パロディ短歌(2013年事件簿4・中国の新防空識別圏の巻)
11月23日、中国政府は突然、日本の尖閣諸島を含む東シナ海に、新しい防空識別圏を設置した。日本の防空識別圏にかぶせてきたわけである。しかも「防衛のため、スクランブルを含むあらゆる手段をとる」と、声明を読み上げた。
これには日本だけでなく、(済州島の識別圏を侵された)韓国やアメリカなど、ほぼ全世界の反発を買ったが、予定の行動…といわんばかりの中国は引っ込める気配さえ見えない。アメリカは早速、戦略爆撃機2機を中国の設置した防空圏内に飛ばして、様子を見た。
本音ではアメリカと組みたい中国は、わざと見送った。そもそも、中国が何故この機会を狙って防空識別圏を仕掛けてきたかといえば、オバマ大統領の力が落ちてきたと見たからである。
シリア政府軍が化学兵器を住民に使用したと分かったとき、オバマはすぐに軍事行動に出ると声明を出しながら、化学兵器を差し出すとシリア政府が言ったとたん、声明を撤回した。オバマはイラクやアフガニスタンなど、過去の戦争から退くことを至上命令としてきた政権である。 シェールガスの発見で、アメリカは中東に以前ほどの興味をもっていない。「アラブの春」に対しても、積極的な手は打たず、ロシアや中国の台頭を許した。オバマは軟弱…と中国政府は読んだに違いない。
事実、オバマのアメリカは確実に力を落としてきた。何故、チェンジだけを叫んだ人物が圧倒的な人気で大統領に選ばれたのか、後世の人々は分からなくなるに違いない。
アメリカの力が落ちた穴を埋めるのは、日本しかないことも事実である。
一番怖いのは民間機だろう
●飛行機はかなしからずや 空の青海のあをにも識別の線
(本歌 白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 若山牧水)
(蛇足)かつて韓国の民間機がソ連の防空識別圏に入ったため、撃ち落とされた事件があった。今の中国と同じ共産党政府の仕業である。ソ連、北朝鮮、中国…常識が通用しない点が共通している。
乗客の気持を代弁して
●海上に尖閣囲む識別圏 こよひ飛ぶ人みな恐ろしき
(本歌 清水へ祇園をよぎる桜月夜 こよひ逢ふ人みな美しき 与謝野晶子)
(蛇足)万が一、撃ち落とされても困ると考えたアメリカの民間航空は、中国政府に飛行計画書を提出しようとした。日本航空と全日空に対し、日本政府は提出の必要なしと指導した。対応が割れて、中国では「してやったり」の空気があるという。
中国の防空識別圏設定には、オバマの態度がからむ
●「攻撃をやめた」と君が言ったから 11月23日は防空記念日
(本歌 「この味がいいね」と君が言ったから 7月6日はサラダ記念日 俵万智)
(蛇足)オバマはシリア問題で食言をした。つまり、約束を破ったわけである。中国政府は、これを弱腰と見抜いてあの挙に出たのであろう。アメリカ政府は「尖閣問題は安保の対象」と繰り返しているが、中国の牽制は続く。第二次世界大戦のときのように、日本にとって代わって、アメリカと組みたいのが本音で、組めると見極めをつけたとき、中国は一気に譲るはずである。アメリカに譲るための牽制…という視点をもっていないと、慌てふためくことになる。もちろん、日本へは譲らない。
実際に線が引かれているわけではないが…
●尖閣の空にうち出てみれば海原の 波の高嶺に線は引きつつ
(本歌 田子の浦にうち出てみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ 山部赤人)
(蛇足)軍隊同士の偶発事件が起きたら、口を極めて中国は日本を罵るだろう。中国の浅はかな連中が「戦争も辞さず!」と大声を上げるに違いない。やはり、これを抑止できるのは、今のところアメリカ以外にない。小泉政権のとき、日本政府を「アメリカの番犬ポチ」と蔑んだ連中は今どうしているのだろうか。今こそ、声高らかに国会前で同じ言葉を叫んでもらいたいものだ。
中国軍部には勇ましい議論もあるという
●尖閣の空スクランブルをかけ 飛び出さむと人には告げよ中共の空
(本歌 わたの原八十島かけて 漕ぎ出でむと人には告げよ海人のつり舟 参議篂)
(蛇足)中国の軍隊は、中国共産党のもちもので、国の軍隊ではない。いわば共産党の私兵なのだ。だから「中国の空」というより「中共の空」なのである。
同じ趣向で…
●飛行機の雲のかよひ路吹きとぢよ 力の無理強いしばしとどめむ
(本歌 天つ風雲のかよひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ 僧正遍昭)
(蛇足)軍隊とは、一番戦争をしたくない組織である。何故なら、損害を前もって見積もることができるから。損害を見積もって、引き合わないこともわかる。一時期は、引退した軍人同士の交流もあったと聞くが、今はどうなっているのか?
