沖縄情報発信

沖縄からニュース・文化・地域の多様な情報発信いたします。

アオサンゴ ①大浦湾 ②石垣・明石

2008年11月23日 | Weblog

遺伝的な多様性が低く、環境変化の影響を受けやすいと考えられる名護市大浦湾のアオサンゴ群落=2007年9月

◆①大浦湾アオサンゴ 単一遺伝子型と判明

 米軍普天間飛行場代替施設建設が予定されている名護市辺野古崎の東側で、昨年9月に発見された大浦湾のアオサンゴ群落は、石垣島白保の群落などと比較して遺伝的多様性が低く、単一遺伝子型の大規模群落であることが灘岡和夫東京工業大教授(沿岸環境学)らの研究で明らかになった。22日から静岡県で開催中の日本サンゴ礁学会で発表された。一般的に遺伝的多様性の低い生物は環境変化や病気などの影響を強く受けやすいと考えられており、日本自然保護協会の大野正人さんは「大浦湾のアオサンゴは特殊性を持った環境の中にある。辺野古の基地建設による影響が危惧(きぐ)される」と警鐘を鳴らしている。
 アオサンゴは10月に発表された国際自然保護連合(IUCN)の2008年版絶滅危惧種リスト(レッドリスト)に初掲載され、国の天然記念物のジュゴンとともにその希少性は世界的にも認識されている。
 灘岡教授らは7月、石垣島明石集落から北北東約1キロの海域で、長さ200メートル、幅30メートルの大規模なアオサンゴ群落を発見。その後、明石、白保、大浦湾の3地域のアオサンゴ群落の地形的、遺伝的特徴を比較した。
 遺伝子レベルの調査によると、明石、白保のサンゴはそれぞれ遺伝的に多様な変異が見つかったが、大浦湾のサンプルはばらつきがほとんどなく、40サンプルが1つの遺伝子型に特定された。大浦湾のサンゴは、水深1―2メートルの浅い場所にある白保、明石と地形的な特徴も異なる。
 灘岡教授は「仮説だが、大浦湾は隔離された状況で遺伝子状の特徴が単一になりやすいのかもしれない。アオサンゴは希少種で保全方法をきちんと考える必要があり、なぜ群落ができたかなど探る必要がある」と説明した。
 大浦湾の群落確認など、同研究に協力した安部真理子沖縄リーフチェック研究会会長は「基地建設による土砂や海流の変化などの環境ストレスを考える必要がある」と基地建設に強い懸念を示した。

◆石垣・明石海域でアオサンゴ大群集発見

白保・大浦と並び希少/

 サンゴの生態系保全を研究している灘岡和夫東京工業大教授らの研究グループは二十二日、静岡市で開かれた日本サンゴ礁学会で、石垣島の明石集落から北北東約一キロの海域で長さ二百メートル、幅三十メートルに及ぶ大規模なアオサンゴ群集を発見したと発表した。研究グループは同島白保のアオサンゴ群集(長さ三百メートル、幅百五十メートル)や三次元的な形状が特徴的な名護市大浦湾のアオサンゴ群集(長さ五十メートル、幅三十メートル)と並ぶ、希少な群集と位置付けている。

 今回発見した群集がある場所は観光客があまり訪れない場所で、研究者らは「踏み荒らされずに保全されたのだろう」としている。

 灘岡教授らは今回、アオサンゴ群集の保全策立案の基礎となる群集の形成・維持機構を解明するためには、形状や遺伝的特性などを明らかにする必要があるとして、明石、白保、大浦湾の群集の地理的特性や遺伝的多様性などを比較調査した。

 今年七月末に明石のアオサンゴ群集を発見した。浜から三十―百十メートル沖、水深一―二メートルの浅瀬に分布し、白保のアオサンゴと生息環境が似ている。形状も白保同様、板状で、灘岡教授は「類似した環境下で類似した形態の群集が発達した可能性がある」としている。

 アオサンゴはインド洋から太平洋にかけて分布し、骨格の内側が青いのが特徴。白保に続いて昨年、大浦湾でも群集が見つかり、話題を集めている。一方、地球温暖化に伴う海水温上昇で起きる白化現象が増えており、保護が急がれている。

ショック 黒島牛下落

2008年11月23日 | Weblog
2008年黒島牛セリ実績 最終的に10万円もの安値に

販売総額も1億円超下回る
当面大幅な持ち直し見込めず
 黒島家畜市場の2008年セリ実績(開催6回)がまとまった。08年は取引頭数が、967頭と前年を11頭上回ったものの、子牛の平均価格は31万5799円と前年を約10万円(24%)下回った。販売総額は2億8197万円で、頭数の微増があったものの、子牛価格の大幅な下落で、過去最高だった前年を1億458万円(27%)下回る厳しい結果となった。

全体の90%に当たる863頭が取引された子牛の平均価格は、雄(去勢)が34万5845円と前年を約10万8000円(23.8%)下回ったほか、雌も27万7966円と前年を8万7630円(24%)下回った。
 1頭当たりの最高値は、雄子牛が65万1000円(1月)、雌子牛が60万6900円(同)だった。
 今年は、原油高騰に端を発した諸物価の高騰による牛肉の消費低迷や飼料価格高騰による肥育コストの上昇など肥育環境の悪化を受け、子牛価格が急落。1月に37万6000円だった子牛の平均価格が5月のセリでは24万円にまで下落。7月以降、若干持ち直したが、まだ30万円を境に前後する状態が続いている。
 JAの畜産担当職員によると、今後の子牛価格は「末端で牛肉の消費低迷がまだ続いているが、大きな価格変動はせず、月により上下する現在の状態が続く」との見方を示している。