NPO法人 専攻科 滋賀の会

盲・聾・養護学校高等部への専攻科設置拡大、そして広く特別な教育的ニーズを有する青年たちの教育機会の保障をめざす滋賀の会

活動報告 学習塾志祐舎との教育懇談会開催しました!

2016年02月28日 14時39分17秒 | 会員募集のお知らせ

当会での教育関係者の定例懇談会では、初めてになる学習塾側と面談・情報交換を持ちました。

理事長の立岡より下記レポートいたします。

出席者

・志祐舎/堀畑正浩塾長

・専攻科/坂井清泰理事・村井竜雄理事・立岡 晄理事

・会  場/彦根市戸賀町73-1酒正ビル2F 

・開催日時/2月20日(土) 14:00~16:00

専攻科滋賀の会はこれまで素敵な団体と懇談会を開いてきているが、以前「志祐舎通信」に“自ら主体的に取り組み、指示待ちではなく自ら解決する能力を持ち、コンピューターやロボットが到達できないであろう人間的感情、優しさ、思いやりを持った人間”にという志祐舎のお考えを知り、ぜひとも懇談をとご多忙の中堀畑塾長と自由な意見交換をさせていただきました。

【懇談要旨】

■村井理事から専攻科滋賀の会の紹介として会の発足のいきさつ、その後の運動の足跡、現在の到達状況などを資料に基づいて報告させていただきました。

■堀畑塾長から志祐舎の紹介をしていただく。

塾の立ち上げは塾を経営している後輩から誘われたことがきっかけとのこと。それまで塾のイメージは今一だったが子どもたちが真剣に学んでいる姿で考えが変わり始め、ついに2000年に志祐舎を立げ、独立。
挫折体験をもつ子どもたちを軸に個別指導をしている。一般には「講師1 対 塾生8」といったところだが、志祐舎は「講師1 対塾生3」で「80分指導」とのこと。4年前からオンライン教材(以下ICT:Information and Communication Technology≒情報通信技術)を導入。

ICTを利用し、入り口は教えるがそのあとは子ども自身が自分の力で学ぶように指導。子どもたちの自主性を引き出し育てるという考えが塾の理念とのもと、履修運営している旨御説明をいただく。

■専攻科滋賀の会と志祐舎の考えは「根っこ」のところが共感できるということを前提に、「お互い何か連携していけることはないか?」と自由な懇談を行った。

■村井理事、坂井理事から、教師経験時の「40数年前の盲学校に知的障害児も学んでおり、例えば地図の見方など、入り口を教えることで見方がわかると楽しくなってきて伸びるんです・・・」との話題から、堀畑塾長から、「当塾にも知的障害児がおられる」との呼応して頂いた。

そのようなことで話はひきこもり・不登校の子どもたちのことが懇談の真ん中に入ってきた。

■坂井理事はこの点での専門家として多くの事実やこれからのことを報告されたが、塾で利用され始めた「ICT」を利用したひきこもり・不登校の子どもたちに支援ができないだろうかという模索の懇談となっていった。

■立岡理事からは引きこもりの青年と交流している体験から、ICT利用による交流に発展できないものかなど、具体的な話も出てきた。坂井理事から番組「※夢の扉プラス」(TBS系)不登校の子どもがロボット(小型通信ロボット「オリヒメ」)を作り、ロボットが影武者となってみんなの中に入っていく時代だとのこと。(下記、参考記事)

※夢の扉プラス 2月14日放映(オリィ研究所 所長/吉藤健太朗さん)

“分身ロボット”「オリヒメ」と吉藤氏。マイク、スピーカー、カメラを内蔵。首や両腕が動いて感情も表現。どこにでも持ち運べ、どこからでも簡単に操作でき、オリヒメを通して、離れて暮らす家族や友人と、一緒にいるかのようにコミュニケーションがとれるという。

(引用元 TBS番組ウェブサイト http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/archives/20160214.html)

最後に、志祐舎通信に書かれていた「10年後にはコンピューター化され47%もの仕事がなくなっていく。時代は変わり、多様化していく中で変わらないものは人間の「こころ」ではないかということも確認できた。

一人ではなく、仲間たち・集団の中でこころをかよわすことは一番大切だ。。ICTを軸に引きこもる人たちとの交流や、事業を起こせないものか・・・。結論は出なかったが有意義な懇談会となった。ICTを軸に引きこもる人たちとの交流や、事業を起こせないものか・・・。結論は出なかったが大変有意義な懇談会となった。(文責:立岡 晄)


(講評)

インダストリー4.0による産業革命の日の出が近づいてます。欧州では福祉や医療の世界に日本製のロボットが既に活躍しておりますし、アメリカを筆頭に自動運転の乗用車も市販化実験が進んでおります。昨今、世間ではIoT(Internet of Things)、いわゆる物のインターネット化による様々な通信、センシング、ビッグデータ技術により、様々なロボット等による自動化がこの教育・福祉の世界にも間違いなく入ってきます。その中で基本理念や指導・対処方法論は不変のままでも「近未来の付加価値のある教育・福祉サービス」を当会でも今後着目していきたいと考えております。(H)

【ご参考】TV東京で過去に放映された「オリヒメ」動画

         クリックしてください▼           

OriHime(オリヒメ)医療・介護ロボットの活用

 


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専攻科滋賀の会NEWS15号発行のお知らせ

2016年02月20日 11時33分17秒 | 会からのお知らせ

会員の皆様へ発行・配送している「専攻科滋賀の会NEWS」ですが、4ヶ月ぶりに最新号発刊しました!今月中には皆様の御手許に届くと思います。今暫く御待ち下さいませ!

