです。
そして、それが当たり前になってからがヤバイです。
店頭で手に取り回した新品リールでさえ滑らかだけど、どこか線の細い不安な滑らかさだと感じてしまう方々が沢山います。
整備1つを取っても、メーカーや僕達の様な業者がいて、好みによりチョイス出来るなんて贅沢な時代になりましたね。
リールと言う機械本来の姿として組み上げた結果がソルト仕様。
そう解釈してもらえれば正解です。