NPO法人 専攻科 滋賀の会

盲・聾・養護学校高等部への専攻科設置拡大、そして広く特別な教育的ニーズを有する青年たちの教育機会の保障をめざす滋賀の会

専攻科滋賀の会 第6回総会&記念講演会開催報告

2014年08月23日 08時45分35秒 | 会員募集のお知らせ

 先月7月20日に解されました、第6回総会、同時開催の記念講演会開催状況をご報告いたします。

 総会では、冒頭理事長のあいさつがあり、①7回の理事会を開催し、②関係団体との懇談を行っていること、③全国の会との連携を深めていること、④サンデー専攻科と学習会に取り組んでいること、⑤総会を節にして発展を目指そうと話されました。

 情勢については、国連「障害者の権利条約」が2014年2月より効力を生ずることになり、第24条の教育においては、「締約国は、障害者が差別なしに、かつ他者との平等に、高等教育一般、職業訓練、成人教育及び生涯学習の機会を与えられることを確保する。」と障害の有無によって教育機会に差があってはならないと述べている。この権利条約を私たちの運動のよりどころとして行こうという提起がありました。

 活動報告は、法人の事業として、ある学校法人との懇談を重ねていることが報告されました。また、昨年の12月に開催された第10回全国大会に6名が参加したことが報告されました。質疑応答の中で、7月13日に投開票が行われた知事選挙での、障滋協が行った公開質問状の回答で、三日月陣営が「視覚・聴覚障害以外は学習指導要領に定めがないので、公立学校での設置できない」と回答されていることについて意見が出され、このことに関して「障害児教育の分野はないものを創り出す分野である。会として丁寧に懇談をするなど対応するべきである。」との意見が出されました。

 会計決算の報告では、全国大会(福岡)の参加補助の額が大きかったこと、またニュースのカラー印刷に多額の経費がかかっていることの報告がありました。最後に、理事の定数を8人から9名にすることが承認されて総会を終えました。

 総会後の記念講演は、京都教育大学の丸山啓史先生が「障害のある青年の発達保障と『専攻科』」と題して講演下さいました。自立訓練(生活訓練)事業に関するアンケート結果をふまえて、「学びの場」としての自立訓練事業と専攻科をめぐる論点を多方面から分析して、多くの示唆を与えて下さいました。

■講話中の丸山先生

自立訓練事業をどうとらえるのか、20歳前後の人にとっての「学び」とはどのようなものであるべきか、生涯にわたる学習権保障をどう構想するのか、等、青年期教育を考える上で課題となる多くの課題解決のための実践研究が求められていることを知らされました。質疑応答の中では、「理想的な流れの受け入れとしんどい流れでの受け入れを考えると、あるべきものと現実的なものの二重の構えが必要ではないか。」「学校教育がすべてではない、青年の発達の場は多様であろう、学校教育と福祉対応を対立としてはとらえるべきではない」と言った意見が寄せられ、活発な論議となりました。

■ご出席の皆様有難うございました! 

今後、会が中心となり、青年期教育のあるべき姿に関する問題提起を含め、高等部卒業後の選択肢の一つとしての専攻科設置運動を盛り上げていく必要性を痛感しました。(T)

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