パロディ『石泥集』(短歌・エッセイ・対談集)

百人一首や近現代の名歌を本歌どりしながら、パロディ短歌を披露するのが本来のブログ。最近はエッセイと対談が主になっている。

2016年事件簿12 天皇のお言葉

2016-08-10 16:12:40 | パロディ短歌(2016年)
             今上天皇の意見表明

 8月8日、今上天皇が「譲位」についてのお言葉を述べられた。新聞などマスメディアはしきりに「生前退位」という言葉を使っているが、これは生前分与などを連想させ、あまりにも下世話な印象がつきまとう。昔から「譲位」という優雅な言葉があるのだから、あまり生前退位などという言葉は使わない方がいいだろう。
 さて、譲位であるが今上天皇および皇后さまのご年齢を考えれば、実現させてあげたいという国民が90%以上だろう。ただ、皇室典範の改正には、いろいろと困難が付きまとう…とマスコミは伝えている。すなわち、天皇が意に反して退位を迫られるようなことがあってはならないが、それをどうやって保証するのか、などが問題になるらしい。
 法律の文章をもって、このような事態を防ごうとするのは極めて難しい。法というのは不便なもので、細かく規定しようとすればするほど、抜け道が生じるようになっているのである。ここは、あっさりと「天皇自身の意志があれば」とすればよかろう。もちろん、譲位問題を検討して勧告する機関は必要だ。
 憲法では、天皇が政治的にふるまうことは禁止されており、政治の側が天皇を利用することも禁じられている。「天皇の意志」にならざるを得ない理由である。ここさえはっきりさせるならば、天皇は「元首」と定めてもよかろう。現に諸外国は「天皇は元首」の扱いをしている。例によって、軍国主義の復活―などとデマを流して、中国・韓国などが騒ぎ、それに呼応して朝日新聞・中日新聞・東京新聞・共同通信などが騒ぎたてると思うが、いつまでも憲法を実体のない幽霊にしてはならない。
 実体を反映すれば、天皇は元首であるし、自衛隊という軍隊をもつ日本は、第9条の戦争放棄にはなじまない。第9条を普通に読めば、軍隊はもてない。それならば、自衛隊を解散するか(現に共産党はこの考えだ)、第9条を改正するかの二者択一になる。

 今回の「お言葉」で、筆者が驚いたのは天皇が「個人として」話をすると述べたことであった。もちろん、天皇の政治的発言は禁じられており、それに抵触しないよう「個人」としての側面を強調されたのであろう。ただし、よく考えてほしい。天皇に「個人」としての側面があるのなら、靖国神社への参拝は可能になる。私が「個人」に驚いたわけである。
 日本は政教分離の確立された国である。それならば、靖国への参拝はすべて「個人」の行為とすればよい。そもそも、靖国神社だって一宗教法人である。日本国民には、信教の自由がある。「個人」の信条に従って参拝するのに、何の遠慮があろうか。中国も朝鮮も口出しはできまい。まして朝日や東京などの新聞社においてをや。諸賢のご意向を賜りたいものである。

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2016年事件簿11 都知事選の総括

2016-08-10 12:29:48 | パロディ短歌(2016年)
            都知事選挙に捧げる歌

 都知事選挙が終わって10日。291万票という大量得票で選挙に勝った小池新都知事は、安倍首相や森喜朗・オリンピック委員会会長との関係も修復して、自信満々の船出である。
 今度の選挙で女を上げたのが小池百合子、男を下げたのが鳥越俊太郎と石原慎太郎・伸晃親子であることは衆目の一致するところだろう。遅まきながら、パロディ短歌をささげる。

小池の勝因は清水の舞台から飛び降りた度胸
●この度は推薦もとりあへず都知事選 百合子のみどり民のまにまに
(本歌 この度は幣もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに  菅家)
(蛇足)自民・公明推薦の増田候補は、石橋を叩きすぎていた印象。鳥越候補は年齢やスキャンダルでつまづいた。

その結果、こういう風に
●有権者 緑をしめて街宣にうっふんうっふん肩をならべる
(本歌 白菜が赤帯しめて店先にうっふんうっふん肩をならべる  俵万智)
(蛇足)緑のイメージ選挙は見事だった。また、敵の陣営がタイミングよく転んでくれた。

小池を応援すれば家族郎党除名…とのお達しが最初のあてはずれ
●いにしへの江戸の都の獄門打首けふ自民党に匂いぬるかな
(本歌 いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重に匂いぬるかな  伊勢大輔)
(蛇足)ずいぶん評判が悪かった。封建制度の一族同罪を連想させたこのお達し。時代錯誤も甚だしく、自民党の価値を下げた。

