パロディ『石泥集』(短歌・エッセイ・対談集)

百人一首や近現代の名歌を本歌どりしながら、パロディ短歌を披露するのが本来のブログ。最近はエッセイと対談が主になっている。

2018対談・岡目八目12 ゴーン問題の裏

2018-11-21 11:30:48 | 対談

(写真は、逮捕されたカルロス・ゴーン)
                 カルロス・ゴーンのはまった罠

(冬)日産・ルノー・三菱自動車の実質経営者のカルロス・ゴーンが逮捕されましたね。
(八)有価証券報告書に、自分の報酬を50億円も過小報告していた、と。
(冬)表面に出ている10億円あまりの報酬だって、日本では破格でしょう? それでも足りないとは、どういうことか?
(八)リオデジャネイロやパリ、アムステルダムなど4ヶ所に豪華な住宅を購入させて使っていたという報道もあるし、家族旅行の費用も何千万円と出費させたといわれていますね。
(冬)そういう報道があると、身を隠したくなる人がいるのでは?(笑)
(八)増添・前東京都知事ですか(笑) 彼はセコいだけだが、ゴーンは強欲でしょう? 毎日忙しくしていて、金を使う暇もないらしいのに。
(冬)そこですよ。彼は野心家だから、ルノーの業績回復という勲章を下げて、大統領になりたかったのではないかな。もっとも、レバノンとブラジルとフランスの三重国籍を持っているので、ほかは放棄するのでしょうが…。
(八)大統領ねえ(笑)。疑問は残るが、ルノーと日産で綱引きをしていたことは事実です。
(冬)ゴーンはタイヤメーカー・ミシュランで成功して、ルノーの経営陣に加わったあと、日産が不振におちいって、ルノーと資本提携をしたのでしたね。
(八)そこへ派遣されてきたのが、副社長だったゴーン。1999年6月のことです。日産のCEOになると、主力の村山工場を閉鎖し、2万1千人のクビを切り、コストカッターとして名をはせた。
(冬)クビ切りが必要となると、それのできる日本人がいないのですよ。人情が絡むのと、クビ切り執行者としての悪い評判に堪えられない。そこで…
(八)つい、外人に頼ってしまう。日産の問題は、日本人の弱さの問題でもある。
(冬)昔は日本にも、立派な死刑執行人もいたと聞きます。最も優秀な、人望の厚い人間があえてクビ切り役になる。「あの人が言うなら仕方がない」というわけ。そして、最後には自ら切腹する。そういう立派な覚悟を持って経営していた人がいました。
(八)今度の問題の背景は、ルノーとの資本提携でしょう?
(冬)ゴーンは2005年からルノーの最高執行責任者でしょう。しかし、日産と違って、なかなか業績が回復しない。
(八)そりゃ、そうです。日産でやった猛烈なコストカットをしていない。フランスでは、反感を買いたくないというところでしょう。
(冬)実際には、日産の方が売り上げもルノーの1.5倍になり、儲けを吸い上げられる…という構図になってきた。
(八)ルノーはこんなに甘い話を手放したくない。どころか更に支配を強めたい。一方、日産の方からすれば、冗談じゃないという話になる。
(冬)もう利害が相反しているのですね。一種の戦争状態だった。
(八)日本側がゴーンの弱みを掴んで反撃に出た、という構図ではありませんか。いずれ、決裂すると思います。ルノーの筆頭株主である、フランス政府がどう出るか。
(冬)ルノーの経営は危なっかしいですからね。マクロン大統領がどう裁断するのでしょう? 日産に力を持った経営者がいるかどうか? さらに三菱はどうするか? 野次馬としては、面白い見世物ですな。
(八)喧嘩をする以上、尻すぼみになってほしくない。妥協するにせよ、決裂するにせよ、堂々と交渉してほしいですな。力は明らかに日産が上ですから。


(写真は、気の許せないプーチン)
                  日露平和条約の要

(冬)時事問題のついでに、ロシアの話をしませんか? そのうち、喧々(けんけん)諤々(がくがく)の議論になるでしょうから。
(八)ロシアは4島を返すつもりはありませんね。「2島+アルファ」が日本の狙いだと、元外務省の担当者が言っていたのが順当なところでしょう。
(冬)国後島、択捉島で日本人がどれだけ自由に活動できるか、が焦点というわけか。
(八)野党をはじめマスコミは「歯舞、色丹の2島も返ってこないのではないか?」という疑心暗鬼キャンペーンを張るに決まっています。
(冬)疑心を安倍首相に向けるためですね? 「彼は日本を売ろうとしている」という空気をかもし出すためにね。もうテレビ朝日は始めましたよ。
(八)最初から味方も相手も信用しないなら、そもそも外交が成り立たない。その辺を分かっているのかな?
(冬)分かっていてやるのでしょう。揉めさせたい、政局にしたい、の一心ですよ。これまでの行状をみれば分かります。
(八)でも、プーチンは支持率も落ちているようだし、本当に平和条約を決断できますかね?
(冬)平和条約に関しては、日露双方にメリットがあります。CHINAを牽制するために、ね。
(八)国後、択捉よりも優先してもらいたいことがある。それはシベリア抑留の問題です。終戦を迎えたとき、軍人をそれぞれの国に帰すのが、国際的な取り決めです。しかし、当時のソビエト連邦書記長(最高権力者)のスターリンは日本の兵隊さんを55万7千人も抑留し、シベリア鉄道敷設のための重労働に狩り出した。
(冬)飢えと寒さで5万5千人が亡くなっていますね。シベリアに限れば、死亡率は大きく跳ね上がるでしょう。
(八)スターリンは「日露戦争の仕返し」だと言っていたそうです。まず、この暴挙を正式に謝ってもらいたい。
(冬)こうした問題をウヤムヤにすると、日本人が崩れていきますね。いやもう、崩れているか(笑)。
(八)何度もこのブログで書いてきましたが、自分の利益のみを最高の位に就けた、世界初の国民です。宗教の縛りもない、国家の縛りも嫌う我利我利亡者(がりがりもうじゃ)が国を覆っています。国が危機に瀕したとき、15%しか戦わない、というのですから。世界でもダントツの低さ!
(冬)のこりの85%は逃げ出すのでしょうか?(笑)。どこに?(笑)。それとも、戦わずして降参するのか。これは笑っておれませんね。
(八)笑うどころじゃない。が、笑えてきますな(笑)。
(冬)逃避心理が日本人からなくならない限り、日露交渉も先行きが暗くなるでしょう。実際には最後のチャンスとなるかもしれないのに。
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