3月12日(土)にはサンデー専攻科(英語の体験型模擬授業)等が行われます。(下のニュースご参照ください)

皆様、お楽しみに!お気軽に遊びに来てください。

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対 滋賀県・交渉の参加の御報告

2016年02月11日 15時58分27秒 | ご報告

障滋協(障害者の生活と権利を守る滋賀県連絡協議会) 対県・交渉の参加御報告

毎年恒例の障滋協対県交渉に昨日当会メンバー3名で下記の流れで参加して参りました。参加レポートにて皆さまにご報告したいと思います。御参照のほど宜しくお願い致します。

参加日時・於

・期 日:2016年2月10日(水)

                 ・時 間:10:00~12:00 知事部局との交渉

                             13:00~15:00 教育委員会  との交渉

          ・会 場:滋賀県庁新館5F会議室    


午前/知事部局 ~ 午後/教育委員会

障滋協 宮本正尚会長のあいさつで始まった交渉は午前中の知事部局、障害福祉会と午後からは教育委員会との間で行われた。

すでにNPO法人専攻科滋賀の会として要望しておいた専攻科設置に関しては障害福祉課からの回答として「すでに始まりかけている通称学びの作業所は特別支援学校等卒業後の選択肢として広がれば・・・と理解を示されていた。

交渉が実施された滋賀県庁外観

一方、教育委員会の回答は知的障害など学習指導要領の定めもないことから、高等部への専攻科設置は予定されておりませんと従来通りの域を出ない回答であった。

私たちとしては「専攻科」に関する理解がまだ広まっていないと言う認識のもと、今日の交渉には専攻科滋賀の会の立ち上げと現在の直近動向について資料にもとづいて説明を積み上げた。

ベースは県内全特別支援学校の高等部保護者、同家族、および作業所職員へのアンケート結果から共通して70%を超える皆さんが知的障害児の教育期間延長を2~4年は願っているという結果があること。そのねがいを実現するため、活動を始め、NPO法人を取得し、日常的はサンデー専攻科なども取り組んでいると言う実態を報告した。

こうした専攻科と学びの作業所の全国データならびに資料を県宛に提供したので、行政としても掌握されたことと思う。

 渡邉 武 副会長は終わりの挨拶で、今国の施策が大きく変わろうとする時代であり、その代わる方向も特別支援学校から一般学校へと言う「インクルーシブ教育」が重視されつつあると述べられた。

渡邉 武 副会長

「障害のある子どもとない子どもが、共に学びあう教育です」と書かれた記事を紹介しつつ、深く考えねばならない時代到来を警鐘されていた。

(当会・参加者:立岡 晄/徳田佳宏/村井竜雄)


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【御報告】エコールKOBE開設5周年記念イベント出席報告

2016年02月07日 13時08分54秒 | ご報告

当会、立岡理事長が、先週行われたエコールKOBE開設5周年記念イベントに参加して参りました。参加レポートをご報告させていただきます

  ●開催日時:2016年1月30日(土)9:30~15:30

  ●会   場:神戸市長田区、アスタくにづか4番4階

  ●参加者:総勢約200人(一般・行政・教育関係者・学生・父兄・他多数) 

  ●日   程:研究ゼミ発表会/5周年記念イベント

研究発表会

エコールKOBEが大切にされている「主体的に学ぶ」「本物の体験」「仲間とともに」にという理念で次々とステージ上で各々のテーマに基づく卒業生の研究発表が行われた。発表後の質問にも自信をもって応えられていた姿はたのもしく思えた。(例えばわからないことにはわかりませんと答える力など)

私が、研究発表で共通して感じたこととして、理念に基づく教育方針が見事に実践されている報告内容だったこと。そして実に一人ひとりの研究は堀り下げられていて、聞いている私たちも知らないことが多く驚き、学ばされたこと等。青年期の学びの場を踏んで育っていく大切さが見事に立証された報告だった。▼


岡本 正 代表取締役

「エコールKOBEの立ち上げの経過とこれからの展望」の講演では、和歌山の小畑理事長との出会いが今日を築いてくる土台だったと話され、出会いの大切さが良く伝わってきた。開設5周年、岡本社長の皆さんを包み込む笑顔と人柄がエコールKOBEをここまで育ててきた事実と、更に未来に向かっての展望が明るいことを確信した内容だった。私の性格によく似ているのでお聞きしたら干支が同じとのことで思わず納得。▼

実践報告・吉川史浩さん

「障害青年の学びを考える」と言うテーマで30分。報告を貫いているのは当校の理念をしっかりと実践されている内容でブレがなく自信ある報告だった。ここでも教育の大切さ、自分探しの時間保障の大切さを共感する内容だった。吉川先生、これからのご活躍、期待しています。▼

シンポジウム「エコールKOBEの取り組みを通して障害青年の学びを考える」

コーデネーターを河南 勝学園長が、和歌山の小畑耕作さんと茨城の舟橋秀彦さんがシンポジストとして登壇された。小畑さんと舟橋さんのお二人の論は関西と関東と言う地域差を全く感じさせない共通した報告として印象に残った。上から目線ではなく、ある意味まる投げにし、じっくり待つ、あちこちにぶつかりながらも仲間集団の中にあって自分探しを保障する。その中でつかんだことは確かな自立だ。お二人の発言は確信に満ちていた。終わりの方で、小畑さんから5年以降に、実践してほしいこととして「暮らしの一人立ち」をめざすグループホームや下宿、アパート住まいなどを実践する事の大切さが語られた。私自身、親から離れ下宿住まいをした青年時代を思い出し、思わずうーんとうなずいてしまった。▼

★昼食中、滋賀からの発信として私から、専攻科づくりの組織化・運動化を提起した。(以上)

参加しての報告内容:専攻科滋賀の会・立岡 晄

(※写真についてはエコール神戸Facebook-Pageとリンクさせていただきました)

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