11月23日、中国政府は突然、日本の尖閣諸島を含む東シナ海に、新しい防空識別圏を設置した。日本の防空識別圏にかぶせてきたわけである。しかも「防衛のため、スクランブルを含むあらゆる手段をとる」と、声明を読み上げた。
これには日本だけでなく、(済州島の識別圏を侵された)韓国やアメリカなど、ほぼ全世界の反発を買ったが、予定の行動…といわんばかりの中国は引っ込める気配さえ見えない。アメリカは早速、戦略爆撃機2機を中国の設置した防空圏内に飛ばして、様子を見た。
本音ではアメリカと組みたい中国は、わざと見送った。そもそも、中国が何故この機会を狙って防空識別圏を仕掛けてきたかといえば、オバマ大統領の力が落ちてきたと見たからである。
シリア政府軍が化学兵器を住民に使用したと分かったとき、オバマはすぐに軍事行動に出ると声明を出しながら、化学兵器を差し出すとシリア政府が言ったとたん、声明を撤回した。オバマはイラクやアフガニスタンなど、過去の戦争から退くことを至上命令としてきた政権である。 シェールガスの発見で、アメリカは中東に以前ほどの興味をもっていない。「アラブの春」に対しても、積極的な手は打たず、ロシアや中国の台頭を許した。オバマは軟弱…と中国政府は読んだに違いない。
事実、オバマのアメリカは確実に力を落としてきた。何故、チェンジだけを叫んだ人物が圧倒的な人気で大統領に選ばれたのか、後世の人々は分からなくなるに違いない。
アメリカの力が落ちた穴を埋めるのは、日本しかないことも事実である。
一番怖いのは民間機だろう
●飛行機はかなしからずや 空の青海のあをにも識別の線
(本歌 白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 若山牧水)
(蛇足)かつて韓国の民間機がソ連の防空識別圏に入ったため、撃ち落とされた事件があった。今の中国と同じ共産党政府の仕業である。ソ連、北朝鮮、中国…常識が通用しない点が共通している。
乗客の気持を代弁して
●海上に尖閣囲む識別圏 こよひ飛ぶ人みな恐ろしき
(本歌 清水へ祇園をよぎる桜月夜 こよひ逢ふ人みな美しき 与謝野晶子)
(蛇足)万が一、撃ち落とされても困ると考えたアメリカの民間航空は、中国政府に飛行計画書を提出しようとした。日本航空と全日空に対し、日本政府は提出の必要なしと指導した。対応が割れて、中国では「してやったり」の空気があるという。
中国の防空識別圏設定には、オバマの態度がからむ
●「攻撃をやめた」と君が言ったから 11月23日は防空記念日
(本歌 「この味がいいね」と君が言ったから 7月6日はサラダ記念日 俵万智)
(蛇足)オバマはシリア問題で食言をした。つまり、約束を破ったわけである。中国政府は、これを弱腰と見抜いてあの挙に出たのであろう。アメリカ政府は「尖閣問題は安保の対象」と繰り返しているが、中国の牽制は続く。第二次世界大戦のときのように、日本にとって代わって、アメリカと組みたいのが本音で、組めると見極めをつけたとき、中国は一気に譲るはずである。アメリカに譲るための牽制…という視点をもっていないと、慌てふためくことになる。もちろん、日本へは譲らない。
実際に線が引かれているわけではないが…
●尖閣の空にうち出てみれば海原の 波の高嶺に線は引きつつ
(本歌 田子の浦にうち出てみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ 山部赤人)
(蛇足)軍隊同士の偶発事件が起きたら、口を極めて中国は日本を罵るだろう。中国の浅はかな連中が「戦争も辞さず!」と大声を上げるに違いない。やはり、これを抑止できるのは、今のところアメリカ以外にない。小泉政権のとき、日本政府を「アメリカの番犬ポチ」と蔑んだ連中は今どうしているのだろうか。今こそ、声高らかに国会前で同じ言葉を叫んでもらいたいものだ。
中国軍部には勇ましい議論もあるという
●尖閣の空スクランブルをかけ 飛び出さむと人には告げよ中共の空
(本歌 わたの原八十島かけて 漕ぎ出でむと人には告げよ海人のつり舟 参議篂)
(蛇足)中国の軍隊は、中国共産党のもちもので、国の軍隊ではない。いわば共産党の私兵なのだ。だから「中国の空」というより「中共の空」なのである。
同じ趣向で…
●飛行機の雲のかよひ路吹きとぢよ 力の無理強いしばしとどめむ
(本歌 天つ風雲のかよひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ 僧正遍昭)
(蛇足)軍隊とは、一番戦争をしたくない組織である。何故なら、損害を前もって見積もることができるから。損害を見積もって、引き合わないこともわかる。一時期は、引退した軍人同士の交流もあったと聞くが、今はどうなっているのか?