石原慎太郎の応援は最後の切り札だったはずだが…
●慎太郎の放言なつかし決起集会の人ごみにそを聞きにゆく
(本歌 ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聞きにゆく  石川啄木)
(蛇足)中国に向かって放言する慎太郎は頼もしいが、「大年増の厚化粧」とやったのでは逆効果。状況が読めないのは、やっぱし歳だなあ。

鳥越俊太郎は今ごろ出馬を後悔しているだろう
●セクハラという字を二つ週刊誌に書かれ当選をあきらめて帰り来れり
(本歌 大という字を百あまり砂に書き死ぬことをやめて帰り来れり  石川啄木)
(蛇足)出馬して当選…などというすけべ心を出さなければ、今もサヨクのインテリキャスターとして、大きな顔をしていられたはず。代償は大きかった。

鳥越を担いだものの、腰砕けに終わり(4党責任者)
●たはむれに鳥越背負ひてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず
(本歌 たはむれに母を背負ひてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず  石川啄木)
(蛇足)投票日の前日に民進党の岡田代表が「次の代表選ヤーメタ!」とのたまったのは、後ろ足で砂をかけたに等しい鳥越への当てつけがある…とにらんだが、どうかな?
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2016年事件簿10 岡目八目・都知事選挙予想(更新)

2016-08-01 11:53:39 | パロディ短歌(2016年)
      
 岡目八目・都知事選挙予想(更新)

 7月31日午後8時には、小池百合子の当選確実が出た。増田寛也や鳥越俊太郎の伸び悩みは予想通り。 

 今回はいろいろなことが分かった。石原伸晃・自民党東京都連会長は辞任でしょう。総裁レースからは脱落に近い状態である。

 4党推薦は先の参議院選挙で一定の成果を上げた―と関係者は評価しているが、今度の選挙戦を見て、別のリスクが浮かんできた。候補者のお粗末は論外であるが、4党の内1党でも気に入らない政党や人物がいれば、有権者が離れるというリスクである。

 鳥越の選挙カーに、小沢一郎が乗っているのを見て、小沢嫌いの人は距離をおいたに相違ない。また、4党の中に社民党が入っていて、慰安婦問題捏造に手を貸した福島瑞穂がしぶとく議員として残っていることを思いだした人も離れるだろう。これまで4党で異質ゆえに有権者が離れると懸念されたのは、共産党だった。ところが、そのリスクは4党全部にある。どうも、4党がプラスに働くばかりではないのである。関係者はもう一度点検した方がよい。おかしな振舞いが鼻につく、あの山本太郎も4党の一味である。少なくとも、私は小沢・福島・山本の三馬鹿トリオがいる限り、4党推薦に信をおくことはできない。

 今度の選挙で、女を上げたのが小池百合子なら、唯一、男を上げたのが宇都宮健児であろう。共産党はじめ各党から催促してきた、鳥越への応援演説を断り通した。その理由がいい。週刊誌で報じられた女性問題に、鳥越自身が反論し、申し開きをしないから…というのである。事実なんだから、鳥越は反論しようがない。筋を通した宇都宮が株を上げたゆえんである。最も男を下げたのが鳥越俊太郎であることは言うまでもない。


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 今は7月31日午前8時3分だ。今日の投票が終わる前に、都知事選挙の予想と講評をしておこう。

 小池百合子=あまり言われていないが、告示前にイギリスでメイ首相が誕生した。颯爽と火中の栗を拾う姿を見て、「東京都知事も女性がいいのでは…」という、意識化される以前の「なんとなく」ムードが出たのではないか。この「なんとなく」に乗って、小池百合子当選。(確率は99%)

 増田寛也=実力は文句なしにナンバーワン。石原親子に足を引っ張られたのはお気の毒。次点(確率99%)。石原伸晃は政治的に「危篤状態」である。谷垣幹事長より重体だと思う。以前、道路公団の藤井総裁のクビを切るのに手こずったことを合わせて考えると、政治センスがない。

 鳥越俊太郎左翼の不勉強ぶりが如実にあらわれた。ジャーナリストの上から目線も十分に見せてくれた。左翼とジャーナリストの本性を知らせ、国民の反発を買ったという意味では、今度の選挙で一番の功労者ではないか。週刊誌の報じた女性問題にも、フジテレビの「グッディ」でしどろもどろになる醜態を見せた。集票は予想の半分以下の惨敗。

(今回はパロディ短歌はお休みさせていただきます。あしからず)
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