日本経団連会長でキヤノン会長の御手洗冨士夫氏は、派遣労働者などの解雇について、「経営者にとっても苦渋の選択」などと述べたと言います。
しかし、キヤノンの関連会社の1700人の派遣・期間雇用などの労働者の雇用維持には、同社の内部留保(ため込みですね)3兆3千億円の0.1%を取り崩せばいいとされています。
自動車メーカーで構成する「日本自動車工業会」の会長:青木哲氏(ホンダ)も「企業の競争力を維持していく観点からの苦渋の決断(で非正規を切る)」と言ったそうですが、ホンダの内部留保は6兆588億円、自動車関連主要10社では27兆円にもなるのに、15000人の解雇・契約解除が計画されているということです。
「苦渋」どころか、労働者のためには「舌も出さない」、大企業の経営のあり方が今厳しく問われています。
麻生首相は、1日に日本経団連に「雇用の維持を要請した」と伝えられていますが、3日後には、日本経団連会長企業のキヤノンが大量解雇の計画を打ち出すなど、「首相のお願い」は何の効果も無いことが明らかになっています。
日本共産党は労働者と共同したたたかいで大企業に厳しく迫っています。
11月26日に志井委員長が、大量の「非正規切り」を発表したいすず自動車に対し解雇撤回を申し入れ、12月2日には小池晃参議院議員がこの問題を国会で取り上げました。
4日、いすず栃木工場で労働組合が結成されて、解雇撤回の仮処分申請を裁判所に申し立て。
5日、志井委員長が麻生首相と異例の党首会談をおこない、「大企業と経済団体に対し、政府としての強力な指導と監督によって是正し、すみやかにやめさせる」よう強く要請。
9日、厚労省が全国の労働局長あてに、不適切な解雇・「雇い止め」をしないよう企業に「啓発・指導」することを通達。
同日、いすず藤沢工場の労働者が解雇予告の効力停止などを地裁に申し立て。
同日、小池議員が、契約途中解除の非正規労働者が会社の寮を追い出されている問題を参議院で取り上げ、大企業の違法解雇をやめさせるとともに、「雇用促進住宅」を活用した住居対策を行うよう求めています。
政府は、失業者を支援するための対策をいくつか打ち出しました。
もちろん、失業者の生活を保障する政策(小手先でなく、抜本的なものです)も必要ですが、今必要なことは、大企業のリストラを厳しく規制することです。
「(国には)金が無い、金が無い」と言いながら、大もうけしている大企業のリストラを容認し、その尻ぬぐいを国費でおこなうなどという政治のあり方もまた厳しく問われています。